食べ負けてもたのしみ負けないバフェのたのしみ
夜にバフェ。ヒルトンホテルのマーブルラウンジ。
数日前には朝バフェにきた。最近、バフェがたのしくってたのしくて、それでこうして今日もバフェ。
若い頃にはお腹いっぱい食べられるのがうれしくバフェが好きだった。
ところが歳をとってくと、昔のようにはたくさん食べることができなくなって、それでも大食漢ゆえ普通に食べるよりバフェの方が手頃な値段でたのしめるように思って食べてた。
ここ2年くらいかなぁ…、バフェに行くと「あぁ、食べ負けた」って思うようなコトが増え、バフェって思うとなんだか切ない気分になることが多くなって頻度が減った。
それが最近、たくさん食べることだけがバフェの楽しみ方じゃなく、好きなモノだけを選んで食べることができるのもバフェのたのしみって思えるようになったのですね。それがわかると「食べ負けはするけど、たのしみ負ける」ことはない…、って気づいて今が、ボクにとってのバフェ第2最盛期。
さて、今日はどんなボクのオキニイリが並んで待ってくれてるだろう…。
そう思いながらワクワクお店に到着し、ドキドキしながらバフェを眺める。氷のベッドがたくさん置かれて、今日のメインはシーフード。
今の時期にして牡蠣があり、軽く渋みがあるものの甘みが強くて旨味も強烈。後口さっぱりしていてスルンと唇に口、喉をなでつつお腹に飛び込む。シーザーサラダを添えて最初の料理といたす。
茹でたホタテにサーモンのパテ。マグロのポキをメインにお皿に並べ、それからローストビーフを切ってもらう。一枚分はそのままで、もう一枚は一口大に切ってカレーのトッピング。トマトがメインの野菜カレーで酸っぱくとてもスパイシー。夏のお腹が動きはじめるおゴチソウ。
座って2時間という今日のバフェ。
その時間を、食べ続けるのでなく思う存分たのしむために1番いいのが、料理を作ってたのしむこと。
バフェのカウンターには料理の素材がズラッと並んでいるんだと思えば、2時間なんてあっという間。
例えば海鮮ちらし寿司がありました。
ただそれが提供されると上具がすぐになくなって、残されるのは酢飯ばかりになっちゃうのネ。
自由に料理をとることができるのがバフェというものの良さでもあるけど、タイミングが悪いと「残り物を押し付けられちゃう」こともある。
でも動じない。
酢飯をとって塩釜で蒸して仕上げたサーモンとマグロのポキ、カニの脚肉をのっけてポン酢、オリーブオイル、サフランソースをかけて混ぜればあっという間に即席手こね寿司の完成。鮭もマグロもカニも応答。だから即席とはいえ寿司のおいしいことにウットリ。
ちなみにカニは茹でた脚だけが氷のベッドの上にどっさり置かれてた。
それを、何を食べるより最初にお皿に持ってテーブルに着く。
ひたすら剥いて、剥いて剥く。
生牡蠣をかたわらにおいて、口に含んではハサミで脚の殻を切る。
茹でたホタテを食べながら殻の間に指をつっこみしごいて肉だけキレイに取り出す。
取り出した肉は食べずに我慢。ひたすらひたすら、ただひたすらにカニを剥き、山盛りにしたカニ脚をすっかり剥いてしまうまでひたすら剥いてボウルに肉だけ山盛りになる。
カニの殻をむくとき染み出す汁はきつくて、剥いてる途中で指が痒くなってくるほど。全部剥いたらトイレにいって手を丁寧に洗って一口。しっとりしていてふっくらでもあり旨味がゆたかで剥いた労力がたちまち報われ、お腹もすいてく。
さてこのむき身をどのように使ってやるか…、と思案して、そうだ、サンドイッチを作ってやろうとオリーブブレッドをまず持ってくる。
2枚に切って、薄切りキュウリ。レモンガーリックマヨネーズってのがあってそれをパンに塗り込めキュウリをのせる。
それからカニの肉。こんもりのせたらパンで蓋して手のひらで押しナイフで2つにザクッと切って出来上がり。
甘いオリーブブレッドにカニの塩味がほどよくまじり、バキッと歯切れるキュウリの香りやみずみずしさがよき相性。
サンドイッチ作りがたのしくて、しかもパンの種類も多彩。ホールウィートのカンパーニュがある。しかも薄切り。ほどよいサイズ。
鮭の塩釜焼きをもらって、それをフォークの背中で潰す。潰しながらマヨネーズをまぜてパテ状にして胡椒をパラリ。キュウリと一緒にカンパーニュではさで切り分けパクリと食べる。
鮭だけ食べると鮭独特の匂いを強く感じるのに、パンで挟むと匂いは失せて肴の旨味だけが口に広がっていく。すごく上等なツナサンドを食べてみたいな感じになるのがオモシロイ。
カニの肉はほかにもいろいろ重宝します。イカ墨のペンネなんてのがあって、そこにもたっぷりカニの肉。ゴージャスペンネにグレードアップ。ベジタブルカレーに白身魚のクリーム煮のソースをくわえてそこにカニ肉。マッシュポテトとご飯と一緒にまぜて食べると、芋の甘みやクリームの旨味がカレーに混じって、酸味おだやかになっていくのがオモシロイ。
そしてあと30分ほどで2時間という。〆に甘いもの。
実は今の時期、はちみつをテーマにしたデザートが用意されているというのが売りでもあって、あれこれ選ぶ。レモンハニータルトにリスボン風のチーズケーキ。パリッと焼けたワッフルにパイナップルとココナツプリン。主役ははちみつを混ぜて仕上げたソフトクリーム。甘い蓋を夜のお腹にほどこした楽しみ負けのなき夜のコト。満たされる。
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