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つややかなオムライス。思い出のオムライス

高円寺には高円寺ってお寺があるから高円寺なんだ。
確かめようよ…、って昔、タナカくんと中野から歩いて探したことがある。
立派な本堂のある静かなお寺がたしかにあってついでに近所でおいしいオムライスを食べた。
そんなことを思い出し、そのときの道を歩いてテクテク高円寺。
ひとりで歩くと結構な距離。
あのとき食べたオムライスを今日も食べようと思って近所の「七面鳥」。

中国料理のお店で年季の入った一戸建て。古びているけど暖簾はキレイ。中に入ると脂とスープの香りがしてくる。

奥の厨房からスッと突き出した10人ほども座れるコの字のカウンター。
分厚い白木のカウンターで、磨き上げられてざわりすべすべ。「いらっしゃいます」と声も明るい、いいお店。入り口脇に瓶ビールを収めた冷蔵ショーケースがあって、お店を入るなりまずはビールを一本取り出し自分で栓抜き座りながら「餃子1枚お願いネ」…、って。なんだかスゴクかっこいい。

オムライスをたのむとまず千切りキャベツと漬物がくる。

マヨネーズが一本一緒にやってきて、それと胡椒で味をととのえシャキシャキ食べる。
オムライスが人気のようでやってくる人の3人に2人が注文している感じ。
厨房からカチャカチャ、鍋をお玉がひっかく音に混じってジャジャっとご飯が焼ける音。
ジューッと湿った音がしてきて甘酸っぱい香りと一緒に料理が完成。

つややかなオムライスです。
翡翠色のお皿の上にこんもりとした卵の山。白身と黄身はしっかり混ぜられていて若干とろとろ。しっかり熱が入っているけどところどころが半熟状態。
前に来たときにはこの半熟気味なところが苦手で、熱の入ったとこだけ食べて残りはタナカくんに食べてもらった。半熟卵が平気になった今では全部ひとりで食べる。

ケチャップライスはパラパラです。具は豚肉と粗みじんにした玉ねぎにネギ。ご飯粒が焼ききれてるから味が見事に染み込んでるのに湿った感じがしないんですネ。
そのパラパラなケチャップライスを半熟卵が包み込み、卵のとろけがご飯の食感を際立たせてる。

おいしいなぁ…、タナカくんはこんなゴチソウを食べてたんだって思ってニッコリ。ポッテリとしたケチャップが口の中をなめらかにする。
中濃ソースを途中でかけて、酸味や風味をすっきりさせる。

スープがこれまたおいしくってネ…、胡椒をたっぷりふりかけゴクリ。これでたったの650円。


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