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rendez-vous

打ち合わせのため帝国ホテル。
一階ロビーフロアにあるランデブーラウンジに来る。
なんとロマンティックな名前でしょう。
かつて外来語の中でトップクラスのお洒落なイメージを持っていたのがフランス語。
ファッションというとどこか下世話で大衆的に感じるところを「モード」と換える。プレタポルテがオートクチュールに格上げされる。そういうprêt-à-porterもフランス語。お洒落はフランスの専売特許だったのでしょう。
ただのデートもrendez-vousと言いかえれば逢い引きめいた大人の逢瀬に聞こえるステキ。そういえば宇宙船と宇宙ステーションがドッキングすることを昔はランデブーと呼んでいた。ドッキングの中にはガシャン!って金属的な音が聞こえる。ランデブーにはフワフワとした空中浮遊のち接合…、って色気を感じる。
かつて日本語には色気を帯びた表現がたくさんあった。ところが今の若い人たちが好んで使う言葉は雑で色っぽさのかけらさえ無い。なんだか日本はアップデートするたびにダウングレードしていくようで寂しくなっちゃう。

それにしてもこのラウンジの象徴的なタイル壁。はるか向こうの一点に、全てのタイルが飲み込まれていくかごとき、ドラマティックな造形でこれほど見事な効果線にそうそう出会えるものじゃない…、ってしみじみ思う。お茶を飲む。

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