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相澤冬樹が「やり直し」を決意をしました

メディア酔談を応援してくださっていたみなさんに、報告です。そして8月25日の「ヨルカラナンデス」視聴者のみなさま、プチ鹿島さん、ダースレイダーさん、ロフト9スタッフの方々もよかったら読んでください。相澤がしでかした一件の、その後のお話です。

「相澤がしでかした一件」については前回のnoteをご覧ください↓

簡単に書くと、「ヨルカラナンデス」というプチ鹿島さん、ダースレイダーさんによる有料の配信番組にゲストとして招かれた相澤冬樹が、Zoomで画面に出たらべろんべろんに酔っていて、そのまま潰れて寝てしまったという大失態です。

私は大いに腹を立て、もともと28日金曜日に東京に用事があり出てくると言っていたので、この日に会いたいと伝えました。用事は16時ごろ終わると言うので、17時に五反田の貸会議室に呼びだしました。

今回多くのみなさんが心配して連絡をくれたのですが、その中に相澤のドキュメンタリーを作っている久保田徹くん(ふだんこう呼んでいるのでそのままくん付けで書きます)もいました。28日に会うと伝えたら、ぼくも行っていいですか?と言います。うーん、さすがにしんどい場面になるからなあと悩みましたが、これまで良い場面も撮っていたのに都合の悪い場面を撮るなと言うのもおかしくね?と思ったのと、相澤が反省しているようなら「謝罪動画」を撮ろうと考えていたので、それも撮ってもらうのを条件に来てもらうことにしました。

相澤に会って、もちろん今回の失態をどうとらえているのか、どう反省しているのかを聞くつもりでした。そして私からこう言おうと思っていました。

「酒をやめてくれ」

これは必ずしもヨルカラナンデスのみなさんに許してもらうため、ではありません。相澤の飲み方が異常であることがはっきりしたからです。酔談も最初のうちは終わる頃に少し呂律が怪しいくらいでしたが、だんだん明らかに飲み過ぎになっていました。3月のスクープ以降は回を追うごとに飲み方が尋常じゃなくなっていた。大きな声を出したり机をドン!と叩いたり。配信後の飲み会でもすぐ寝てしまう始末。同行した人に失礼きわまりない。

飲み方がおかしい。そのことを冗談めかして言ってきましたが、今回はっきりしたのは、相澤は飲ませちゃいけなかったんです。酒の飲み方をいい年こいて間違っている。無茶な飲み方をするのがカッコいいと思っている。毎晩へべれけになる自分に酔っている。

30歳くらいを過ぎたら、自分で酔いをコントロールしながら酒を飲むべきだと私は考えています。クダ巻いて酔いつぶれる中年は本当にみっともない。ましてや我々は今年58歳です。馬鹿な飲み方をしてる場合じゃない。誰がどう見ても相澤は酒を断たなければならなかったのです。だから酒をやめろと言わねばならない。

その返答がもし「いやあ、何もやめなくてもいいだろう」そんなぬるい言い方だったら、もう相澤との関係はおしまいにしよう。酔談復活もなしだし、どんな思いで酒をやめろと言ってるかがわからないやつとは友だちは続けられない。そんな覚悟でした。

相澤は10分ほど遅れてやって来ました。ちょうど安倍首相の辞任会見の時間だったので私はそれを見ながら、このタイミングでの首相辞任にどこか象徴的な意味を感じていました。

やって来た相澤に、私は言うべきことを言いました。意外にも相澤も彼なりの覚悟を決めて来ていたようでした。私の言葉を率直に受けとめてくれました。うん、そうか、ちゃんと反省できている。自分に向き合おうとしている。最悪の事態も覚悟していた私は少し安心しました。そこに久保田くんが到着しました。

あ、だいたい話は終わっちゃったなあ。でも記録の意味でさっきの「対話」を撮影してもらいたいな。相澤もそう考えたようです。当初は久保田くんが撮りたいと言ったわけですが、むしろ我々のほうから望む形で撮影をしました。これをすぐに公開するのか、ずっとあとで久保田くんの作品の一部になるのか、そこはわからないけれど、とにかくさっきの対話を撮ってもらおう。

一回話した内容をもう一度話したのがこの映像です。でもトレースしたというより、あらためて言葉を噛みしめながら喋っています。そして相澤は二人だけで話した内容をほぼそのまま口にしました。重い部分もあったのでそこは言わないのだろうと思っていたら、本当に全部話しちゃった。その対話の動画をご覧ください。長いと思う方は飛ばし飛ばしでも十分かと思います。前後のテキストは私がつけたものです。

相澤が自分の病気のことまですべて話すので聞きながら驚いていました。そこまで言わなくてもよかったんじゃないか?でも彼はいずれ口にしなければならないと考えていたようです。ある意味、告白のいい機会になったのかもしれません。

