「シャーロック」のライバルたち

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 2013年春、『ハヤカワミステリマガジン』の「シャーロック」特集のために書いたもの。
 昨日アップした「現代アメリカのミステリドラマ変遷史」は1980年代から2000年頃までの概観でしたが、こちらは2013年現在における定点観測です。

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 かの名探偵シャーロック・ホームズを二十一世紀の現代に甦らせた傑作テレビドラマ「シャーロック」はまたたくまに英米で評判となり、日本でも歓呼の声で迎えられたのは、まことに喜ばしいことです。
 だがしかし、かつて、原作版のホームズが誕生したあと、そのライバルたらんと欲する名探偵たちが続々と登場したように、現代の英米テレビ界はまさに名探偵が群雄割拠する戦国時代であります。
 本稿では、そんな「シャーロックのライバル」であるテレビドラマの名探偵たちを一挙にご紹介していこうと思います。

1.「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」

「シャーロック」のアメリカ版として、放送前から話題となっていたのがこの番組「エレメンタリー」です。製作者側は「真似なんかしてない」つってますけど(笑)。

 舞台をロンドンからニューヨークに移し、ワトソンをアジア人女性(演じるは映画版「チャーリーズ・エンジェル」などでもお馴染みのルーシー・リュー)にしたところが本作最大の変更点です(ついでに、スコットランドヤードならぬニューヨーク市警の警部は、レストレードならぬグレグスン)。
 本作のシャーロック・ホームズは、麻薬中毒のリハビリのため、イギリスからアメリカに渡ってきたという設定。本人はすでに薬は抜けたと主張しているのですが、父親が監視役としてワトソンを雇ったため、二人の同居が始まる、ということになっています。
 一方、(ジョンならぬジェイン)ワトソンのほうは、優秀な医師だったのが、ミスで患者を死なせてしまい、医療から遠ざかったという設定で、ホームズと暮らすうち、彼女の閉ざされた心が段々と癒されていくことが暗示されています。ま、主に、変人ホームズの素っ頓狂な行動に、怒ってばかりなのですが。
 もう一つ、「シャーロック」と違うところは、原作のエピソードを使っていないところ。第一話から一貫して、ホームズとワトソンはまったく原作にはない事件を相手にすることになっているのです。
 ここまでやっちゃうと、さすがにもう、登場人物の名前とホームズの変人ぶり以外は、ほぼ原作とは別物と言ってもいいところが、評価が分かれるところでしょうか。

2.「パーセプション 天才教授の推理ノート」

 さて、変人探偵ということでいえば、今一番ホームズのライバルっぽいのが、「パーセプション」の主人公、ダニエル・ピアース教授です。
 パーセプションとは日本語で「認識」とか「知覚」という意味の言葉です。この作品では、毎回起こる事件を解く鍵が、そういう人間の脳や心の働きによって生じる認識の歪みやずれにあるのです。
 そして、その謎に挑むのが、大学教授で神経精神学者のダニエル・ピアースと、彼の元教え子のFBI捜査官ケイト・モレッティのコンビ。……なのですが、実はこのピアース教授、本人自体が統合失調症と偏執病の患者で、認識の歪みに悩まされていたのです。
 というわけで、本作の主人公は、日夜現実と妄想の狭間で悩みつつ、人の意識の歪みから生まれる事件を解決していくという、前代未聞の名探偵なのでした。
 なにせ、教授が毎回謎解きに行き詰まったときに相談する相手であるナタリーは、ピアース教授の妄想の産物だし、ときにはテレビのお天気お姉さんがヒントを語りかけてきてくれたり(する妄想を見たり)するのです。
 そして、作品が扱う謎の多くが、人間の「認識」なので、時として京極夏彦の『姑獲鳥の夏』みたいな大技トリックが繰り出されるところが、本作のウリの一つでしょう。
 基本的にマジメなミステリだし、教授本人にとっては深刻な状況なのですが、なんとなくほのぼのしたユーモアに包まれている作りが楽しい異色作です。

