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ボクのたまごサンドイッチ、母のたまごサンドイッチ

たまごサンドイッチ。

どんなたまごサンドイッチをイメージしますか?

しっとり焼いた卵焼きを挟んだサンドイッチ。
ぽってりあえたたまごサラダを挟んだサンドイッチ。
そのどちらかがおそらく大半。
焼いた卵が分厚かったり薄かったり。
出汁を混ぜてしっとりさせたり、ハムや玉ねぎのような刻んだ具材を混ぜて焼いたものとか、卵焼きといってもさまざま。
たまごサラダにしてもゆで卵だけであったり、中に具材を混ぜたりと種類さまざま。

ボクは目玉焼きを挟んだサンドイッチが好きだったりする。
焼いたベーコンやハムをはさんで、パンもトーストして使ったりといろいろ工夫をするけれど一番気を使うのは目玉焼きの仕上げ方。
小さい頃に、いろんな目玉焼きの作り方を母と一緒に試行錯誤したことがあって、そのとき試した焼き方のひとつがサンドイッチには適しているように思ってそれ。

まず玉子を冷蔵庫から取り出して、黄身まで室温に戻しておく。
できれば一晩。
12時間ほど常温で保存したのを用意する。
フライパンに軽く油を塗っておきます。
中火であっため油がサラサラ、フライパンの上をすべるようになったところで胡椒をたっぷり振り、あっためる。
胡椒の香りが出てきたら常温に戻した玉子をそっと割る。
玉子の上に直接塩と胡椒をパラリ。
蓋してしばらくそのまま蒸し焼き。黄身を覆った白身が固まり縁がめくれはじめたところでヒックリ返して再び蓋して焼き上げる。
キッチンタオルの上におき、粗熱とったらパンで挟んで出来上がり。
白身の縁がサクサク焦げて香ばしく、白身はかっちり固まり旨味が凝縮される。黄身はほどよい半熟でとろけてソースのようにふるまう。

そう言えば、母が作るたまごサンドは焼いた卵焼きで作ることが多かった。
生活していたのは四国地方。
東日本はたまごサラダ、西日本は卵焼きというざっくりとした地域性があると言われているから、卵焼きのたまごサンドを作っていたの…、と先日、母に聞いてみた。
答えは単純。

だって、たまごサラダを作るのに時間がたっぷりかかるから、あんまり作りたくなかったのよ…、って。

曰く、卵焼きなら1時間。
目玉焼きならが一日で、でもたまごサラダは2日がかりで作らなくっちゃ本当においしくできないの…、って。

茹でた卵は水っぽい。
そのままサラダに仕立てるとトロトロしてて味がぼやけたサラダになるの。
茹でたら殻をすぐ剥いて、さらしでまいて冷蔵庫の中で休ませる。
一日ほども休ませると白身の水気がとんでカチッとしてくる。
黄身をとりだしラップをかけて冷蔵庫。
残った白身は刻んで塩と胡椒、マヨネーズとまぜ器に入れる。キッチンペーパーで蓋してそのまま冷蔵庫。
半日ほども休ませるとマヨネーズと白身が一体となりぽってりとしたペースト状になってくる。そこに指で潰した黄身をまぜ、塩と胡椒で再び味を整え直し最後にカルピス。隠し味。

そう言えばたまに作ってくれたたまごサラダのサンドイッチはむっちりとした白身がおいしく水っぽくなんてまるでなかった。あれは2日がかりのゴチソウだった…、って今となってはありがたい。

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