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焼肉に横丁

試食の仕事。
岐阜、柳津の「牛源」という焼肉屋さんで昼から焼肉。

オーダーバイキングが人気の店で、とはいえ目標にしているのは「焼肉屋さんの肉や料理が好きなだけ食べられる」店。

例えば回転寿司の寿司が回っている店より、寿司屋の寿司が回っている回転寿司の方が満足度が高いと言うのと同じこと。
食べれば食べるほど気持ちが貧しくなっちゃう食べ放題の焼肉屋さんが結構多くて、そういう店と一線画そうとがんばっている。
肉をあれこれ。牛タン、カルビ、ホルモンにミノ。

肉も良いけどタレが良い。お店の味って肉の味よりタレの味。それに地域の味っていうのがあって、この地方は味噌ダレの良し悪しで人気が決まる。赤味噌ベースのどっしりとした旨みに酸味、香ばしさ。

サイドの料理もあれこれたのむ。
肉がおいしければいいのであれば肉屋さんが経営すればいい訳で、レストランである以上、肉以外の料理がおいしいことが当たり前。
当たり前が当たり前である店が今の日本では珍しくなりはじめているのがなやましい。

チーズチヂミにとんこつラーメン、石焼きビビンパ。それぞれ専門店的仕上がりで。なにより温度感がよい。熱いものは熱く、冷たいものは冷たくと言うのが飲食店の料理の基本。

特に目の前に火があって熱々の肉を食べることができる焼肉店にあって熱さの基準は他のレストランに比べて高くて当然。熱々以上に熱くなくちゃ満足できない。そう言う点で、今日の料理はいい状態。
お腹いっぱいになるためだけが目的じゃない。好きなものを好きなだけ、しかもいい状態で食べられる店っていいな…、ってしみじみ思う。満たされる。


夜は一宮グルメ横丁。

もともと焼肉屋さんがあった場所。
他業種、多角経営をしている会社に経営で、そこのブランド、5つの店のメニュー食べ放題で楽しめる店に業態転換。
焼肉、ラーメン、和食、洋食となんでもありで、注文するのがたのしいお店。
100席ほどの大きな店にテーブル席やカウンター、板間の小上がりも設えられてていろんな使い勝手ができる。
小さな子供連れのファミリーなんてよろこぶだろうなぁ…、だってどんな年代の人にもささるメニューが用意されているもの。
焼肉もある。刺身や寿司も食べ放題なんだけど、まず気になったのが洋食メニュー。

鉄板ナポリタンやホワイトソースかけのガーリックピラフなんていうのが気になって、食べるとお腹が膨れちゃうってわかっていてもたのんじゃう。
そしてこれがなかなかうまい。ガーリックピラフはニンニク香り強烈、鉄板焼きの〆のご飯のような感覚。たっぷりかけたホワイトソースがひ弱に感じるほどの味わい。

鉄板ナポリタンはケチャップ濃厚。
鉄板の上に流した卵はすっかり熱が入っていたけれど、むっちりとした太麺にねっとりからんだケチャップが甘くて焦げたところは香ばしい。
一緒にたのんだオールビーフのハンバーグを乗っけて食べるとお子様ランチのようになる。
ちなみにハンバーグは岩手の格之進のハンバーグ。
ペレット付きで好みの焼き加減で食べるスタイル。
悪くない。

焼肉の肉はそこそこかなぁ…。

焼肉屋さんと思って食べると期待はずれを感じるけれど、ついでに焼肉も食べられる、と思えばこれはこれでよし。
ハラミに中落ちカルビ、ホルモン、ミノとあれこれ試してみたけれど、ソーセージやエビを焼いて食べるのがほどよい感じ。バーベキューだと思えばよろし。

ラーメン部門は簡単な中国料理も用意されてて、大きなエビをガリっと揚げてチリソースでぽってりからめたエビチリや、ひき肉がたっぷり混じった肉が得意の店らしい麻婆豆腐。

どれもしっかりとした仕上がりで、一緒にたのんだアサリの紹興酒炒めがことのほかおいしかった。

アサリの粒はしっかりしていてトロンと入荷したスープがなによりおいしくて、これでパスタを仕立てたい。
メニューにあった明太子スパゲティにアサリの粒を合わせてスープをかけまわし、明太子あさりスパゲティにした。

おいしくないはずがない一品。
いろんな料理が揃うということは、つまりいろんな味を楽しむことができること。工夫もできるし飽きず食べることができるのがいいところ。オナカパンパン、お勉強。


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