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社会調査の基礎 NO.1 社会調査の意義と分類



今回の内容は、YouTubeで視聴できます。


1.社会調査の意義と目的


ここでは特に福祉専門職が理解すべき社会調査の意義や社会調査の種類について確認していきます。


(1)社会調査の意義


まず、社会調査とは何か?

社会調査とは、社会的な問題意識に基づいて、一定の社会事象(例えば、一定の個人とか、一定の社会集団、一定の社会等)を対象として、データを収集し、収集したデータを使って整理・分析などして、社会について考え、科学的解明を目指し、その結果を公表する一連の過程を言います。

社会調査は、国、自治体、民間企業、研究機関、個人などによって幅広く実施されています。

では、社会調査になるのかについて、具体例を出して、確認してみます。
 
例えば、特定の個人やその属性を知ることや特定の商品の使われ方を知ることを目的とした調査は、社会調査と言えますか?

特定の個人を対象とする場合は、一定の社会事象を対象として、整理・分析などするとは言えず、社会調査とは言えません。

例えば、スマートフォンのどの機能が一番使われているのかを調べることは、社会調査と言えますか?

スマートフォンのどの機能が一番使われているのかを調べることは、単なるスマートフォンの調査になってしまいます。一定の社会事象を対象としていません。なので、この場合には、社会調査には該当しません。

例えば、スマートフォンのあるアプリ(例えば、ペイペイなどの電子マネー決済サービス)を使うのは、どのような地域の人達が多いのか、どのような年齢層の人なのか、あるいは、どのような分野の職業の人なのか、そして、それはなぜなのか、ということを考えることは、社会調査と言えますか?

スマートフォンのあるアプリ(例えば、ペイペイなどの電子マネー決済サービス)を使うのは、どのような地域の人達が多いのか、どのような年齢層の人なのか、あるいは、どのような分野の職業の人なのか、そして、それはなぜなのか、ということを考えることは、現代人の生活(一定の社会事象)をスマートフォンを通して考えていくことになります。つまり、あくまでもスマートフォンの調査をするのではなく、スマートフォンを通した社会生活とか、社会のあり方を考えて行くということであれば、これは、一定の社会集団や一定の社会事象を対象として、データを収集し、収集したデータを使って、分析等をして、社会について考えていくことになりますので、社会調査に該当します。

私たちが学んでいる社会福祉。この社会福祉を対象とする社会調査は、社会福祉調査またはソーシャルワーク・リサーチと呼ばれています。

社会福祉調査は、学術的には、社会福祉学の理論の発展を目的に行われるもの、それから、実務的には、援助技術の基礎となる人間行動の理解を深める目的で行われるものがあります。

社会福祉調査が実務的に行われるのは、援助者が支援を行う上で、社会福祉援助技術の基礎となる人間行動の現状や問題をなるべく正確に(科学的に、客観的に)把握する事が大切になるためです。
そういう意味で、社会調査は、社会福祉援助技術としては有効な手段と言えます。
ちなみに、社会福祉援助技術には、直接援助技術と間接援助技術がありますが、社会調査は、間接援助技術に分類されています。

では、社会福祉分野の中で見られる社会調査が活用されている例としては、どのようなものがあるのか?

ニーズ把握やプログラム評価、クライエントに対するサービスやケアについての効果測定などが挙げられます。

また、現に生じている社会問題を解決するために、その問題の当事者(被調査者)とソーシャルワーカー(調査者)が協働で調査、実践を行う実践的な社会調査の活動をアクション・リサーチと言っています。
なお、このアクション・リサーチは、基本的には質的調査になりますが、量的調査の手法(質問紙など)も利用可能であれば利用すべきと言われています。

*社会調査の方法には、量的調査と質的調査があります。
量的調査は、数量的データを収集し、統計学的に把握する調査です。
質的調査は、数値化できない言語や文章などの調査対象者の主観的なデータ(質的データ)を収集し、記録にまとめる調査です。

アクション・リサーチは、問題解決を図るために、調査者と調査対象者とが協働して調査や実践を進める研究法になります。
アクション・リサーチは、研究法の1つではありますが、問題解決を図ること、つまり、実践的な問題解決を重視する点に特徴があります。




