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カレー屋さんなのにナポリターノで、なのに麺は伊府麺(笑)

新宿三丁目から新宿駅まで地下通路をのんびり歩いてた。

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あぁ、長い間、中村屋に来てないなぁ…、と思って入り口近くを見てたら伊府麺の看板がある。

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小麦粉を水を一切使わず卵だけで練った生地。
幅広に切り分け一旦茹でて油で揚げる。それを湯通ししてから使うという手間のかかった麺で、500年ほどの歴史があると言われる。
中村屋が商品化したのが1951年。来年で70年になるのを記念していくつかの期間限定メニューを作ったという告知。
揚げたときに麺の水分が油の中に吐き出され、小さな気泡がたくさん開いてて上等なスープで煮込むとそこからスープが麺に染み込む。トゥルンとなめらかでみずみずしい食感が好きで、昔からそれを目当てにやってきていた。
ナポリターノがその商品で、急に無性に食べたくなってお店に飛び込む。

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中国生まれの伊府麺が、土鍋に入れられトマトスープの中でくつくつ煮込まれやってくる。
まるで中国料理のようには見えず、だからといってイタリア料理のようかというとそうでもなくて、なんだか不思議なオリジナル。

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お箸じゃなくてスプーンとフォークで食べます。

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薬味はすりおろしたパルミジャーノ。
具材はマッシュルームに湯剥きのトマト。アサリと底にはたっぷりの鶏ひき肉が沈んでる。

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かつてマッシュルームは缶詰のマッシュルームだった。それが今ではフレッシュでしかも大ぶり。トマトソースで煮込まれてクシュクシュとした噛み心地。煮られたトマトもとろける食感。パルミジャーノを散らすと風味もコクも深まりスープだけでも十分味わいたのしめる。

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さて煮込まれた伊府麺。プルプルしていてしかもなめらかで麺の中までトマトスープの味が染み込みあたかも麺の形を借りたスープのごとし。
揚げているから軽い油の香りがコクと風味を添えている。
おいしいなぁ…、やっぱりおいしい。トマト味以外の何物でもなくとてもシンプル。なのにおいしく、だから何度食べても飽きないおいしさ。体もしっかりあったまる。

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それにしてもこれほど多くのスタッフがキビキビ働いているお店って今や珍しい。メニューを手渡したスタッフが注文が決まるまでそっと近くで見守っている。お客様が席を立つと2人、3人と集まってきてたちまちテーブルをキレイにしていく。これこそレストランだ…、ってしみじみ思う。オキニイリ。


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