「自主研のススメ」49.体験型学習
9月某日、僕が所属するK33ネットワークとチーム千葉県による合同学習会として、国立国会図書館体験学習会が行われました。その学習会が個人的に神企画だったので、学習会の概要と神企画だったと思えた要因を紹介しつつ、体験型学習会のメリットをお伝えします。
1.館内の案内
まずは館内の案内から。新館にて受付を済ませ、その後本館に移動。本館の建物中央にある受付には「真理がわれらを自由にする」とあります。これは国立国会図書館法の前文「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」によるものです。なんかカッコいい!
なお、この図書館は基本閉架式(表に本が出ていない)のため、受付及びその周りの待合椅子の配置をみると、まるで銀行や病院を連想させる空間となっています。
続いて、新館との連絡通路にて、企画展示と国立国会図書館の模型を見学。本館(永田町)、関西館(京都)と、こども館(上野)の3施設あり、特にこども館に関しては、登録なくても入館可とのこと。しかも、戦前の帝国図書館跡地のため、当時の西洋建物を見るだけでも行ってみる価値がありそうでした。
2.レクリエーション的な体験学習
その後はチームに分かれ、予め用意されたお題を解いていくというミッションが与えられました。
お題その1は、書庫にある図書や雑誌を申込みしてスタッフに出納してもらうこと。そこで指定された本は以下の2つでした。
① 日本放送協会編『手軽に作れる料理(NHKきょうの料理.ポケットシリーズ2)』
② 『新都市』77巻12号「特集:新たな時代の都市公園ー都市公園制度制定150周年記念ー」
これらの貸出を申込みした後、用意されるまでの時間を活用して、専門資料室で以下の4つのお題を調べました。
A)生まれた日の出来事を、翌日の新聞で調べてみよう
B)「民泊事業」はどんな業界なのか。最近の業界動向を調べてみよう
C)市民から絵画の寄贈を受けた。画家名はわかっているが、価値は調べられるか
D)異動で防災担当になった。専門的な事項も多いので、調べ物や問い合わせができる図書館などがわかるとありがたい
これらの調べ物をしたなかで、特に衝撃的だったのが、AとB。
近隣の図書館でも新聞はありますが、50年近く前の新聞は置いてなかった気が・・それが国立国会図書館にはあるんです。読売と朝日の当時の新聞を見て、(勿論記憶はないですが)こんな時代だったのかと感慨深かったです。またBについては最高に使える辞典の存在を知ることができました。いくらネットが使えてもアクセスできないほどの情報量がそこにはあって、図書館を使いこなせるとアクセスできる情報量が異なるんだなと、身をもって実感できました。
その後、貸出準備ができたと通知があったので①と②をそれぞれのカウンターで借りました。①で印象に残ったのは、普通に鯨肉のレシピが掲載されていること。時代ですね。②については、様々な分野で(国家公務員が天下るために作られた法人があって、そこで定期刊行される)専門誌があって、その構成は概ね同じ。新しい分野に異動して先進事例等の情報収集をしたければ、そういった専門誌から情報を得られるというのを確認できました。
その後、図書館内で長時間集まってレクを受けるのも困難であったことから、個室利用できるレストランへ移動し、ランチしながら学習会を振り返りました。
3.振り返ってみて
今回、自主研として神企画だったと感じられた要因を僕なりに掘り下げてみると、以下の要素が大きいのではないかと感じます。
#チームで動くと楽しい
講義形式の学習会もいいけれど、仲間と一緒に問題を解くというその行程があるのは楽しいものです
#仕事に活かせる調べ方を習得
未知の分野の業務を任された時、クリティカルにアクセスできる書籍に出会う体験ができたのは非常によかったです。また、今回のことが調べられるのであれば、別のことでも同様にレファレンス使えばできるかも?という気づきも得られました。
#振り返りの時間で学びが広がる
美味しい黒ラベルを飲みながら振り返りの時間を持てたのも良かったです。個室なので周りの喧騒を気にすることなく、一人ずつ感想を言うことで、自分にはなかった気づきも得ることができました。
#純粋に知的好奇心がくすぐられた
これは読んで字のごとく。何かを調べて、新しい知識を身につけるという行為自体がこんなにも楽しいことなんだと、久しぶりに感じました。
総括すると、楽しみながら仕事でも役立つスキルを身につけることができたという感じでしょうか。これというのも通常の座学ではなく、体験型学習だからこそ得られた充実感でした。
いよいよ学びの秋に近づいてきたので、皆さんも外に出る体験型学習会を企画してみてはいかがでしょうか。
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