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漁師の一史は休憩時間、船の内室で娘から貰った絵を眺めている。 休憩時間になると心をリラックスさせるため毎回見るのが日課だ。 「一史さん、いつもの絵ですか?」 「ああ。」 後輩が聞いてきて言葉少なに返答した。 無表情しがちだが不器用なだけで、男らしく優しい。一史を良く知る人のほとんどはそう答えるだろう。 「海じゃ木は見れませんよね。太陽の光で白く光る海は見れますけど。」 「ああ。だから娘が描いてくれたこの絵は気に入っている。」 「家があって太陽があって。家の庭の木に太陽