第35回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会調査は、個人ではなく、組織や機関が実施するものである。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
社会調査は、組織(国、自治体、民間企業)や機関(研究機関など)だけでなく、個人などによって幅広く実施されています。



第32回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会調査は、研究者が個人ではなくて共同で行わなければならない。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
社会調査は、研究者が個人で行っても問題はありません。



第27回第84問の選択肢

「社会調査は、市場の構成要素である企業は調査対象とせず、 社会の基本的な構成要素としての個人を対象とする。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
社会調査の対象は、一定の社会事象であって、一定の社会集団も含みます。なので、企業も社会調査の対象になります。



第32回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会調査は、社会福祉援助技術として有効な方法ではない。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
社会福祉調査が実務的に行われるのは、援助者が支援を行う上で、援助技術の基礎となる人間行動の現状や問題をなるべく正確に(科学的に、客観的に)把握する事が大切になるためです。
そういう意味で、社会調査は、社会福祉援助技術としては有効な手段と言えます。



第23回第82問の選択肢

アクション・リサーチと参与観察に関する問題で、「参与観察とアクション・リサーチの違いは、前者が実践的な問題解決を重視するのに対し、後者は観察に基づく理論的研究を重視する。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
参与観察、アクション・リサーチは、共に質的調査におけるデータ収集の方法のうち、観察法に該当します。
しかし、参与観察とアクション・リサーチには違いがあります。
アクション・リサーチは、問題解決を図るために、調査者と調査対象者とが協働して調査や実践を進める研究法になります。
アクション・リサーチは、研究法の1つではありますが、問題解決を図ること、つまり、実践的な問題解決を重視する点に特徴があります。
これに対し、参与観察は、観察者が被観察者と同じ社会生活に参加して、内側から体験を通じて被観察者の実態・実情をつぶさに観察する手法になりますが、この参与観察は、観察に基づく理論的研究を重視する点に特徴があります。
選択肢においては、参与観察とアクション・リサーチに関する説明が逆になっていますので、この選択肢は誤りになります。
同じような問題が、第31回第84問でも出題されています。



第35回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会調査の分析対象は、数量的データに限定されている。」〇か✖か







この選択肢は、誤りです。
本問は、社会調査の方法に関する問題です。
社会調査の方法には、量的調査と質的調査があります。
量的調査は、数量的データを収集し、統計学的に把握する調査です。
質的調査は、数値化できない言語や文章などの調査対象者の主観的なデータ(質的データ)を収集し、記録にまとめる調査です。



第32回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会調査は、数量的データとして結果を提示できなければならない。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
社会調査は、質的データとして結果を提示することも可能です。



次に、社会調査をする意義について触れておきます。

社会調査は、社会的現実を「発見」し、社会について「説明」し、将来の社会を「予測」するために行うというところに意義があります。

例えば、貧困の実態を把握するために社会調査を行うとして、どのくらいの人が貧困状態に陥っているのか(発見)。その結果を踏まえて、どのような社会であるのかを説明し、これを踏まえて、これからどのように社会を変えていったらよいのか(予測)、というような調査をしていきます。
こういうものが、社会調査になります。

社会福祉調査の起源について触れておきます。

社会福祉調査の起源としては、ブースによる社会福祉調査があります。

*社会福祉調査ではなく社会調査の起源は、紀元前に遡ります。古代エジプトで行われた人口調査になります。
著者ルカによる福音書(新約聖書)には、エジプト皇帝アウグストの「全世界の人口を調査せよ」との勅令により、人々は今まで住んでいた町から本籍地に移動したとのエピソードが記載されています。

ブースによる社会福祉調査は、貧困などの社会的な問題の実態を明らかにすることで社会改良を目指す調査でありまして、社会踏査と呼ばれるものになります。

社会踏査の代表的な例としては、チャールズ・ブースの貧困調査などがあります。
C.  ブースの「ロンドン民衆の生活と労働」という書籍が、社会踏査の代表例として有名です。