3.「CSI:科学捜査班」
 今さら説明するのもなんですが、「CSI:科学捜査班」は、アメリカ最大の歓楽街ラスベガスを舞台に、地元警察の鑑識班が最新の科学技術を駆使して、凶悪犯罪を解明していくというミステリドラマです。
 この作品は、2000年の秋から全米で放送が始まりました。シーズンが進むにつれて人気はうなぎ登りとなり、その勢いに乗じるように、2002年からは「CSI:マイアミ」、2004年からは「CSI:ニューヨーク」という2つのスピンオフ番組が始まり、それぞれに大成功を収めました。そして、これら「CSI」ファミリーの成功がきっかけとなり、アメリカのテレビドラマ界には「科学捜査もの」や「特殊捜査もの」がそれこそ雨後の竹の子のように次々と誕生、2000年代のアメリカテレビドラマの大きな潮流を作ったのでした。
 その人気の秘訣は、なんといっても「鑑識」という「物証による捜査」を前面に押し出した論理性と科学性にありました。法医学に関しては、八〇年代に「ドクター刑事クインシー」というヒット作もありましたが、今作は犯罪現場に残されたありとあらゆる物理的な証拠を元に、科学的に犯行を解明していくというスタイルのおもしろさが、視聴者をとらえたのです。
 私見ですが、そこには、まだ科学捜査が不十分だった時代に、個人的に科学的な捜査法を研究、実践していたホームズの探偵としての魅力と、重なるものがあるのではないでしょうか。

4.「BONES - 骨は語る -」
「CSI」以降ヒットした科学捜査ものの一本が、この「BONES」です。
 法医学者を主人公にした、死体を巡るミステリなので、科学捜査ものとしては先に挙げた「クインシー」はもちろんのこと、元祖法医学者探偵のソーンダイク教授や、スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー、はたまた大ベストセラーミステリの主人公である美人の女医さん、ケイ・スカーペッタの流れを汲む、古典的というか正統派の鑑識ものなのです。
  実はこのドラマ、原作というか原案があるんですけど、主人公の名前と職業以外はほとんど改変されてて、主人公が「ちょー」のつく変人になってるところがミソ。
 バツイチなのはともかく、テレビを持ちだそうとした元夫ごと、バットでテレビをぶん殴って壊して以来、テレビを持たない&見ないを徹底しているうえ、元々子供の頃からあまりテレビを見ない人だったため、世間の話題やテレビの話になると皆目ついていけなかったりします。
 しかも、学生時代から学問一辺倒の生活が良くなかったのか、他人の感情というものや世間の常識というものに疎く、論理的でないものは片っ端から否定してしまう悪いクセがあります。おかげで、行く先々で会った人達を相手にトラブルを引き起こすこと多し。
 てなわけで、マジメな死体の鑑識場面と、極端なキャラクターたちによるドタバタ場面との落差がウケている作品なのでした。

5.「クリミナル・マインド FBI行動分析課」
 プロファイリングという捜査方法は、元FBI捜査官であるロバート・K・レスラーの著書『FBI心理分析官』によって、広く一般に知られるようになりましたが、そのケスラーも所属していた、FBIの行動分析課のメンバーを主役に据えたのが、このドラマです。
 証拠を元に心理分析をおこない、犯人像を推定するのみならず、場合によっては次の犯行の予測までおこなおうという、プロファイリング独特の捜査方法が実に興味深い作品です。一つだけ難を言えば、いくらアメリカでも、毎週毎週違うシリアルキラーが現れるのはさすがにちょっと苦しい、というところでしょうか(笑)。
 チームものであるところは、「CSI」や「BONES」との共通点ですが、中でも目立っているのが、博士号を持つ天才キャラのスペンサー・リードくん。細身で長髪、いかにも優男っぽい外見、場の空気が全く読めないガリ勉秀才くんっぽい言動、やたらと生真面目な性格という極端なキャラに、視聴者のあいだでも女性ファンが急増、シリーズが進むにつれて、チームの中での存在感がどんどん増してきています。
 シャーロックも「BONES」の主人公ブレナン博士もそうですが、「美男美女なのに変人」というギャップが、名探偵の人気の秘訣なのかも。

