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ハムとチーズのサンドイッチと、ビートルズ
ひさしぶりに四ツ谷の「ロン」。
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駅の近くの一軒家。しかもコンクリート打ちっぱなしの特徴的な建物で、小さな要塞みたいな感じ。
昭和29年、1954年の開店です。ボクより6歳も年上の店。
お店の中も独特です。
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ワインレッドの合成レザーのソファにデコラばりの白いテーブル。レンガ積みの仕切り壁にマホガニーの壁。
開業当初から使い続けているのでしょう…、経年劣化ではなく使い込まれた渋さを感じる。
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窓際には丸いテーブルを囲むようにソファが置かれて、ふたりで来たらそこだった。お店全体をみわたせる特等的でオキニイリ。
全席喫煙可能な店です。
テーブルの上にはドリップし終えたコーヒーの粉を敷いた灰皿、ステンレスのシュガーポットとどこをとっても昭和な景色。
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コーヒーとミックスサンドイッチを選んでたのむ。
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ちょっと前までは逆三角錐にかぎりなく近いコーヒーカップを使ってた。
昔の喫茶店がよく使ってた分厚く取っ手の小さいカップ。
今ではそういうカップを作るところが少なくなって、それでも今のカップに変わったという。前のカップになみなみ注ぐのと同じ量のコーヒーを、今のカップに注ぐとちょっと少なめ。しょうがないけどもったいない。
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ミルクは濃厚エバミルク。小さなピッチャーは昔のままでなつかしい。
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8枚切りの食パンに薄切りのハムが二枚一組。
チーズは一枚。
パンの分量が圧倒的に多いのに食べるとハムやチーズの存在感がかなりあるのが不思議な感じ。
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パンは焼かずにそのままで、ちょっと乾いた感じがする。
なのに口の中でたちまちとろけてなめらかになる。
マヨネーズとかバターとかをそんなにたくさん使っているわけじゃないのに、これまた不思議。
同じように自分で作っても、同じようにはならないところがここならでは…、って感じがします。
オキニイリ。
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ハムとチーズのサンドイッチを一緒に食べると、歯ごたえ、歯ざわり、チーズとハムの混じり具合が絶妙で新たな発見。
おゴチソウ。
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BGMは今日もザ・ビートルズ。
お店に入ったときに「say hello」がながれはじめて「lady madonna」に続いてく。それから何曲か曲が続いて「long and winding road」で泣いちゃった。
長く曲がりくねった道は君の扉に続いているんだ…、しかも決して消えることのない道。切ないネ。
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ビートルズは好きな曲もあった。例えばサージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドはアルバム総体として好きだったけど、そうでもない曲も結構あった。
例えば初期のアップテンポで荒削りな感じのする曲は聴き飛ばすことがほとんどで、でもタナカくんはそういう曲が好きで、上手に歌った。なにしろサンボマスターが好きな人でしたからロック魂があったんでしょう。
ボクはひねくれ者で情熱的な若さが苦手。だから直球勝負の歌はあんまり好きじゃなかった。
でもタナカくんにときに感情をぶつけることもいいもんだ…、ってことを教えてもらった気がする。ありがたい。
I wanna hold your handを歌いながら手をつないで握りしめたことを思い出す。
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