社会踏査とは、社会調査の類型の一つで、社会問題解決という実践的な目的のもと、特定の地域の状況について包括的に探究し、必要な政策を講じようとする調査法を指します。

C.  ブースは、イギリス人です。
1840年生まれで、資産家の子として誕生しました。
ブースは、「ブース汽船会社」という貿易会社を設立し、成功をします。
このブースが生きていた時代の社会情勢ですが、1880年頃には、産業革命によって工場経営者と労働者の格差ができつつありました。そこで、労働者の「貧困問題」が浮上していきます。
このような社会問題が浮上してくる中、社会主義的な立場から貧困の原因を社会構造上の問題に求める「社会民主連盟」(1885)の調査がありました。その調査結果として、「労働者階級の4分の1以上が人間として健康を維持するのに不適切な生活を送っている」ようだということが公表されました。
資本家であったブースは、当時、資本主義は社会を良くするものだと堅く信じていたわけですが、この社会民主連盟の調査結果を聞いたわけです。ある意味で、これが社会福祉調査の起源とも言えます。ただ、ブースの調査が有名だということで、社会福祉調査の起源になっているのかもしれません。

ブースは、「いやいや資本主義は、社会全体をよくするはずだ。産業革命が起きて、貧困層がそんなにいるわけがない。この調査結果は、間違っている。」と思って、社会のことについて考えていたわけです。
そこで、ブースは、1886~1902年にかけて、私財を投じて、ロンドンで調査をします。
ブースの調査方法ですが、
①国勢調査を使って、人びとがどのくらいお金を持っているのかを調査しました。その上で、この人は、資本家階級、この人は、労働者階級であるというように、階級区分を作って調査を行いました。
②調査方法ですが、家庭訪問員による面接を通して、家庭の様子を聞いてもらった。

ブースの調査結果では、週賃金21シリング(シリングは、当時のイギリスの通貨であった。)以下の生活を送っている人達を貧困とみなした場合、その割合は、30.7%でした。貧困線以下の人の割合が、4分の1より多いという結果になりました。
ブースは、この結果を踏まえて、なぜこの人達が貧困なのかを整理したり、分析したりして、考えたわけです。
ブースが調べてみると、貧困線以下の人たちの中には、仕事もせずにアル中であるとか、浪費癖があるから、貧困であるという人は確かにいる。しかし、これらの人は、全体の14%でした。驚いたことに、それ以外にも、多くの人が貧困線以下の生活をしていました。「それ以外」の貧困線以下の人たちはというと、勤勉で、働きたいのに働けない、働いているのに少ししか給料が貰えないとか、労働条件が悪くて病気になり働けないという人達でした。
ブースは、この勤勉なのに貧困だという貧困層が多いという結果を目の当たりにして、これは、決して個人の問題ではなく、雇用の問題(社会の問題)があると結論付けたわけです。
ブースは、社会調査をするために、便宜的に「貧困線」の設定をしました。ブースは、「貧困」とは何かを「操作的」に定義をしたわけです。
つまり、週賃金21シリング以下の生活を送っている人達を貧困とみなしましょうという客観的なラインを作ったわけです。当時、この客観的なラインを作ったことが画期的だったわけです。
ブースの調査結果が、将来における貧困問題に対する社会的介入の必要性のきっかけとなったわけです。

あと、ベンジャミン・シーボーム・ラウントリーについても触れておきます。
ラウントリー(1871-1954)は、イギリスの企業経営者でした。
キットカットというチョコレート菓子がありますが、皆さんご存じのキットカットです。現在は、1988年からになりますが、ネスレから販売されています(ネスレがラウントリー社の株式を取得し、「キットカット」を引き継ぎました。九州の方言で『きっと勝つとぉ(きっと勝つよ!)』が「キットカット」に似ていることから、2002年頃から九州を中心に受験生の間で合格祈願のチョコレートという噂が口コミで広まり始めました。)。
このキットカットですが、もともとはイギリスのラウントリー社が販売をしていました。
さて、ラウントリーは、「貧困研究」という本を書いています。
ラウントリーは、「大都市ロンドンの状況はブースの調査で分かった。では、地方はどうか?」 「ブースの調査結果は、田舎でも見られるのか? 」
ラウントリーは、田舎町の社会状況はどうなのかと思ったわけです。

