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柘榴の和食

昼、銀座のざくろで昼食をとる。
背筋をのばして、上等な日本料理をちょっと気弱なボクに奢ろうと開店と同時にやってくる。

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着物をキリッと着こなすサービススタッフ。笑顔とともに案内してくれたのが入り口脇のいつもは個室として使うテーブル。よくこのテーブルでしゃぶしゃぶや鉄板焼をたのしんだものです。
しゃぶしゃぶを食べるとき。磨き上げられた真鍮製の鍋の煙突に、誤って肉を貼り付けたらおごる…、なんてゲームをしたりしたもんです。
ひとりじゃそんなこともできないもんなぁ…、って思ってのんびり料理を待ってたらちょっと離れたテーブルで昼からしゃぶしゃぶを笑顔でたのしくご婦人方。相変わらず鍋はピカピカ。おいしく鍋が育つよう世話焼きをする仲居さんの背筋がしゃんと伸びてるところにニッコリします。

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昼の簡単なコースをたのむ。前菜にアスパラ豆腐がついてくるのだけど、せっかくだからトマトサラダも追加する。
卵豆腐の底にホワイトアスパラガス。ぽってりたっぷりのマヨネーズ。パプリカの赤が彩りそえて豆腐、アスパラガスのなめらかを薄切りキュウリが際立てる。
刻んだトマトにポン酢風味のドレッシング。みじん切りにした玉ねぎとセロリの風味とシャキシャキ感がなんともさわやか。スプーンでドレッシングと一緒に食べるとお腹の入り口がパカンと開く。

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刺身が続いてやってくる。氷の上に鮪と鯛。刺身の基本は三点盛りなんて窮屈なことにこだわらず、おいしいものをたっぷりと。どちらもネットリとした熟れた食感。わさびをたっぷりのっけて味わう。メインに向けてのお腹の準備が整った。

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銀鱈の西京焼き。

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そして和牛ロースのバター焼き。

好きだったなぁ…、銀鱈の西京焼き。
本来脂がのってやわらかな身質の銀鱈の水分を容赦なく味噌にうつしてカチッとさせる。
代わりに味噌の旨味、風味が魚に染み込み焼くとこんがり、表面焦げて仕上がってホロリほぐれて口の中でムッチリとろける。

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ご飯の上にのっけてそこにほんのちょっとだけ「鯛味噌」のっける。ここの名物のご飯のお供。甘くて脂のコクと鯛の旨味が西京漬けを一層おいしくしてくれる。

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牛肉のバター焼きはつやつや仕上がる。肉そのものの脂とバターで表面カリッと焼き上がり、断面見ると芯まで熱が入ってる。牛肉はレアって人には少々がっかりだけど、焼き上げるからこそおいしい牛肉料理もあって、特にご飯のおかずにはよい。

塩と胡椒をお好みでと供されるのだけど、肉そのものにしっかり塩とバターの風味に旨味がのってそのままたべて十分おいしい。どちらかといえば強い味付け。だから思わずご飯をねだる。こういう料理はパンじゃなくてご飯、それも白米だよなぁ…、ってしみじみ思う。
サイドの野菜は茄子にいんげん、ほうれん草。キャロットグラッセ、揚げたかぼちゃとどれもバターをまとって仕上がる。汁はなめこの赤だしで、軽い酸味が口をスッキリしてくれる。

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〆のデザート、吉野紅梅。梅のゼリーの中に煮込んだ青い梅。甘くてとろとろ。梅酒が注がれほろ酔い気分。いい昼だった。おゴチソウ。


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