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コーヒービーン&ティーリーフって…。

日本橋の交差点。もうスゴイことになっています。
高島屋は超高層ビルの砦に囲まれ、既存のビルとも相まって、かつてののんびりした空の景色が戦闘ムードを漂わせてる。ビジネスするには一等地です。その一等地の角地の一階という一等地中の一等地に「コーヒービーンズアンドティーリーフ」のお店がある。

アメリカのチェーンストア。
スターバックスキラーなんて呼ばれることもあって、韓国やシンガポールではスターバックスより勢いがあったりしたこともある。
日本では銀だこの運営会社がフランチャイジーになって運営しているけれど、哀れになるほどうまくいかない。この店だってお客様が入ってはいる。けれど家賃のコトを考えるなら採算あっていないだろうし、なによりココで成功したとしてもその経験が他の場所で通用するとは思えぬ立地。

そもそも日本においての「チェーン店としての」セルフサービスのコーヒー専門店業界の勝負はすっかり決まってる。スタバが一人勝ちでナンバー2はドトールコーヒー。残りをタリーズやサンマルク、カフェ・ベローチェみたいなチェーンが分ける。
そんな状況にあっては、商品の魅力だとかの問題よりも、物件をどれだけ取得できるかというコトが大きな問題。物件の貸し手としてはネームバリューがある既存チェーンを選びがち。(だから銀だこはイオンモールと合弁会社を作ってのぞみを託したんだけど、役にはたってくれなかった。)
考えてみればコーヒービーンがシンガポールや韓国にやってきたとき、そこにはスタバ以外のローカルチェーンがほとんどなかった。その幸運が日本にはない。だからもし日本で成功しようと思えばどこかのチェーンを買収し一挙にブランドを変えるくらいの覚悟がなくちゃやってらんない。それができないから、スタバと違う…、って部分を必死にアピールします。例えばお店の入口上に誇らしく掲げられた「創業1963年」という表示。

スターバックスはそもそもの会社の創業が1971年。今のような業態として完成したのが1987年ですから、それに比べりゃ確かに古い。
でも日本にはそれより古い喫茶店がやまほどある。近所にある山本山なんて元禄時代の創業ですから、もう三百年もお茶を売ってる。20年程度の歴史の違いは誤差以下でしょう。笑わせる。

でもスターバックスとの違いをアピールしないと店は増やせない。
おそらく日本ではコーヒーじゃなく「ティーリーフ」に力をいれるべきだったのかもしれない。だってスタバだってコーヒー飲料より最近ではティードリンクに力を入れる。
茶葉の種類だけはスタバに比べて豊富だけれど、それを売ろうという情熱はなく、例えばアイスティーなんてたった2種類。アイスコーヒーのついでに売られているようなモノ。なんだかすごくもったいない。

代わりに彼らが必死になって売ろうとするのが「アイスブレンデッド」というスタバで言うところのフラペチーノ的飲み物。
実は、銀だこの運営会社にはゆずることができないこだわりがある。それは、お客様の目の前で最期のひと手間をくわえることを持って付加価値とするというもの。だから例えば銀だこでは最後にソースをほどこして「おいしく召し上がれますように」と歯の浮くような一言添える。お客様の目の前でブレンダーで仕上げる飲み物は、自分たちの得意に合致しているからと、それがおそらく提携の大きな理由にもなったんでしょう。

たしかに、たこ焼きという商品において成功したそのやり方。
他の料理に応用し、新業態を仕立てようとする。
例えばホットドッグにラクレットチーズをかけて提供するなんていう店を新宿のアルタの一階に作りはしたけど、失敗しました。
提供時間が長くなったのと、それ故売価をあげてしまった。お客様はそこまで最後のひと手間にこだわるわけじゃないんだと証明されてしまったのに、そのこだわりを捨てぬこだわり。オモシロイ。
ちなみに今日のような湿度が低く暑いアイスブレンデッド日和の日にもアイスブレンデッドはあまり売れてはおりません。種類を増やせば売れるというようなメニュー作りで、スタバのフラペチーノは「定番+季節限定」。だから話題になって売れるというのがわからない。
来るたび、テーブルが小さくなって数がどんどん増えていく。居住性より売上です。

進出してからもう4年。その4年間で作った店は12軒。8軒閉店、残った店はたった4軒。失敗です。ちなみにトイレの中に置かれた「CBTL」って文字のCが傾いてました…、ものがなし。

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