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和朝食的喫茶店の朝

中野にちょっと野暮用がありコーヒーロードで朝ごはん。

食事メニューが充実してる。喫茶店でもあり気軽なレストランでもあるお店。
昔はこういうお店がたくさんあった。朝、昼、お茶の時間といろんな使い勝手があって毎日だっていける店。
だから自然とお店の人と仲良くなって、世間話をする関係になれたりもする。
地域とつながりをもったお店も今は少ない。
外食産業がこわしてしまったものは大きい…、もったいない。
お客さまがやってくると「おはようございます」って元気で明るい声がする。

お冷グラスを手に注文を取りにきながら「今日は朝から暑いですネ」とかって必ずひと言添えてくれるのがうれしくってネ。
しかもお店の人は若い。文化遺産的喫茶店は数多く、けれどこうして必ず次の世代に受け継がれていくであろうお店は少ない。ありがたい。

朝食セットは4種類。まだ食べてないホットドッグにしようかなぁ…、と思ったけれどハムライスの魅力にどうにも抗しがたくて「ハムライスにアイスコーヒーでお願いします」ってたのんじゃう。
「アイスコーヒーはいつお持ちしましょう?」って聞いてくれるのがまたうれしくて、「食事が終わる直前で」なんてわがまま言った。
承知しましたと笑顔でニッコリ。ボクもニッコリ返しをしました。
カウンターの中から、ゆで卵の殻をシンクにコンコンぶつけてヒビ入れ、ペリペリはいでく音がする。リズミカルに軽快に。喫茶店の朝の音。厨房からは卵が焼ける音に香りがやってくる。

そういえば、卵をよく焼いてっていうのをすっかり忘れてた。
どうしようか…、と思ったけれど、お店の人の考えるおいしい目玉焼きの状態をみてみたくもあり言わずにすませた。
5分ほどでやってきた卵はキレイな半熟状態。

白身も黄身もつやつやしていて、「朝!」って感じ。
半熟ではあるけれど、白身はしっかり固まっていて苦手なブヨブヨは見当たらない。
これなら多分、食べられる。
黄身が潰れてお皿を汚すのがもったいなくて、ご飯の上にハムエッグをうつして乗っけ、サラダをまずはむしゃむしゃ食べる。

朝の口がみずみずしくなり健康の部が終えて次にスパゲティーのケチャップあえをモサモサ食べる。
さて本丸のハムエッグ。

お皿を揺らすとプルプル揺れる。黄身の表面に箸をあてがい、力を入れるとプチュンと爆ぜて中から黄身が溢れ出す。そこにすかさず醤油を垂らして、さてパクリ。

ねっとりとした黄身がご飯にからんでとろける。卵かけご飯が好きな人はこの食感が好きなんだろうなぁ…、5年前までは見るのも苦手な卵のとろけが、今ではこうして食べられる。
大人になったなぁ…、ってニッコリします。

白身はプルンとなめらかで、カリッと焦げた縁の部分は香ばしい。パリパリになったハムもまたおいしくて、醤油の風味が食欲さそう。オゴチソウ。

イリコの出汁がきいた味噌汁がまたおいしくてネ…、黄身をご飯がしっかり受け止めお皿もキレイになっていく。
あとふた口ほどで汁がなくなるそのタイミングでアイスコーヒーがやってきました。

なんてステキなおもてなし。近所にあればいいのになぁ…、ってしみじみ思う。オキニイリ。


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