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鼻先で鴨がネギ背負ってジタバタしてる…。

新宿西口のメトロビルの地下でひっそり営業している永坂更科布屋太兵衛で鴨南蛮。

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浅草で天ぷらそばを食べたって日記を書いたら、冬の鴨南蛮は格別ですよってコメントもらった。そしたらいてもたってもいられなくなり、すぐに浅草に飛んでいこうかと思ったほど。
けれど浅草はボクにとってちと遠い。
銀座までは近いのだけど、そこから先まで気持ちを動かすにはかなりのエネルギーが必要で、なにしろコロナで遠出はちょっと気が引ける。
それで近所の新宿の永坂更科布屋太兵衛。

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いつもキレイに整っているショーケースの中を見るとここにも鴨南蛮がございます。「鴨南そばをください」と座って一言。天ぷらそばでもなくせいろでもなく鴨南蛮という、なんだか大人になったような気持ちがしてくる。オモシロイ。

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しばらくまって湯気をたたえた器が到着。湯気と一緒に鴨南蛮に独特の脂の香りがふわっと漂う。そばが見えないほどにたっぷりくったりとしたネギに鴨肉。冬の美味をしみじみ感じる。

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さてまず鴨肉。箸でひと切れ持ち上げて口に運ぶと鼻先で鴨がしばらくジタバタ暴れる感じがまずする。合鴨独特の強い脂の匂いが一瞬を鼻をついてたじろぐんだけど、一口食べればそれもおいしい香りに変わる。
ただボクにとって鴨の香りはどちらかと言えばフランス料理の香りであって、だから気持ちが日本の料理とフランス料理の間を行ったり来たりするのがなんだか不思議。

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汁をすすると鴨の脂が一緒に口にやってきて、それが熱々。しかも香りが深くて豊かで日本料理ばなれした濃厚味にまたウットリ。
ネギには軽く焦げ目がついて、その香ばしさが鴨肉のレバーのような風味をおいしくしてくれて、汁に溶け出した脂でキラキラ輝くさまもまたオゴチソウ。やっぱり浅草に行きたいなぁ…、って思いもしました。がんばろう。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13034644/#index


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