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ベルクの朝の小さな企み

ベルクで今日は小さな企み。
「マイスターハムアンドケーゼ」というオープンサンドをカスタマイズしてたのしもうと思って来てみた。
カウンター前のベンチ席。

その一番端っこが前にエアコンのパッケージがあるおひとりさま専用の席。
自習室のデスクのような感じで好きだったんだけど、ひさしぶりにきたら背の高い機材が撤去されて見通しがよくなっていた。
しかも向かい側に椅子はなく、のびのびしているはずなのになんだかちょっと落ち着かない(笑)。
パッケージに「店名(ベルク)の由来」という張り紙があった。
はじめて見たとき、ベルクは「シェーンベルク」のベルクだったんだってビックリしたのね。
後期ロマン派から現代音楽への橋渡しをした偉大な作曲家。
ペレアスとメリザンドだとか浄められた夜、グレの歌。どれも好きな曲でその作曲家の名前が由来にますますここが好きになったことを思い出す。

さて今日の企み。

マイスターハムアンドケーゼにケーゼソーセージとオニオンスライスをトッピングしてもらったのです。
ハムアンドケーゼのケーゼはクリームチーズのこと。同じ名前の異なるケーゼを同時に食べるたのしい企み。

牛肉と豚肉で作った生地にチーズ、ベーコン、パプリカ、胡椒やハーブを混ぜて四角く焼いたソーセージ。
その形がチーズに似ているからケーゼと呼ばれているらしい。
ふっかりとしたなめらかで混ぜた素材の風味が混じって味わい華やか。
オニオンスライスも一切合切、オープンサンドの上にのっけて挟んで食べる。

分厚くずっしり重量感も感じる仕上がり。
大きく口をあけて頬張る。

パンはふかふか、乾いた仕上がり。スポンジを含んだのかと思うほどに一瞬口が乾いて感じ、ところがたちまち唾液とまじってとろけてく。
この食感の変化にウットリ。
なめらかになったパンに挟んだハムやチーズが混じってこれがおいしい。
ハムやソーセージの持ち味にチーズの酸味、うま味にとろけが混じりあってどっしりとした味わいになる。素材同士が互いをひきたておいしくなっていくんです。

パンが2種類。
マイスターハムをのせたパンはドイツ風の酸味があってざっくりしたパン。
チーズをのせたパンはふっくらとしてほのかに甘いミルクパン。その両方が混じり合ってほどよい食感、味になるのも絶妙なんです。
実はハムアンドケーゼをサンドイッチにしてずっと食べてて、けれどパンに比べてハムやチーズの存在感が弱くてどこかもどかしかった。
そこにソーセージをくわえることでこんなにも味がはっきりとして感じるなんて…、ってにんまりします。

それにスライスオニオンのシャキシャキ感がパンのもったりした食感をさっぱりさせて、歯ざわり、辛みもよきアクセント。
パプリカやきゅうりのピクルスがところどころに顔をのぞかせひと口ごとに新鮮な気持ちになるのもおゴチソウ。

この組み合わせはひとつの正解。ぬるいカフェオレをゴクリと飲んで、すっかりゴキゲン、オキニイリ。


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