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点数がつく焼肉店、点数がつかない焼肉店

食べログというSNS。
不思議なことがたくさんあります。
特に、評価点に関してなんで?という思うことがたくさんあって、あれは「実力に対する点数」でなく「泡沫な人気をあらわす数字」なんだと思うと心がおだやかになる。

例えば、龍の巣という焼肉店に関する考察。

大阪に本店があるボクも好きな焼肉店で、新宿に3店舗ある。
最初にできたのは新宿三丁目にある店で周到に準備をおこない歌舞伎町に二号店。それから新宿三丁目店の離れという位置づけで小さなお店が一軒ある。
新宿三丁目の一号店の得点が一番高い。
一番低いのは歌舞伎町の店で、その点数の差は0.5ポイントほどある。かなりの差です。

商品は同じです。
仕入れも同じだし、値段も同じ。
なにしろ新宿三丁目の一号店を立ち上げた東京展開の責任者が、今は歌舞伎町の店の店長をやっているから、本来ならば歌舞伎町の店の商品が本物だ…、というコトさえできる。
なのになぜだか三丁目の店より歌舞伎町の店の点数は低いのです。

低い理由のひとつは歌舞伎町という場所。
表通りに面して立派な店を構えているコト。
そしてなにより大箱で、一号店の2倍ほどの席数をもっていること。
小さい店がおいしいと評判になり人気がでると、予約ですぐに満席になる。
予約がとれないということが人気に拍車をかけて点数が高くなる。
点数が高い上に予約がとれないとなるとますます点数が高くなっていってしまうという不思議な現象。

食べログで点数を付ける人は目立たぬ場所にある小さな店が大好物。本店が大好きで、支店というだけで見る目が厳しくなる傾向にある。
たしかに新宿三丁目の店のほうが気持ちが落ち着く。
スタッフの髪の毛の色が東京にある龍の巣3店の中でも一番明るく、茶髪というより金髪スタッフ。やんちゃな感じ。
同じサービスをしても親身に感じられないところがちと残念。人の心理は不思議なものです。

一号店は炭に網。
歌舞伎町の店は縦にスリットの入った鉄板をガス台の上において焼くというのも点数が低くなっちゃう理由のひとつかもしれない。
ただボクは、鉄板ロースターこそが焼き肉をおいしく上手に焼く道具って思ってる。

肉から滲んででてきた脂が鉄板を覆って、次に焼く肉が貼り付くことなくキレイに焼ける。
脂にタレが混じってそれがこんがり焼けてくものの、それが炭のように焦げて固まることはない。
肉を焼けば焼くほど鉄板が、おいしく焼けるようになる。
上ミノみたいに旨味ジュースが大量にでてくる素材は、ネタの周りにジュースがたまり小さく沸騰しながら煮詰まっていく。
詰まったジュースがソースのようになって素材にからみつく。網では到底できない芸当。しかもガスです。肉がかわかずふっくら仕上がる。網のように頻繁に交換しなくてもいいのもたすかる。

一通り肉が焼き終え、〆を食べてる間に次のお客様へのスタンバイ。
ロースターの下の受け皿をヒョイと取り出し、新しいのに交換するだけ。しかも新しい受け皿には氷がたっぷり入れられて次のお客様が来たときには冷たい水になって脂を受け止めるのでしょう。だから客席の回転がよくなり予約も取りやすくなる…、もかもしれないって思ったりもした。オモシロイ。

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