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銀座ウエスト、サンドイッチにバナナサンデーまでつける
お盆の間に銀座を歩いておこうと思った。
新宿の次に一緒に歩いた銀座です。新宿に比べて銀座は大きい。
だからすべての道を歩いたというわけではないけれど、通りのひとつひとつ、路地の一本一本に思い出があり、ちょっと歩いては立ち止まり、右手をギュッと握りしめつつまた歩く。
辿りつくのは銀座ウエスト。虫養いをしようと思った。
暑がりの彼がいつも座るのはエアコンの前。今日もその席。カタンカタンと送風口のルーバーが鳴る音がして、クスリと笑う。
白いクロスに磨き上げられピカピカ光るシルバー類。ハッカの匂いのするおしぼりにサービススタッフの明るい笑顔。BGMはバッハのイギリス組曲だった。
サンドイッチをたのんでアイスコーヒーをお供にもらう。よく来たよネ。夏だったり冬だったり、朝だったりおやつどきだったり、いろんな季節のいろんな時間によく来たお店。
玉子とハムのサンドイッチを焼いたライブレッドで作ってもらった。
ここしばらくはハムトーストに浮気してたけどタナカくんと一緒にいつも食べていたのはこのサンドイッチ。
ひと組分を6つに切り分けお皿にキレイに並べて仕上げる。スクウィーザーの中に収まるレモンの皮がキレイに削がれて苦くないようする配慮。
ひと切れ分がちょうどひと口サイズになるようにと料理でもてなすこころ配りがありがたい。
焼けて水分が揮発してカサカサ乾いたライブレッドが前歯をくすぐる。
ぽってりとした卵サラダにレタスの葉っぱ。
ムッチリとしたハムの食感、脂のおいしさが乾いたパンで引き立つおいしさ。
二人で食べれば小腹満たしのおどよい分量。
タナカくんはたまごサラダが大好きで、ボクはここのハムが好き。だからいつもボクはハム4切れに玉子が2切れ。今日はひとりで全部味わう。たまごサラダもおいしいなぁ…、ってしみじみ思ってなつかしむ。
注ぎ口に対して直角に取っ手のついたピッチャーに濃厚ミルク。氷にのっけるように注ぐとしばらく溶けずに上に漂う。贅沢だなぁ…、銀座はこうでなくっちゃねって思ってコクリ。唇に口、喉から心が潤う感じ。おゴチソウ。
シアワセな気持ちが甘いものをねだった。
バナナクリームサンデーがメニューの写真においしげでアイスコーヒーのお代わりと一緒にたのむ。お代わり自由の飲み物がグラスも新たにやってくるというのが贅沢。
バナナは凡庸なフルーツと今では言われる。けれど熟れ具合や温度、切り方、状態で食べた印象が劇的に変わる食べ物。今日のは程よく硬さが残り酸味がしっかりしたバナナ。ホイップクリームやアイスクリームと相性がよく食べ飽きないことにウットリします。
二杯目のアイスコーヒーはミルクを入れず、口の中でカフェオレみたいになっていくのをじっくりたのしむ。
今日のアイスクリームはなぜかゆっくり溶けていく。
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