中国の博物館(四川省 三星堆遺跡)

                                  23.01.31 さかい 悠

中国 四川省広漢市の三星堆遺跡から出土した目、耳に特徴が有る出土品 1929年農民により偶然発見されたものの調査が開始されたのは1956年、更に時を得て1986年から本格調査、発掘が始まったばかりの遺跡。 紀元前2000年頃若しくはそれ以前の時代の物と言われている 今から4000年以上も前 中国の中でも最も古い時代に属する文化と言われている。

 私は絵画、工芸品など古い物を見て回る趣味がある  いろんな歴史的遺品もその一つ。            ジャンル(絵画、工芸、建造物、歴史的建物等)は問わない、純粋に見る事が好き! 

 世に名の知れた芸術家の作品は当然として、街中の小さな会場で開催される個展、一般の方が一堂に会する市民展、学生、高校生などが描く作品展なども足を運ぶ 催す内容で作品の優劣、個々の差が出るのもいとわない。 
 人の感性、技術の力量で感じ方、表現の仕方は千差万別、私なりの味方で見る事が本当に楽しい。
私的な楽しみ方で深い知見で見ているわけでない 単純に好きだから!

 中国駐在時代、観光目的でいろんな都市、地方に出かけるとその地域の歴史遺産を見学する場所がたくさんある。 
 中国は現在でも歴史上の大きな発見が続いている しかし日本ではなかなかこれらを実物で目にすることは出来ない 見る機会を得たとしても、それは一部の巡回展に過ぎず、現地で実物と展示の全体像を把握し初めてその文化の偉大さが理解できると私は思っている。

 観光場所は当然調べるとして、その地域で有名な博物館、展示館も事前に把握しておく、スケジュールが合えば必ず見学コースに組み込む 実際の展示物を見学する事は写真、映像では感じ取れない魅力が有る。 
 特に現物の大きさ、色使い、細部の技術の素晴らしさはやはり現物に勝るものは無い 実物を確認していれば時が経っても写真、映像だけで感動が持続出来る 現物を見ないで写真、映像だけではその魅力も半減 見学の折、写真撮影、映像で手元に残しておけばいつでも感動が蘇る。
 
 ところが日本ではほとんどの展示館で写真撮影は禁止されているところが多い 非常に残念。

理由として以下の3つが主な禁止の理由
1  著作権の問題                (作者との関係、所有者との関係等)
2  フラッシュによる展示物の劣化、影響が懸念  (強い光を当てる事で作品に影響する)
3  他の人の鑑賞に迷惑となる          (シャッター音、三脚等鑑賞の邪魔になる)
以上のことから今でも撮影禁止が多い。
 
 昨今 撮影に問題のない作品も部分的に増えては来ている これは見学者にとって嬉しい情報で有り 今後さらに増えることを願う。
 
 今回は中国の博物館、展示館での撮影の話題も含めて、四川省にある三星碓遺跡の作品を実際に撮った写真をもとに出土品の1部を紹介しよう。

 中国は歴史の長さから、いろんな遺跡、発掘品、工芸品など貴重なものが今でもたくさん出土している。当然全てではないがかなりの所で写真撮影は可能である 但しフラッシュ、シャッター音、三脚の使用は制限されている これら制約が有るにしても撮影自体は可能 これは非常に有難い! 中国の博物館見学の魅力の一つでもある。
 但し気を付けたい事は突然ルールが変更に成り、NGと成る場合、逆にOKとなる場合もある 入館前に必ず確認する事と撮影に関してのマナー、ルールを守り見学するべきである。
三星碓遺跡は当時(2009年頃)写真撮影は可能であった。

三星碓博物館の正面玄関

 四川省三星碓博物館を実際に見学した時期は2009年10月の事 当日はあいにく雨がっ降っていたが屋内で有り、見学に支障はない なぜこの場所を見学をすること成ったは偶然である。

 当時 四川省成都を中心に観光で訪れていた 成都に住む知人(日本人)にあちこちと案内してもらっていて当日のスケジュールは別の観光地に行く予定であった、しかしあいにくの天候の為、急遽 目的地を屋内でも見学できる所に変更してくれた 当然この遺跡の知識は私は持ち合わせていなく、全くの初耳の文化遺産であり博物館 知人は以前見学していたらしく、かなり異質な文化で参考の為にと紹介してくれた。

 館内に入るなりいきなり、異質な仮面が目に飛び込んできた 目と耳が特に誇張されており、一見宇宙人の顔を連想してしまう。
特に冒頭に掲載した目が飛び出た出土品は強烈な印象である。

何とも異様な仮面 全てにおいて誇張したデザイン 目 耳 鼻 口 いずれも斬新な表現 
同様の形をした頭部の仮面 
金箔を張り詰めた仮面の出土品
今から5000年も前の物とは思えない精巧なモニュメント
この遺跡の最大の出土品 高さが約4m近くもある 見上げる様に大きなツリーの飾り
同じく高さ2.6mもある青銅立人像 手の位置、恰好からして何か物を持っていた気配を感じる。
大きな器 祭事用の物であろうか? 周りに精巧な装飾が施されている 文様も細かい。
同様に精密な文様が目を引く 
車のハンドル? と思わせる発掘品 一説には太陽を表すものとも!
鳥を模った出土品も多く出土している。
発掘現場の写真 青銅の仮面 大きな立像の掘り出し風景の写真も展示されている。
埋蔵品に混じって象牙がたくさん発掘 当時南方にしかいないはずの象牙が大量に見つかっている 大掛かりな貿易の証拠若しくは気候変動でこの地方にも像がすんでいたなど、いろんな考え、憶測が出来る。

 いろんな博物館を見学してきた中で特にこの出土品はどれをとっても、印象が強烈。
当時(2009年)よりもさらに展示品が増え、新しい展示館も出来るとの情報がある 機会が有れば是非とも、今一度見学したい。
 ただ 四川省成都は遠い! 何カ所か別の所もセットで行かないと勿体ない。

 展示館では詳しい案内文があわせて掲示している 今はスマホをかざすと同時翻訳のアプリが有るので、それを見ながらじっくりと見学するとより文化の全容が理解できる。
 当時撮った、他の写真を合わせて見ると、あの頃の印象が鮮明に思い出す。 映像で撮っておくと記憶とその当時の出来事が今でも思い出す。

 余談ですが今年(2023年)1月26日 旧正月休暇で観客2人が展示の先着をめぐり、トラブルと成り、作品が陳列棚から落下するトラブルが発生と伝えている。幸い作品に損傷が無かったことは幸い(中国中央TV CCTVのニュースから)
 私が鑑賞した当時はまだまだ観客も少なく、じっくり時間をかけ見学出来た 今では人気も高くなっている様です。

 人類の歴史の遺産がこの様に朽ち果てることなく、継続して見える事は文化財保護のシステム、技術の素晴らしさは一般の我々に興味と知識を繋いでくれることに感謝。

 当然 作った、先人の技術、発想に改めて歴史の長さ以上に文化の素晴らしさに感動する。
広い中国の中にまだまだ知らない、未知の遺跡、文化が埋蔵している事であろう。
 文化遺産は中国に限った事でなく日本、そして世界中にまだ見ぬ、特級の文化が目にすることなく眠っている。 私が生きている間にどれ程の見る機会があるかは定かでない。
 素晴らしい感動をいつまでも巡り合えることを願いたい その為には私自身も、行動力、体力も引き続き必要となる。

 今回の博物館のほかにも何カ所か写真で撮りとめている またの機会に別の博物館も紹介したい!

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