6.「THE MENTALIST メンタリストの捜査ファイル」
 元詐欺師が主人公の探偵役という変わり種が本作品。この作品の主人公パトリック・ジェインは元サイキック(心霊術師)なのですが、本当に超能力を持っているわけではないのです。彼の能力は、するどい観察力と、人間心理についての深い洞察力。専門用語で言うところの「コールド・リーディング」という技を駆使して、巧みに依頼人の心理状態を読み取り、それに合わせて、さも心霊術が使えるように演じてみせる詐欺師だったのです。
 妻子を連続殺人犯に殺されたジェインは、サイキックの看板を下ろし、CBI(カリフォルニア州捜査局)のコンサルタントとなって、殺人事件の捜査に協力するようになります。いつか、妻子を殺した犯人を自分の手で捕まえる日が来ることを願いながら。
 と書くと、やたらとシリアスな作風のように思えますが、実際にはこのドラマ、かなりユーモラスにできています。その原因は何と言っても主人公の性格の悪さ。
 ホームズみたいな変人探偵はたいていの場合、天然な言動で周囲の人を困らせるわけですが、このジェイン氏ときたら、わざと相手が怒るようなことを言っては、その反応を見てにやにやしているのです。もちろんそれはコールド・リーディングの手法の一つなのですが、どう見てもそれ以上に本人が楽しんでいるとしか思えないのでした。
 でも、そんな人の悪さが視聴者に大いに受けて、彼は今アメリカテレビドラマの名探偵の中でも一、二を争う人気者なのです(笑)。

7.「ザ・フォロイング」
「クリミナル・マインド」、「メンタリスト」と、連続殺人犯を追うドラマを二本紹介しましたが、この「ザ・フォロイング」はそんなシリアルキラーねたドラマの最新作です。 その内容は、カリスマ的な連続殺人鬼が、逮捕されるも、獄中から自分のフォロワーたちと連絡を取り、彼らを洗脳して殺人鬼に変え、アメリカ全土にシリアルキラーのネットワークを張り巡らせていくのに、引退した元敏腕捜査官とFBIのスタッフが対決していく、というもの。
 なんせ一話目から惨殺死体のオンパレード、しかも、毎回、絶対に誰かが殺されてしまうという鬱展開(実はミステリドラマでは当たり前なのですが、それがこんなにイヤなことなのだ、ということを視聴者に再確認させてるとこがエグい)という強烈なスリラーです。
 でも一番恐いのは、誰も信用できないという不安感に覆われているところ。件の殺人鬼は10年近くかけて密かにフォロワーを増やし続け、あちこちに配置してきた、という設定なんで、数年前からの知り合いとかも皆怪しいのです。
 あきらかに、トマス・ハリスの『レッド・ドラゴン』や『羊たちの沈黙』といった、狂気の天才殺人鬼ハンニバル・レクターものの影響を色濃く受けているこの作品、アメリカではこの一月に放送が始まったばかりなのですが、すでに評判は上々で、今後の展開が期待されています。

8.「デクスター 警察官は殺人鬼」
 さて、ハンニバル・レクターといえば、今最も有名な想像上の殺人鬼といえるでしょう。
 もっとも、レクター博士はあまりにも悪の魅力に満ちすぎてて、どんなファンでも、はっきり言って敬して遠ざけたいと思っているのではないかとも思います。そばにいたら恐いですもんね。
 その点、「デクスター 警察官は殺人鬼」に登場する殺人鬼デクスター・モーガンは、ファンから愛されている癒されキャラな殺人鬼ナンバーワンまちがいなし。
 ハンサムで親切で人当たりが良い。しかも殺すのは警察が捕まえられない凶悪な殺人犯のみ。そして、昼間はマイアミ警察の鑑識官として働いている。こんなナイスガイな連続殺人鬼は、ちょっと他にはいません。
 もっとも、彼が人当たりが良いのは、自分には感情の起伏がないことを隠すために、他の人間の行動をシミュレートしてるからだし、殺人鬼しか殺さないのは、義理の父に「どうしても殺したいなら、社会のためにならない悪人を殺せ」と少年時代に諭されたからにすぎないのですが。
 しかも、ときどき彼の妄想が頭をもたげてきたりすると、そのとたんに「うわあ、やっぱこいつ狂ってる」と思わされちゃったりもするんですが、逆に言うと、その危ういバランスがたまらなくおもしろいドラマなのです。