ラウントリーは、ブースの社会調査を踏まえて、田舎町のヨークにおける貧困研究をしています。
ラウントリーは、ブースの「貧困線」をさらに精緻化していきました。
第一次貧困と第二次貧困という基準を設定しています。

第一次貧困 肉体維持に必要な最低限度の収入を維持できない層
第二次貧困 第一次貧困以上の収入はあるが、浪費や計画外の支出によって陥る貧困状態の層

ラウントリーの調査の結果ですが、ブースと同様30%程度の貧困層がいることがわかりました。
ラウントリーの調査によって、大都市だけではなく、田舎でも同じような状況にあることが分かったわけです。
ラウントリーの調査結果によって、将来における貧困問題に対する社会的介入が大都市だけではなく、田舎でも必要だと認識されるきっかけとなりました。



第29回第84問の選択肢
社会調査の種類と意義に関する問題で、「新聞社が行う世論調査が、社会調査の最も古い起源である。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
社会調査の起源は、紀元前に遡ります。新聞ができるずっと前になります。古代エジプト等で、その時代の支配者が命じて行われた人口調査が社会調査の起源になります。
新聞社による世論調査が行われるようになったのは、19世紀末頃からです。



第35回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会問題の解決のために実施する調査は、社会踏査(social survey)と呼ばれる。」〇か✖か






この選択肢は、正しいです。
社会踏査の例としては、ブースのロンドン調査、ラウントリーのヨーク調査などがあります。



第32回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「貧困の実態調査などの社会調査を基に、社会改良が行われることもある。」〇か✖か






この選択肢は、正しいです。
社会調査の結果を基に、社会改良が行われる例としては、ブースとラウントリーの貧困調査が代表的です。



(2)社会調査の種類


次に、社会調査の種類(類型)について触れておきます。

過去の出題を見ると、社会調査の種類に関する内容が繰り返し出題されています。
社会調査には様々なものがあり、分類も一義的ではありません。どのような目的のために、どのような方法で、どのようなデータをどこから集めてくるのかなどによって分類することができます。

特に国家試験では、以下のものの出題が多いと言えます。

①方法に沿った分類である調査票調査、聞き取り調査、参与観察、ドキュメント分析

参与観察とは、人びとが行うイベント(祭礼、儀礼、結社、偶発的行事など)に参加することを通して、観察データを得るというやり方になります。

ドキュメント分析とは、日記、詩、小説、議事録、裁判記録、新聞、調査票の自由記述、HP、ブログなど、文字で書かれたものすべてを素材に分析するものになります。
例えば、P.アリエス、「〈子供〉の誕生」:ヨーロッパにおける子供が描かれた絵画の歴史的変遷を調べることによって、子供に対する人びとの見方がどのように変化してきたかを解釈したというものがあります。

②内容に沿った分類である量的調査、質的調査

③目的に沿った分類である統計研究調査(センサス)、事例研究的調査

センサスは、政府等の公的機関が行う全数調査のことです。
例えば、国勢調査、経済センサスなど

ここに示した①から③の様々な調査の種類については、目的や方法等に沿って分類ができるんだということ、また様々な調査がどのように位置づけできるのかを選別できるようにしてください。

