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中国から来た牛肉麺、中国から来たココナツラテ

蘭州牛肉面がボクを呼ぶ。ちょうど神保町に行かなきゃいけない用事があって、「馬子禄牛肉面」にひさしぶりに来る。

マーズルーニューローミェンと読みます。
蘭州といえば隣はモンゴルという内陸の都市。
シルクロードの要として昔からイスラム教徒が多くすむ地域でもあって、入り口のレジの前にはヒジャブで頭を覆った女性、厨房のスタッフも白いムスリム的な帽子をみんなかぶってる。

異国情緒満点です。
現地では100年以上の歴史をもったお店で、ここが日本進出一号店。今年で7年目にしてずっと人気が持続している。
早めにきたからファーストゲスト。
それから続々、お客さまがきて5分足らずでほぼ満席。
50席近い大型店を日々満席にし続けるってかなりの実力。感心します。
店頭に立てられたメニュー看板にはハラル認証のマークがあります。これまたしっかりムスリム的。

メニューはとてもシンプルで「牛肉面」の一種類。トッピングやサイドメニューがいくつかあって、中でも麺の種類が全部で9種類。太いの細いの、平べったいのや四角いの。
オモシロイのが「三角麺」でボクはそれがオキニイリ。それを注文、席につく。

丸めた麺のタネをベチンベチンとテーブルの上に叩きつけ、宙に浮かせて引っ張っていく。
再びベチン。
持ち上げひっぱりまたベチン。
それを何度か繰り返すと生地が突然麺になる。
まるでマジックみたいな様子が面白く、見入っていたらあっという間に時間がたって、ボクの料理が運ばれてくる。

透き通ったスープの上に真っ赤なラー油。
塊のまま煮込んだ牛肉を薄切りにしたのが3枚。

刻んだセロリとパクチーがたっぷり浮かんで湯気と一緒にやってくる。
箸で探ると麺と一緒にいちょう切りにした大根がふわりと浮かぶ。
麺の断面が三角形かどうかはいささか微妙な形。けれど角がキリッと立って、表面に細かな凸凹が無数についてる。
この凸凹がスープをからめとって口に運んでくれるのですね。

ひっぱり打ち付け作った麺で、だから長くてレンゲの上をいっぱいにする。しかも硬くて歯ごたえがよく小麦の香りが力強くて噛みごたえのある麺。これが好き。
そしてなによりスープがおいしい。
八角、五香、胡椒にクミンとスパイスさまざま。薬膳的な香りに味わい。スープ自体のうま味が強く、けれどラー油の辛味や痺れが後口すっきりしてくれる。

体に染み込む滋養に満ちたおいしさで、レンゲですくってひたすら飲んでいくと底からサイコロ状の牛肉がゴロゴロでてくる。
麺の分量も多く、熱々のスープの中で徐々にやわらかになり、口のすみずみを撫で回すような肉感的な食感になる。
それもおいしく、しばらくしたらまた食べたくなるんだろうなぁ…。それもまたよし、オキニイリ。


中国から来た牛肉麺でお腹を満たし、〆は同じく中国から来たコッティコーヒーで体を冷ます。

日本上陸以来ずっとやってた全品399円キャンペーンがやっと終わって、オキニイリのココナツラテが550円になっていた。
ちょっと残念なような、でもやっと定価にできたんだ…、ってホッとするような不思議な思い。
好きな商品だからなくなっちゃうと困るから、これでいいんだと思うことにする。

それだけ飲むと酸っぱいコーヒーが、ココナツミルクとシロップの味や風味でやわらかくなる。

ひと口目からピニャコラーダを飲んだみたいな南国気分にひたれるところがおゴチソウ。


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