動画の最後で久保田くんが「ちゃんと撮ります」と言って切れてるのは、私に頼まれた「謝罪動画」を撮らなきゃと考えてのことですね。ではお願いします、と正面からカメラを構える久保田くんに相澤は「ちょっと待ってて」としばし沈黙。これがけっこう長かった。5分くらい、いやもっと長かったかもしれません。言うことを整理していたのと、精神統一を図っていたのでしょう。

ようやく語りだしたのが、この映像です。こっちはそんなに長くはありませんが、やはり重たい謝罪となりました。

ここにある通り、相澤は何度か精神科医に行き、酒のことも含めて言うなれば「リハビリ」に取り組むことになりそうです。彼のほうからもその進捗については記事を出して報告していくつもりとのこと。とにかく「やり直し」をする意志を固めてくれたのでホッとしています。みなさんも行く末を見守ってもらえればありがたいです。

当初は謝罪動画だけを公開するつもりでしたが、続けて見てもらうといろんな意味でわかりやすいと考え、二つの動画を一度に公開することにしました。相澤本人や久保田くんとも相談の上、決めたことです。

動画の中で言ったように、私は彼がNHKの記者から本当の意味で脱皮することと「馬鹿みたいな酒の飲み方」をやめることとを結びつけて考えています。相澤も自身でそうとらえているようです。私は「報道」に携わる人たちの一部には、相澤に限らず無頼派を気取った酒の飲み方を肯定している人たちがいるのではないかと考えていました。

それを証明するかのようなことがありました。ツイッターでジャーナリストを名乗る人物が、プチ鹿島さんに対し、記者の仕事について「ヒリヒリする現場を潜り抜ける」から「魂を癒す時間も必要」なので「酒も呑む」ものだと言って来てたんです。相澤のことを大目に見てやってほしくて言って来たのでしょうけど、逆効果なのにとこっちがヒリヒリしました。

これだよ!と私は思いました。報道だか記者だかジャーナリストだかのみなさんの中にはこういう文化を持ち、荒くれた飲み方を肯定する人がいるんです。あくまで一部だと思いますよ。そういう人たちは、自分たちの仕事を神聖視するあまり、大人として間違った行為なのに荒くれた飲み方を「許される」と思い込んでいるのでしょう。でもそれは、クダ巻いて潰れる中年と同じようにみっともないのです。あなたがたが素晴らしい仕事をやっているのは認めてもいいですが、だからって酔っ払って迷惑をかけていい理由にはこれっぽちもならない。だって誰だって素晴らしい仕事をしているんですから。自分たちだけが尊い仕事をしているような物言いは、職業に貴賎をつけているのと同じです。

おそらくですが、記者の皆さんには反権力の矜持のような心性があり、だからアウトローとして振る舞いたいのでしょう。そんな頃は私にもありましたよ、若い頃に。みんなそこを卒業していきます。あるいは、記者だけでなく業界全体が「ヤクザを気取る」文化が80年代から90年代くらいまではありました。でも、21世紀になりリーマンショックが起こり、震災が起こり、そしてコロナ禍に至る間に他の業界人はみんなヤクザを気取るのをやめました。私もそのひとりだったりします。一部の報道の世界のみなさんだけじゃないでしょうか?いまだに自分たちの仕事は特別だと思い上がっているのは。そういうことがカッコいいと思い込んでる人は、どうしようもなくカッコ悪いんです。そろそろ気づいてください。

誤解のないよう書いておきますと、相澤の悪い飲み方とNHKや報道を結びつけちゃいましたが、私の知ってるNHKの知人友人たちにそんな人はひとりもいません。報道の世界、記者の世界でもそんな人は私は知らない。きっと主に先輩方なんじゃないでしょうか。先輩方の悪しき文化を相澤をはじめ一部の記者の人たちが受け継いでしまっているのではないかと、乱暴な推測をしています。

そんな時代とズレた文化と、相澤は決別することにしました。きっと生まれ変わると思います。たかだか一記者の人生なので、それが何か?でまったくかまいません。ただ、もう「あんなことしでかした相澤冬樹の記事を信用できるのか?」と考えなくて大丈夫です。あなたも相澤の改心を信じてあげてください。大勢が信じてくれれば、きっと早く立ち直ると思うので。

相澤のやり直しの進捗を見て、「メディア酔談」復活も検討したいと思います。もう「酔」談とは名乗れませんが。

追記:赤木雅子さんのコメント

このnoteを読んだ赤木雅子さんがこんなメッセージをくれました。みなさんにも読んでほしくて、公開するお許しを得たので紹介します。

note読ませていただきました。動画も改めて。
私はここ数ヶ月の間にたくさんの記者の方にお会いしました。TBSの金平さんからフリーの怪しい記者まで、そりゃあもうお化け屋敷に突然放り込まれたくらい恐怖の時間を今現在も体験しています。
その中でも相澤さんは群を抜いて相当な変わり者です。なのにでもやっぱり手記を相澤さんに託してよかったと思っています。
この先もずっとそう思えるように応援します。
なんで私が応援するんだろう?
まっでも人間らしくていいですね。迷ったり立ち止まったり。したたかに。
お気遣いありがとうございました。

相澤はなんという幸せ者かと思います。

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