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作りたてのカンノーロの至極美味なるコト

新富町の近くで昼を食べたから、ついでに甘いものを食べて帰ろうと「リートゥス」ってお店を探す。
滅多にくることのない界隈で、ちょっと迷った。Google Mapを見ながら通りを歩き、路地に入ってテクリテクリと10分ほど。
こんなところにお店があるんだ…、ってちょっとびっくりするような場所。
周りはオフィスビルばかり。遠くに白いテントのお店を見つけたときにはうれしくって、思わず駆け足したほどでした。

入り口脇の壁にイタリアンタイルを埋め込んだサインがあって、「quotidie quietam」って書いてある。

静かな毎日とでも訳せばいいのかなぁ…。
静かな場所の静かなお店。
中に入るとカウンターにショーケースだけ。

とても小さい。ただカウンターの後ろには大きな厨房。仕切りの壁はガラスで中の様子が見れる。
イタリア菓子のお店です。カンノーロがあって、ババがあって、何種類かのボンボローニ、ティラミス、それからブディーノ…、硬い仕上がりのイタリアプリン。

ショーケースの中のお菓子はあくまでサンプル。
注文してからクリームをしぼって仕上げる。
だから少々、時間を頂戴いたします…、ってお店の外に書いてある。
実はこの店。フォロアーさんに教えてもらった。
銀座ウエストのできたてのミルフィーユのことを書いたら、作りたてのカンノーロもおいしかったですよ…、ってコメントをもらったのです。
それは来ねばとやってきたわけ。

お店の外にテーブルがあって、そこでまさに作ったばかりを食べてみる。お供にエスプレッソももらいました。
葉巻状の生地のなかから溢れるばかりのリコッタチーズ。

砕いたばかりのピスタチオ。パウダーシュガーがかかってて、っずっしり重い。
ラードまじりの油で揚げているんでしょう…、かすかに動物性の脂の甘い香りがやってくる。

生地は頑丈。前歯でしたたか抵抗し、ザクッと壊れる。小麦の香りに乾いた食感。それをたちまちリコッタチーズがまとめてとろかす。クリーミーでもったり重たく、ずっと口の中にいてくれるのがうれしくってしょうがない。

乾いた生地となめらかなリコッタチーズのクリームのコントラストがカンノーロというお菓子の醍醐味。作りたてでなくてはたのしむことができない贅沢なんだなぁ…、と口の中を騒々しくしながら思う。
ピスタチオの香りやコツコツ奥歯を叩く感じもおいしく、食べたカンノーロが消えゆく直前にエスプレッソを口に含むと口の中でティラミスが出来上がっていくように感じる。

たまらないなぁ…、本当においしい。地球っておいしいもののある星なんだってしみじみ思った。ここのお菓子を全部並べてひと齧りづつ食べたいなぁ…、って小さな野望が思い浮かんだ。オキニイリ。


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