見出し画像

チーズと海苔、エスプーマ的納豆のスパゲティ

四谷の「スパゲティながい」でスパゲティ。
駅前の飲み屋街のビルの2階の小さなお店。カウンターの中に厨房、テーブル席が3つだけ。
カウンターに座ってヒョイと首を伸ばすと厨房の中が見て取れる。

右手の壁に面して茹で釜。その前がご主人の定位置。
釜の左手にコンロがあって炒めて仕上げるスパゲティ用の中華鍋がおかれてる。
左手の壁には作業台と冷蔵庫。和えて仕上げるスパゲティはその作業台で作られる。
厨房とカウンターを仕切る一段上がったところに器が置かれ、それを手にして左、左に移動させつつ料理を仕上げる。
その流麗なる手さばきに今日もウットリしながら待ちます。

お供はハーフサイズのツナサラダ。

レタスにキュウリ、スライスオニオン、トマトを盛り付けマスタード味のドレッシングをかけて仕上げたオキニイリ。
野菜の状態もいいけれど、ドレッシングと一体化したツナのオイル漬けがおいしいくて、ボウルの中を指でぬぐってキレイに食べる。
そしてメインが完成します。

のりとチーズのスパゲティの納豆トッピングがやってくる。
木のボウルの中で粉チーズと油、茹でたばかりのスパゲティをあよく和え、そこに納豆。
海苔をちらして出来上がり。
今、この店で一番好きなスパゲティがこれなんです。
納豆がおいしいんですよネ…、ひきわり納豆を徹底的にかき混ぜて泡のように仕立てたものをポッテリのせる。
あたかも納豆エスプーマ。

不思議なことに納豆独特の匂いがまるでしないんですネ。
麺そのものにたっぷりのパセリ、オレガノがほどこされそこにチーズと匂いの個性の強い食材がふんだんで、その相性がいいのでしょう。
そう言えばチーズの匂いもそれほどなくてなのにおいしい匂いがしてくる。オモシロイ。

カウンターの上の粉チーズを追加して、そこにタバスコ。グルングルンとかきまぜて、最後に胡椒をたっぷりほどこす。

納豆がかからぬところを口に含むと麺がモサモサしてるんですネ。それでもチーズや海苔の味わい、風味でおいしく感じる。
ところが納豆を混ぜて食べると印象一新。
麺が納豆の泡をまとって食感なめらか。肉感的ですらある口当たりただ納豆っぽさはほとんどなくて、チーズの味や香りが華やぐ感じ。
そしてそこに追いタバスコ。

タバスコの酸っぱい香りがアクセントになり、胡椒を甘く感じてくるのも不思議でステキ。海苔の風味もおゴチソウ。
納豆もチーズも発酵食品だから、互いの良さを引き立てあっておいしくなっていくのでしょうネ。

麺の状態は見事においしいアルデンテ。コツコツ奥歯を叩いてちらかり口をにぎやかにするのがたのしくてあっという間に器は空っぽ…、オキニイリ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?