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2025年トレンド!AIエージェント「Browser Use」徹底解説

はじめに

近年は生成AI技術が飛躍的に進化し、あらゆる業界でAIによる業務効率化が注目を集めています。そんな中、AIエージェントがブラウザを自動操作してタスクを実行するというソリューションが台頭してきました。その代表的な一つが今回ご紹介する 「Browser Use」 です。

「Browser Use」は、単なる自動クリックツールとは異なり、AIが自律的にタスクを分解・実行し、必要に応じて追加の操作を行ってくれるのが特徴。動画の内容を踏まえながら、その概要と仕組み、実演例、そしてメリット・デメリットを解説していきます。

同じ内容をYoutubeで解説しているのでよかったらこちらもチェックしてみてください。

Browser Useとは

自然言語でブラウザ操作を指示できるAIエージェント

「Browser Use」はブラウザ操作に特化したAIエージェントで、テキストベースの指示(自然言語によるプロンプト)を理解し、必要なWebサイトを巡回して情報を収集したり、画面をクリックやスクロールしてフォーム入力したり、といった複数の操作を自動的に行います。

具体例としては、以下のような使い方が可能です。

  • 商品の在庫・価格比較

    • 複数のECサイトを自動で開いて、同じ商品の在庫や価格を調べ上げ、リスト化する。

  • 宿泊先の予約

    • 「立川駅周辺で○月○日に泊まりたい」という条件で、楽天トラベルや他の旅行サイトを自動で調べ、料金や空室状況をチェック。

ユーザーが「○○を探して、それをリスト化して」「△△サイトで在庫があれば、さらに別サイトで比較してみて」などと自然言語でプロンプトを記述すれば、あとは「Browser Use」がブラウザを開いて入力やボタン操作、サイト間の行き来などを行い、結果をまとめてくれます。

ポイントは、自律的なタスク分解が行われる点です。単なるクリックマクロやスクリプトではなく、大規模言語モデル(ChatGPTやClaudeなど)との対話を通じて、

  1. 「検索ページを開く」

  2. 「キーワードを入力する」

  3. 「検索結果を分析する」

  4. 「最適な結果をユーザーに返す」

といった手順をAI自身が組み立てて実行し、状況に応じて追加の操作があれば再度タスクを分解しながら実行していきます。

仕組みの概略

Browser Useの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. ユーザーがエージェントに要望を伝える
    例:「立川駅でホテルに泊まりたいので検索し、予約可能なところを教えて」といった自然言語で要望を伝える。

  2. エージェントがLLM(ChatGPTなど)のAPIに問い合わせ
    「今の画面の状態はこう。次にどんな操作をすれば良い?」といった相談をAPI経由で行い、必要なページ操作プラン(クリック、スクロール、フォーム入力など)を受け取る。

  3. エージェントがブラウザを開いて操作を実行
    Playwright(ブラウザ操作ライブラリ)などを通じて、スクロールやフォーム入力、ボタンクリック等を行う。

  4. 操作結果を再度エージェントへフィードバック
    「検索結果ページが表示されました」「エラーが出ています」など、現在の画面状態を報告。

  5. 再度LLMと連携し、タスク継続か終了かを判断
    目的が達成されるまでこのループを繰り返す。すべて完了したらユーザーに完了報告。

このように、ブラウザ上の画面状況を逐次AIに伝え、次のアクションをLLMが考えて実行する、というフローが特長です。

できることの具体例

複数のECサイトで商品検索

  • 同じ型番の商品を別々のECサイトで検索し、在庫や価格をチェック。

  • 一番安いサイトを見つけて購入まで自動で進めることも可能。

ホテル検索と予約

  • 「立川駅周辺」「2名1室」「○月○日〜○日」などの条件で調べる。

  • ブラウザ操作を継続して実際に予約フォームを埋め、完了まで持っていく。

これらはあくまで一例であり、APIが公開されていないサービスでも画面上の操作を代行してくれるのが「Browser Use」の最大のメリットです。

Browser Useを動かす

① 仮想環境を作成
ローカル環境を汚さないため、Pythonの仮想環境(venvなど)を用意して、その中で必要ライブラリをインストールする

python -m venv venv
source venv/bin/activate

② requirements.txtの用意

browser-use
lxml
lxml-html-clean

③ ライブラリのインストール

pip install -r requirements.txt

④ .envファイルの用意

OPENAI_API_KEY=******
ANTHROPIC_API_KEY=******

⑤ Pythonスクリプト main.py 作成

from langchain_openai import ChatOpenAI
from browser_use import Agent
import asyncio

