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シニアのお客さま、お店の若い人たち。みんな明るいおいしい朝

中野で朝。なつかしい町、なつかしい店。
中野駅の南側。駅前の路地にある「コーヒーロード」って喫茶店。

間口は決して大きくないけど奥に向かってずっと客席が続いてて、一番奥の窓からは裏通りを行き交う人が見える大きさ。
ゆったりとした空間にゆったりテーブルが置かれてのんびりするのにぴったり。心地よい。
ハリウッド映画のポスターが貼られています。
一番目立つところにオードリーヘップバーン。
男性用のトイレの壁にはシャネルのNo.5を手にしたマリリンモンローがいらっしゃる。
トイレの入り口にはショーンコネリー主演のゴールドフィンガーのポスター。

ボンドガールのヌード写真に添うように「Everything he touches turns to excitement!」。
彼が触るものすべてが興奮に変わる…、って意味深なキャッチコピー。いい時代です。今なら誰かに叱られそう。

朝のメニューが4種類。トーストに焼きサンド、ホットドッグにハムライス。

ハムライスには目玉焼きにスパゲティーのケチャップ炒め、味噌汁がつく和朝食っぽい作りでかなり心惹かれて迷ったけれど、「焼きサンド」というフレーズには抗しがたくてそれにする。
お店は朝からにぎやかです。朝のお客様はシニアな方がほとんどで、一方、働いている人は若い人たち。人懐こくて言葉遣いも丁寧で、おばあちゃんが孫に話をするように気軽に声をかける景色にニッコリします。チェーン店にはないあたたかさ。

こういうお店で働くのってたのしいだろうなぁ…、って思う。
でも最近。
人とのつながりが嫌で飲食店で働くことを選ばぬ若い人が多かったりする。
もったいないなぁ…、ってしみじみ思う。
BGMはエドシーランがかかっていました。

メインが到着。

うっとりするほど見事に焼けたサンドイッチ。
薄切りのイギリスパンは生地が粗くて軽い仕上がり。
耳がザクっと壊れて散らかる感じが心地よく、生地の表面はサクサク耳の奥で聞こえる歯ざわりのよさ。ぽってりとしたたまごサラダにハムが一枚。口の中でゆっくりとろけて消えていく。

サイドサラダは深いボウルに入ってて見た目以上にたっぷりあった。半分食べたところで、これをサンドイッチに挟んだらおいしいかしら…、と思って試す。

ポッテリとしたたまごサラダの食感をシャキシャキ野菜が引き立てて、口も潤う。かなり好き。

朝の時間はお店の奥半分を使ってないのネ…、丸テーブルが並んだテラスのような明るい場所で、一緒にくるといつもそこを選んでた。

そこをみながらコーヒーを飲む。

お金を払ってお店を出ると「ありがとうございました、行ってらっしゃい」って明るい声がおいかけてくる。ありがたい。


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