9.「PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット」
 超高性能コンピュータが、近い将来起こりうる事件に関わるであろう人物を予測するという、SFっぽい設定なのが、今アメリカで大人気のこのドラマ。
 お話は、ニューヨークの片隅でひっそりと暮らす元CIAの凄腕エージェントであるリースに、謎の億万長者フィンチが接触するところから始まります。
 フィンチは、9.11同時多発テロのあと、政府の要請で、アメリカ国内のあらゆる監視装置から収集した情報を分析して将来のテロ攻撃を予測するコンピュータシステムを開発したのだとリースに語ります。ところが、このシステムは副次効果として、テロのみならずありとあらゆる犯罪の発生をも予測できることがわかったと言うのです。
 しかし政府はフィンチの発見にまったく興味を示さなかったため、彼は独自に犯罪を予防するため、リースを雇おうとしたのでした。
 かくして、犯罪を未然に防止する奇妙なコンビの活躍が始まるわけなのですが、このお話のミソは、どんな事件が起こるかはわからないこと。システムが教えてくれるのは、近い将来起こるであろう犯罪に関係する人物の、社会保障番号だけなのです。
 つまり、フィンチとリースには誰が犯罪に巻き込まれるかはわかっても、それがどんな犯罪で、いつ起こるのか、さらには、その人物が被害者なのか加害者なのかもわからないというわけです。
 この「いかなる犯罪が起こるのか」を解き明かそうとするのが毎回の謎になっていて、話がマンネリ化するのを防いでいるところがこのドラマのミソなのです。

10.「キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き」
 ここまで、基本的にはマジメなドラマをご紹介してきましたが、このへんで、肩の力を抜いて見ることができるお気楽な作品を一つ。
 というわけで、「キャッスル」は、ニューヨークを舞台に売れっ子ミステリ作家とニューヨーク市警の美人刑事が毎回難事件に挑むという、しゃれた雰囲気の作品です。なんというか、アメリカ版浅見光彦、みたいな?
 やたらと物知りで推理力抜群なれど、ちゃらちゃらと名士風をふかせがちな作家のキャッスルと、実はキャッスルの小説のファンだったのに、本人にしゃしゃり出てこられて迷惑顔のコワモテ美人女刑事ベケットの二人を中心に、父親のキャッスルとは似ても似つかないマジメな一人娘、キャッスル以上に生活が派手な彼の母といったメンバーによるドタバタが楽しい、「かるーい」都会派ミステリなのです。
 たまにジェイムズ・パタースンやマイクル・コナリーといったミステリ作家たちが、本人役で出てきてキャッスルとポーカーしてたりするというお遊びも、ミステリファンにはおいしいポイントでしょう。

11.「刑事ジョン・ルーサー」
 ここまでずっとアメリカのドラマをご紹介してきましたが、最後に二本、「シャーロック」と同じイギリス製のミステリドラマもご紹介しておきましょう。
「刑事ジョン・ルーサー」はイギリスものにはめずらしく、黒人刑事が主人公なのですが、この人のキャラがとにかく強烈。
 頭脳明晰にして人の心理を読む力に長けた名探偵ながら、強引で型破りな捜査方法が問題視されている異端の刑事で、とある事件で凶悪な連続誘拐殺人犯を殺しかけたという嫌疑を受け、半年間休職していたというトラブルメーカー。しかも、仕事にかまけて家庭を顧みなかったあげく、奥さんに出て行かれてしまい、精神的にとても不安定になってしまっているというおまけつき。
 そんなルーサーが、鋭い推理と大胆な行動で、毎回凶悪な犯罪者たちを追い詰めていく、というのが本筋なのですが、それと並行して、冷酷なサイコパス女、アリス・モーガンとの奇妙な関係も描かれていくのが、このシリーズのおもしろいところ。
 このアリス、十代で大学を卒業、天体物理学を研究する天才にして、強烈なナルシスト、他人の生き死にに無頓着な殺人鬼ながら、見た目は可憐とすら言える美女なのです。
 第一話終了時点では、ここからルーサーとアリスとの攻防戦が始まるのではないかと思わせるのですが、イギリスのミステリドラマがそんなわかりやすい展開をするはずはなく、あれよあれよというまに、定石から外れた予想外の方向に物語は進んでしまうのでした。
 何を言ってもネタバレになっちゃうので、とてもこれ以上は書けませんが、とにかく気になった人は続けて全話見て欲しい一本です。

