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五目焼きそばのゆたかなる世界

大久保の町を歩いてて「クロサワ楽器」の前に出た。

昔、タナカくんがサクソフォンを練習したいって言ってたことがあって、買おうかどうか迷ってた。
ボクも昔、木管楽器をやってたことがあるから買ったらシェアできるかな…、と、まずとりあえずマスピースとリードを買った。
吹き方を教えてあげて、しばらくビーべーやってたけれど結局飽きてやめちゃった。サクソフォンは買わずじまい。マウスピースも一体どこに行ったのやら。
そのとき、マウスピースを買った後でたまたま見つけた中華料理のお店に来てみる。

「大明飯店」。

間口の小さい店だけどおいしい匂いがお店の外まで流れ出ししかもスゴく流行っていたのを見て思い切って入ったんです。
そしたらこれが大当たり。当時、五目焼きそばにハマっててそれでここでも五目焼きそばをたのんだのだけど、それがおいしくってビックリしたのを思い出す。

今日も同じく五目焼きそば。
カウンターに陣取って冷たいおしぼりで手を拭きながら、ちゅうぼうのなかで料理ができる音を聞く。
最初は静か。
具材の準備をしているのでしょう。
しばらく経って油の香りがしてくると突然音はにぎやかになる。
ジューっと湿った音に続いて鍋肌おたまでひっかく音。
ジャジャッジャジャッと麺や具材が鍋の中で飛び跳ねながら炒められてく音がして、それもおさまりボクの料理が出来上がる。

にぎやかにしてうつくしい。
豚肉に白菜やネギといった麺と一緒に炒められた具材の他に、焼豚、ナルト、かまぼこにエビ、ゆで卵と貼られた具材の色とりどりでにぎやかなこと。

まさに五目そばの焼きそば版!
ニッコリしながらはてさて、どこから手をつけようか…、とたのしく迷って麺をたぐってまずズルリ。

細い麺です。軽く油をまとってこんがり焼かれてて、若干もそもそ、乾いた感じ。噛むとバッサリちらかって、噛みすすめるとスープと油の旨みが口に広がっていく。
具材を口がねだります。
シャキシャキ感を残した白菜。奥歯がキュッキュと痒くなるようなネギは甘くてみずみずしくて、麺の乾いた感じをおいしくさせる。
エビは甘くてむっちりしてて焼豚のとろける脂のおいしいこと!ナルト、かまぼこのムチュンとはじける感じもおいしいアクセント。

胡椒をかけると甘みが増します。
お酢をかければ酸味が旨みをひきたてて油をすっきりしてくれる。なにより麺にくらべて具材の料理が圧倒的で、食べすすめると五目肉野菜炒めの麺入りって感じがするのがうれしくて、お腹もよろこぶオキニイリ。


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