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7割を目指す講義NO.21 福祉政策における資源



福祉政策における資源の問題について

資源とは、ニーズを充足する機能をもつものの総称になります。

ここでは、福祉ニーズに対して社会資源をどう対応させていくかという話をしていきます。

資源の試験問題は、非常に難しいです。資源の試験問題を作るのも難しいと言われています。そこで、最低限、押さえておいて欲しい事項を見ていきます。


1.資源の種類とその性質


まず、資源にはどういうものがあるのか。資源の種類とその性質は何かということを確認します。

資源としては、大別して、現物給付と現金給付があります。

まず現物給付があります。
これは、ニーズの充足に直接的に役立つ資源です。
それのみで終わっていくので、完結的という特徴がある資源になります。

それから、資源として現金給付というものがあります。
これは、ニーズの充足に間接的に役立っていく資源になります。
ですから、手段的という特徴がある資源になります。
すなわち、ニーズを充足するためにお金をもらっても、それだけではニーズは充足されません。そのお金を使って、何かを購入したりすることで、ニーズが充足されるので、現金給付は、手段的だということになります。

で、現金給付ということで、お金が使われているので、現金だけかと思われるかもしれません。しかし、例えば、税額控除(所得税額から、一定の金額を控除するというもの。税額控除は、住宅ローン控除などさまざまな種類があります。住宅ローン控除の控除額は、個々のケースによって異なりますが、通常の住宅の場合に最高で40万円になっています。)は、現金給付と同様な機能を果たしています。ですから、税額控除も現金給付と同じだと捉えて良いと思います。

重要なのは、現金給付にしても、現物給付にしても、これは、労働力の脱商品化という指数を上げていく機能を有しているということです。

労働力の脱商品化とは、労働力を商品化できなくなっても生活できる条件のことを指します。
簡単に言うと、病気や障害、高齢などを理由として仕事ができなくなっても、生活できるかどうか、という指標です。
労働力の脱商品化が進んだ社会は、福祉が進んだ社会として考えることができます。

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