それでは、試験で大事なところを踏まえた上で、社会調査の種類とその内容を確認していきたいと思います。

まず公的統計です。

公的統計とは、統計法に基づき国の行政機関、地方公共団体等が作成する統計のことです。

公的統計には、基幹統計と一般統計があります。
統計法第2条には、基幹統計の定義があります。

・国勢統計(総務省による)
・国民経済計算(内閣府による)
・行政機関が作成する統計のうち重要なものとして総務大臣が指定する統計

公的統計の例としては、国勢調査(総務省統計局)、人口動態統計(厚生労働省)、国民生活基礎調査(厚生労働省)などがあります。

公的統計は、行政利用のみならず、社会全体で利用される情報基盤として位置付けられています。

国の統計データについては、一つに集約された政府統計ポータルサイト(e-Stat)が整備されています。

統計調査は、社会事象を的にとらえることを目的とした社会調査です。



第28回第90問の選択肢

「国の統計データについては、一つに集約されたポータルサイトが整備されている。」〇か✖か






この選択肢は、正しいです。
e-Statという政府統計ポータルサイトがあります。



第26回第84問の選択肢
「基幹統計調査である国民生活基礎調査は、3年ごとに大規模な調査を行い、中間の各年に簡易な調査が行われる。」〇か✖か






この選択肢は、正しいです。
国民生活基礎調査は、 厚生労働省が1986(昭和61)年から、全国で実施している基幹統計調査になります。
国民生活基礎調査の調査事項は、世帯の構成、国民の保健、医療、福祉、年金、就業、所得などの国民生活の基礎的な事項になります。
調査の間隔ですが、毎年簡易な調査を行いますが、3年に一度大規模な調査を行うこととされています。



次に、世論調査です。

世論調査とは、政治や政策、社会問題等に対する人々の意識(世論)や選挙候補者への世論の好感度等を把握するために行われる統計調査です。

要するに、世論調査は、ある事項について、一般の人たちがどのような考え方をしているかを尋ねる調査のことです。

例えば、新聞社やTV局が、一般家庭に電話して、「今の岸田内閣を支持しますか」、「消費税増税に賛成ですか」などと質問し、調査するなどが世論調査になります。


次に、市場調査です。

市場調査(マーケティング・リサーチ)とは、企業が商品やサービスの開発、販売促進等に役立てるため、消費者の購入実態など商品やサービスに関わる様々な動向や情報を収集し、統計的に把握する調査活動のことを言います。


次に、センサスです。

センサスとは、行政目的の統計調査です。
つまり、公的機関等によって行われる国民の人口状態などを把握するための全数調査(調査対象となる母集団を全て調べること)のことです。

日本の国勢調査や経済センサスが、センサスの代表的なものになります。

センサスは、政策決定や国民生活への活用を目的として行われる調査になります。


次に、フィールドワークです。

フィールドワークとは、調査対象地や集団などの現場に入り込んで行う調査のことです。



第35回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「社会調査は、市場調査や世論調査を含まず、行政調査と学術調査を指している。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
本問は、社会調査の種類に関する問題ですが、社会調査には、行政調査や学術調査のほかにも、市場調査(企業が市場の動向や競合関係または消費者ニーズを調査して、マーケティングにおける情報を得るために行われる調査)、世論調査(政党などへの支持といったある社会集団の世論の動向を明らかにすることを目的に行われる調査)などもあります。



第31回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「市場調査とは、行政の意思決定に役立てることを目的として市場の客観的基礎資料を得るための社会調査である。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
市場調査(マーケティング・リサーチ)とは、企業が商品やサービスの開発、販売促進等に役立てるため、消費者の購入実態など商品やサービスに関わる様々な動向や情報を収集し、統計的に把握する調査活動のことを言います。



第32回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「報道機関が行っている世論調査は、社会調査には含まれない。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
世論調査は、統計学的データに基づき集計・分析をしたものであれば、報道機関が行ったものでも、社会調査に含まれます。



第31回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「統計調査とは、社会事象を質的に捉えることを目的とした社会調査である。」〇か✖か






この選択肢は、誤りです。
統計調査は、質的ではなく、量的なデータから分析をする社会調査になります。統計調査の代表例は、国勢調査、家計調査、労働力調査などです。



第31回第84問の選択肢

社会調査に関する問題で、「センサスとは、企業の社会貢献活動を把握することを目的とした社会調査である。」〇か✖か







この選択肢は、誤りです。
センサスとは、行政目的の統計調査です。
つまり、公的機関等によって行われる国民の人口状態などを把握するための全数調査(調査対象となる母集団を全て調べること)のことです。
例えば、国勢調査や経済センサスなどがあります。
同じような問題が、第29回第84問でも出題されています。


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