async def main():
    agent = Agent(
        task="Googleで最新の天気予報を調べてください",
        llm=ChatOpenAI(model="gpt-4o"),
    )
    result = await agent.run()
    print(result)

asyncio.run(main())

⑥ 実行
ブラウザが自動起動して検索を試みる様子が見ることができます。

python main.py

良いところ・悪いところ

良いところ

API非公開のWebサービスにも対応可能

例えば、銀行や特定のBtoBシステムなどは外部APIを用意していない場合が多々あります。それでも画面操作から自動化を行うことができます。

E2Eテストの自動化

ソフトウェア開発のテスト工程として、UIが意図した通り動くかどうかを確認するE2Eテストがあります。これをAI主導で実行できる可能性は大きく、継続的インテグレーション(CI)にも組み込めるポテンシャルを秘めています。

プロンプトがシンプルで使いやすい

Pythonコードを書かなくても、自然言語でやりたいことをある程度表現すればAIがタスクを分解してくれる。あるいは短いサンプルコードだけで動かせるため、従来のブラウザ自動化ツールより導入障壁が低いことが挙げられます。

悪いところ

動作が不安定のため意図しない操作のリスク

Youtubeの動画であるように、ボタンを押す段階で詰まるケースがありやや不安定な動作でした。そのため、人間の監視がないとログイン済みのブラウザを操作された際に誤操作でデータを消してしまう、あるいは個人情報を誤送信してしまうなどのリスクがゼロではありません。
ただし、ログインしていないセッションを使う場合には影響を最小化できます。

動作が遅い

各アクションごとにLLMへの問い合わせ(APIリクエスト)をするため、動作速度がネックになることがあります。高速化にはキャッシュを使う、モデルの切り替え(軽量モデルへの変更)などが必要。

APIコストがかかる

1アクションにつきモデルへの問い合わせが走るので、それだけ利用料金も嵩みます。ログを見ると、簡単な検索のみでも4ステップかかっており、これは4回APIリクエストがされたことを意味します。複雑な作業を毎日走らせる場合は、コスト面を考慮は必須になります。

今後の展望

速度改善とキャッシュ活用

動作が遅い原因は、ほとんどがLLMへの問い合わせになっています。画面に大きな変化がなければAPI呼び出しを省略するキャッシュ機能などで、今後のバージョンアップによる速度向上が期待できます。

より高度なAIとの連携

現状はGPT-4oなど限られたモデルに対応しているケースもありますが、GPT-o1や今後登場するGPT-o3と連携すれば、より複雑な操作や大規模データ解析ができるようになることが期待されます。

安全性の向上

「絶対にしてはいけない操作(例:クレジットカード情報の入力や退会手続きなど)」をあらかじめ禁止リストとして設定できれば、誤操作リスクを大幅に低減できます。こうした制御機能の搭載が進めばより利用されやすくなります。

さいごに

2025年トレンドのAIエージェント Browser Use を解説しました。Xで「Browser Useで完全自動化!」みたいな誇張したツイートも見かけますが、動作が不安定なので実際完全に自動化するのは難しいと思います。ただ、これが2024年末で出て来ているのなら2025年中にはさらに便利なOSSやツールが出てきそうな予感がします。

最後に宣伝になりますが、株式会社EGGHEADでは、製造業に特化した生成AIを活用した業務改善やシステム開発を行っています。
少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひ以下のお問い合わせフォームよりご連絡く
ださい。カジュアルな面談やお悩み相談も大歓迎です!

▼ お問い合わせフォーム
https://forms.gle/MXDVF9fbum87P8b66

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参考リンク


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