12.「刑事ヴァランダー」
 ラストにご紹介する名探偵、いや、もしかすると迷探偵は、現代北欧ミステリを代表するシリーズの一つ、ヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダー警部シリーズです。
 主人公のヴァランダーは、奥さんと離婚して鬱々してるし、酔っ払いだし、泣き虫だしと、なんとも情けない、もとい、人間くさいおじさん。
 この、人間味溢れるおじさん刑事が、毎回、田舎町にはそぐわない凶悪な犯罪に立ち向かうのが、このシリーズの読みどころ。
 事件の背景には、現代のスウェーデンが、というより、現代社会が抱える問題が大きく影を落としているのですが、それを真正面から受け止めて、ヴァランダーが我々読者に代わって存分に嘆き節を聞かせてくれるところが、このやたらと暗い物語の、救いであり魅力でもあったりします。
 この作品、本国であるスウェーデンですでに二回もテレビドラマ化されているのですが、今回お勧めしたいのは、名優にして映画監督でもあるケネス・ブラナーがヴァランダーを演じるイギリス版。
 イギリスのドラマなんで、みんな英語でしゃべってるんですが、完全スウェーデンロケで、設定も含めて原作通りなところがすばらしいです。一話九十分なので、長い原作をかなり切り詰めてはいるのですが、だからこそ、主人公であるヴァランダーの捜査と彼の心情に焦点を絞った脚色と演出は「お見事」の一語に尽きます。
 ただし、原作とは物語の順番が全然違うので、原作ファンはちょっととまどうかも。

 てなわけで、我らがシャーロックくんのライバルたちを駆け足で紹介してきたわけですが、いかがだったでしょうか。ホームズに劣らぬ変人あり、ホームズ&ワトソンのコンビとは対照的な多人数チームあり、なかなかの多士済々ではありませんか。「シャーロック」で海外ミステリドラマにはまった皆さん、次はぜひ、これらの名探偵たちの活躍にも目を向けてあげてくださいね。

《後記》
 ここにあげたドラマは、昨年完結した「デクスター」と原作をほぼ消化しきった「ヴァランダー」以外は、今も継続中で、いずれも高い人気を誇っています。
「シャーロック」の成功が、それまでの「特殊捜査もの」と化学反応を起こしながら、「名探偵」もののブームを起こしつつあると言えなくもないでしょう。
 一方、今のアメリカのミステリドラマのもう一つの潮流が、シリアルキラーものです。
 ここにあげた「ザ・フォロイング」に加えて、かの名作映画「サイコ」の前日譚(なのに、時代設定は現代なのが謎な)「ベイツ・モーテル」、シリアルキラーの本家本元ハンニバル・レクターが主役の「ハンニバル」(こちらの時代設定は「レッド・ドラゴン」の数年前)が人気となっています。3本とも、テレビドラマとは思えないくらい強烈な殺人シーンが登場するのが特徴です。
 でも、今、一番人気急上昇中なのは、2013年秋から始まった、ハンニバル・レクターものの変形っぽい「ブラックリスト」です。これは、逃亡中だった伝説的な凶悪犯レイモンド・レディントンが、突然FBIに投降、FBIが隠し持つ未解決凶悪犯名簿(ブラックリスト)に記載されている凶悪犯たちの逮捕を手伝ってやろうと言い出す、というもの。ストーリーのおもしろさはもちろんですが、この凶悪犯レディントンを、往年の二枚目、ジェームズ・スペイダーが怪演しているのが人気の秘訣でしょうか。
 もちろん、ここではタイトル名にしか言及していないのですが、なんといっても「シャーロック」が一番人気なんですけどね(笑)。

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