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焼いて仕上げた海南鶏丼

新宿三丁目からテクリテクリと歩いて家に向かう途中に昼ごはん。
上海料理の「シェフズ」に来ます。

入り口に大きな生成りの麻の暖簾が垂れ下がり、風がふくとゆらりと揺れて手招きをする。
開店時間のちょっと前。おそるおそる暖簾をくぐると「いらっしゃいませ」と明るい声が出迎える。

料理も一流だけどおもてなしも一流。いいお店。
昼は気軽な値段の料理が揃う。
肉のせチャーハンやカレー、目玉焼きをのせたカレーとどれもテイクアウトできるものばかり。

先日は黒酢のタレをまとわせたパイコー丼を食べた。ツーンっと酸っぱく豊かな甘みと旨みにウットリさせられた。今日は鶏好きさんのタナカくんを思い出しつつ「海南丼」を選んでたのむ。
海南鶏飯といえばほとんどの店が茹でた鶏肉を使って作る。でもお店によってはローストしたり揚げた鶏肉を使って作ることがある。前者がホワイト、後者はブラウンと呼ばれたりする。

ここのはロースト。

しかも赤みがかった茶色でブラウンというより「ローズ」な感じ。
お酢と油であえた刻んだネギがパラリ。
セロリの芽が彩り添える。
ほんのり酸っぱい醤油ダレをサラッとまとってる。

鶏はもも肉。

分厚く皮はパリッと焼かれ、断面見るとしっかり熱が入ってる。脂はすっかり焼き切られていて鶏もも肉で作った紅叉焼のような仕上がり。
食べるとムチュンと歯切れてほんのちょっとだけ口を乾かす。脂が落ちているから肉は食感ばっさり、それが口を乾かすんでしょう。
噛んでるうちにゆっくりとろけて鶏そのものの香りにほのかな八角、五香の香りがしてくる。決して押し付けがましくなくて鶏の風味を邪魔せぬ程度。オゴチソウ。

食べ続けると少ないながらも鶏の脂が舌や唇に残ってく。甘くて風味豊かでなめらか。それを刻んだネギの辛みやみずみずしさがスッキリさせる。
あらかじめ鶏は切り分けられていて、しかもそれがちょうどひと口大。
スプーンでご飯と一緒にすくうと口の中をほどよく満たす。硬めにたけたパラパラご飯が鶏と混じってまた旨い。

サラダがお供でついてくる。

粗い千切りキャベツにカーリーリーフに揚げた細切りの春巻の皮。食感にぎやか、ネギ油の香りを含めた甘いタレ。トマトのようにみえたのが火を入れ冷ましたパプリカで香り鮮やか、トロンとなめらか。中華料理の前菜みたいな味わいで得した感じ。オキニイリ。


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