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新メディア酔談「調査報道って何なのさ?」12月29日20時よりYouTubeLive配信

メディア酔談を再びスタートさせます!

2020年10月の配信を最後に、突然終了を宣言したメディア酔談。ありがたいことに再開を望む声をいただき、また自分としても途中でしかも唐突な終了となったことを残念に思っていました。
メディア酔談は相澤冬樹との高校時代の関係があって始めたものです。彼がNHKを辞めて自由に発言できるようになったことを受け、大きく変容するメディアが時代の変わり目だからこそ抱える課題を少しずつ俎板に乗せて議論してみよう。そして硬い話題だからこそ、飲みながらゆるゆるいい加減に話して多くのみなさんにも楽しんでもらおう。そんな考えでやっていました。
さらに、NHKについても話したかった。NHKには、特にガバナンス面で重要な課題がある。これについても少しずつ解きほぐして行きたかった。
その相手としても、相澤冬樹はぴったりハマっていた、と思っていました。でも信頼関係が壊れてしまった。
ただ、それは置いといても、私として続けたい場でした。メディアの変化はその後も加速しているし、NHKもいよいよ難しい状況にあります。メディア酔談の続きはやるべきではないか、なんとかしてやりたい。
その思いをようやく結実させる日が来ました。12月29日、新しいメディア酔談をスタートさせます。

再開第一回は、熊田安伸氏を迎えます

もう一度メディア酔談、との思いを抱えて一年以上過ぎました。再開するにしても誰とやればいいのか。そこが課題でした。
メディアの問題と言っても様々です。私は大きく言うと、テレビとネットの融合を自分が探求するテーマにしています。メディア酔談はそこをギュッとジャーナリズムに絞りたい。その上で、恒常的なテーマとしてNHKの在り方を考えていきたい。つまり、テレビがネットと融合していく時代に、ジャーナリズムはどうあればいいのか、そしてNHKはどんな形であればいいのか。それがメディア酔談のテーマです。
そんなテーマだからこそNHKの報道に関係する人がいいわけですが、NHKの局員がNHKのガバナンスも含めて顔出しで議論するのは無理です。
辞めた人は何人か知っていますが、なかなか適任はいない。実は一度、ごく最近NHKを辞めた方に話してみましたが、難しいなとなりました。
そこへ熊田安伸氏がNHKを辞めてSlowNewsという会社に移籍することが伝わってきました。
熊田氏は最近交流するようになった報道局の人で、5歳ほど下ですが、五十を過ぎたらまあ大体同世代です。昨年、私が主催するウェビナー↓に登壇してもらって、非常に共感できる人物だと感じました。

NHK報道で一通り経験した後で、ネットワーク報道部を率いてネットでの新しい報道スタイルを開拓してきた人物です。そんな熊田氏が、NHKを辞めたのは意外でしたが、SlowNewsにおそらくスカウトされての移籍はとても合点がいく話でした。
みなさんの中にはニュースアプリSmartNewsを使っている方がたくさんいるでしょう。SlowNewsはそのSmartNewsが調査報道コンテンツを伝えるメディアとして設立した会社です。メインのサービスは月1500円(+消費税)の定額で、結構な重みのある調査報道記事が読み放題というもの。その記事の編集者的なこと(コンテンツプロデューサーという肩書きだそうです)を担当しているそうです。
なるほどなあと。NHKのネットでの報道を開拓した熊田氏が、SlowNewsに移籍、というのはとても納得がいくものだと思いました。
そして辞めたのならメディア酔談どうよ?と持ちかけた次第。Facebookでこんなやりとりをしました。

これが10月の初めのこと。即快諾をもらったものの、具体的にどうしようかとダラダラしていたら12月になってしまったので、とりあえずやってみよう!とドタバタと準備しました。熊田さんには「一回やってみない?」と持ちかけて「ぜひぜひ!」と言ってくれただけなので、今後も継続的にパートナーとなってもらえるかはわかりません。それもこれも成り行き次第ということで。
熊田さんにプロフィール文をもらったので写真とともにご紹介しておきます。

熊田安伸氏の満面の笑顔

1967年生まれ、早稲田大学卒。90年NHK入局。沖縄局、報道局社会部で国税・外務・国会を担当し「公金」をテーマに調査報道。新潟局、仙台局では震災報道を指揮。06年、スクープの取材源をめぐって民事裁判で争い、最高裁が記者の取材源秘匿を認める初判断を示す。17年、NHKの公共メディア化のため設立された「ネットワーク報道部」で「ネットニュースアップ」「政治マガジン」「AIリポーターヨミ子」「NHK取材ノート」など新しい発信を開発・運営。21年8月にSlowNewsに移籍。コンテンツプロデューサーとして発信を続けるとともに、報道各社で調査報道の手法を教える講師を務める。 Nスペ「追跡 復興予算19兆円」でギャラクシー大賞など。「調査報告 日本道路公団」で芸術祭優秀賞。

テーマは「調査報道って何なのさ?」

SlowNewsはさっきも書いたように、調査報道のメディアです。それに携わる熊田さんと話すので、今回はその「調査報道」をテーマにしたいと思います。例によって私は既存メディアの報道にはいちいち疑いの目を持っています。調査報道が必要だというのはなんとなくはわかりますが、でもそもそも、調査報道って何なんでしょう。ストレートニュースではないやつ、ってことは知ってるけど、ストレートニュース以外全部が調査報道なの?
そしてネットに紙が押される今、調査報道の場がなくなるとの危機感を最近よく耳にします。ではなぜ、調査報道は必要なんでしょう。ストレートニュースだけではなぜダメなのか。今時は、各分野の専門家がブログを書いてたりするなら、何もその分野の素人である記者がわざわざ調べて、って本当に必要なのか?これまでで言う調査報道的なコンテンツは専門家に任せればいいじゃん、ってことも言えなくもない。
いや、でもかくかくしかじかで調査報道が、という話をしたい。
そんな話をしていると自然とSlowNewsの中身にも触れることになるでしょう。たまたまいいタイミングで、格好のコンテンツがSlowNewsに出ました。

森功さんの「最後のフィクサー 葛西敬之」というコンテンツで、最初が「NHK官邸支配の黒幕」という記事。熊田さんとメディア酔談を再開する準備をしてたらこれが出てきたなんて、絶好のタイミングだと思いました。
安倍菅政権の奥にいるのはこの葛西氏なのか。ここでなぜ「フィクサー」と呼ばれているのか。「官邸支配」と安倍菅政権はどんなメカニズムで繋がっていたのか。また私はずっと、杉田というもう老人と言っていい人物がなぜ安倍菅政権の官房副長官、つまり官僚の最高権力者として物事を差配していたのかが気になって仕方なかったのですが、そうしたことが全部書かれています。
メディア酔談を毎回見てくれていたような方にはきっと私同様、なるほどと得心してしまうコンテンツだと思います。
ああ、こんなことを調べてくれる人がいるのなら、調査報道は必要かもなあ。それくらい重厚な記事です。しまった、SLowNewsの宣伝の片棒担いじゃってる。ちょっと意地悪なことを言うと、これだけ読んですぐ退会しても十分元が取れますよ。

新メディア酔談第一回は29日20時スタートです。
※28日追記:配信URLができたので貼っておきます。このリンクをコピーしておいてくださいね!



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