横溝正史と金田一耕助の世界を語る…。
11月26日に岡山県の真備市で横溝正史作品のファンが集まるイベントがあったらしい。
「1000人の金田一耕助」というコスプレイベント。
横溝作品の登場人物に扮した人たちが町を練り歩いたというニュースが配信されていた。
イベントの名前は1000人だけど、コロナの今です。
参加人数を100人にしぼっての開催ということらしく、写真で観る限りほとんどの人が金田一耕助の格好に扮してた。
ボサボサ頭にとんがり帽、和装着流しに革のトランクを持ち草履姿というひと目で金田一耕助とわかるいでたち。
いろんな俳優が金田一耕助を演じているけどそのほとんどが同じような扮装。
8人の金田一耕助ってプログラムで集まった石坂浩二、古谷一行、鹿賀丈史、小野寺昭、中井貴一、片岡鶴太郎、池松壮亮、長谷川博己のうち7人は同じ格好。中井貴一だけがスーツにネクタイ。
実は他にも石坂浩二スタイルじゃない金田一耕助が何人かいる。
例えば高倉健。
1961年公開の「悪魔の手毬唄」で、短髪にジャケット、サングラス。オープンカーを乗り回すというスパイ映画の主人公のような金田一耕助を演じてる。
中尾彬も金田一耕助を演じてる。
1975年公開の「本陣殺人事件」がそれで、なんとジーパンはいてヒッピーみたいな格好。
バタ臭い彼の顔にそれが意外に似合ってて金田一耕助はかくあるべしってこだわりなんてバカみたい…、って思わせる。
異色の金田一耕助の最高峰と言えば1977年公開の「八つ墓村」に出ていた渥美清。
くたびれたジャケットに手ぬぐい、そして麦わら帽子。
フーテンの寅さんに見えそうでいて、まるで独特で特別のキャラクター。
そしてやっぱりうまいのです。
飄々としている。
その飄々が冷静な観察力と洞察力をもった人物というイメージを明確に作り出して、名探偵とはこういう人であるのだろうな…、と説得力すらもつ演技。
珍しく抑えた演技の萩原健一。
妖艶から狂気にうつろう小川真由美の凄みに、初々しくて儚い山本陽子。
連続殺人の謎解きをする最後10分近くを渥美清が淡々と説明口調で語る演出。名作だなぁ…、と何度見返しても感心します。
渥美清版の八つ墓村以外にも特別に好きな作品が3つある。
悪魔の手毬唄
病院坂の首縊りの家
獄門島
それぞれ好きな理由を説明しましょう…、かなり独特というか、ホガラカ的な理由もいくつかございます(笑)。
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