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涼しい夜の味噌煮込みきしめん

灯ともしごろの「尾張屋」に来て軽く夕食。

なににしようか、ちと迷う。
野菜モリモリの冷やしきしめんがあればと思うも、まだはじまっておらずならばかつ丼?あるいはカレー南蛮そばかと思うも、野菜をたくさん食べておきたく、味噌煮込みきしめんを選んでたのむ。

のんびりした時間帯だったからでしょう…、お店の人と会話がはずむ。
「体は元気になりました?」って聞くから「体はね」って答えると、心は時間がかかるから無理せぬようにとやさしいひと言。
無理せぬことが大切だけど、ほんのちょっとでも無理をしないと挫けてしまう。無理に塩梅がむつかしい。
煮込む時間がかかる料理です。しばらく待って、ブーンとリフトが動くモーター音。ボクの料理がやってくる。

鉄鍋に煮込みきしめん。ご飯にタクワンでひと揃え。鍋の中に見えるのはほぼ野菜というのが特徴で、ご飯は半分にしてもらう。

うどんではなくきしめんを煮込んでいるというのが独特。

野菜のの下に箸を入れ、麺を引き出すとよく煮込まれて味噌が染みこみ薄い茶色に染まってる。

分厚い。
しかもむちむちしていて煮込まれてるのにヘタレない。
きしめんと言うよりほうとうの麺に近いかなぁ…、とにかく独特。
啜るとトゥルンと唇撫でて口の中へと飛び込んで、汁をたっぷりたぐりよせてく。

平べったい分、表面積が広いからか、あるいは表面がざらざらしているからなのかとにかく口の中が潤う。むちむちではあるけれどもちもち粘ることはなくバッサリ歯切れてずっとクニュクニュ、口の中で遊ぶ感じがボクは好き。

野菜はたっぷりなだけじゃなく種類が豊富。白菜にネギ、ほうれん草にニンジンとどれもが食感を楽しめるよう繊維に逆らわず細切りにして煮込まれている。白菜の芯の部分はシャクシャク前歯を痒くして、ネギはキュッキュと歯ざわりたのしい。芯の部分は熱が入ってねっとりとろけて甘やかで、香り華やかなニンジンやぽってりとしたほうれん草と味わい多彩。
エノキタケに油揚げ、コクを出すための鶏もも肉と野菜以外の具材もたっぷり。

味噌は甘辛。どっしりとした味わいで、にもかかわらず出汁の風味や旨味が失せない。それほど濃厚。ご飯で舌をリセットしタクワン齧ってまたハフリ。お腹あったか、満たされる。


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