坂井宏 / 株式会社坂井海苔店 取締役

株式会社坂井海苔店5代目後継予定。食品会社に勤務したのち家業に入る。海苔問屋が蓄積して…

坂井宏 / 株式会社坂井海苔店 取締役

株式会社坂井海苔店5代目後継予定。食品会社に勤務したのち家業に入る。海苔問屋が蓄積してきた見識といま想うことなどを発信していきます。 https://sakainori.com Instagramは@sakai_noriten(小売向け)@sakainoriten(プロ向け)

最近の記事

プレミアムな料理教室にて-海苔とチーズの可能性を探る-

今年の3月に、四間道レストランMATSUURAにて、南方直美先生が主宰する「ナオミ パンとクッキングサロン」の「プレミアムお料理教室」が開催されました。 <料理とチーズ・海苔の勉強が出来るスペシャルプログラム>として、料理・チーズ・海苔の各分野の専門家の話を聞きながら、おいしいコース料理を味わうというもので、僭越ながらプロの料理人から支持される海苔屋として海苔のお話をさせていただきました。 今回は、その教室で提供されたコース料理と、各料理に使われている海苔やチーズについてご

    • 和食のプロが見た海苔とは? 

      昨年の10月に名古屋観光ホテルの日本料理「呉竹」で行われた「第2回日本料理呉竹料理教室」に、坂井海苔店は協賛の機会を頂きました。 同ホテルの和食料理長兼「呉竹」料理長の永田功氏によるデモンストレーション講義の後に、豪華な特別メニューを頂く、満足度の高い料理教室でした。主催は「ナオミ パンとクッキングサロン(momの店)」を主宰する南方直美氏です。永田料理長は、弊社の海苔を使った海苔料理を何点かご考案されました。 後日、永田氏と南方氏と自分で教室を振り返りました。開催の主旨

      • 伊勢湾・三河湾は栄養塩の貯金箱。意見交換会その4

        【誰もが食べていた水産品が、珍味に】 鈴木:実は私もコウナゴが好きで、春の味覚として楽しみにしているのに全く獲れなくて残念です。   会長:私はアサリの天ぷらも好きでね。昔はよく食べていましたが、最近は作ってもらえるところが少なくて。大きいアサリが獲れなくて、天ぷらにできないそうです。   鈴木:伊勢湾・三河湾はおいしい魚の宝庫ですから、それが食べられなくなるというのは、本当に寂しいことです。   会長:生のアサリを串に刺して干した串あさり。炙って食べると美味いですが、今

        • 栄養不足が、今、海苔にとって最大の問題。意見交換会その3

          【栄養不足が、今、海苔にとって最大の問題】 司会:鈴木教授から、伊勢湾三河湾の現状の話をお願いします。   鈴木:今、海苔が抱える問題は3つあって、1つ目はやはり、水温がなかなか下がらないために漁期が縮小していること。2つ目は、年明けの冷蔵網の張り出し後、2月末頃から色落ちが起きて漁期が狭まること。この問題は、海の栄養不足が原因ですが、私は答えがあると話をしています。   そして3つ目が、食害の問題です。実は食害は海の栄養不足と表裏一体の話で、カモもクロダイもボラも昔は他

        プレミアムな料理教室にて-海苔とチーズの可能性を探る-

          このままでは海苔を売れなくなってしまう・・・!?意見交換会その2

          【このままでは海苔を売れなくなってしまう】 社長:生産者が減り続け、愛知県の令和4年度の経営体数は126ですが、統計によると1経営あたりの生産枚数と水揚げ高は20年前、30年前と比べると上がっています。つまり、海上は非常に空いていることになります。   作付面積や区画漁業権など問題もあると思いますが、それらを加味しながら、何とか生産量を増やす工夫を生産者のみなさんに考えていただければと。特に生産量が一番伸びる1月後半~2月前半に、より多くの海苔が採れることが理想です。  

          このままでは海苔を売れなくなってしまう・・・!?意見交換会その2

          美味しい海苔が育つ豊かな環境づくりのために何が必要か?意見交換会その1

          この夏、「伊勢湾・三河湾の海苔文化を未来へ繋げよう」をテーマに、〝美味しい海苔が育つ豊かな環境づくりのために何が必要か?″を、生産者・販売者・研究者のそれぞれの立場からお話していただく、意見交換会を開きました。 2時間半ほどの熱く、濃い意見交換会を、4回に分けて紹介します。  【参加者のプロフィールを紹介します】 鈴木輝明 氏 名城大学大学院総合学術研究科特任教授を務めていらっしゃる農学博士です。愛知県水産試験場の漁場環境研究部長時から教授職を兼務され、専門は赤潮や貧酸

          美味しい海苔が育つ豊かな環境づくりのために何が必要か?意見交換会その1

          特徴ある海苔を作る地元産地を輝かせ多くの料理人にその海苔を活用してもらいたい

          海苔は産地によって違いがあります。 坂井海苔店が取り扱う海苔も産地ごとに違いがあり、それを自分たちなりに評価をし、買い付ける海苔を厳選しているわけですが、この産地による海苔の違いをどう評価したらいいのかわからず、思い悩んでいた時期がありました。 今回は、自分たちが囚われていた考えや、坂井海苔店はどのように海苔を見てきたのか、産地による海苔の違いなどについてなどをお話したいと思います。 美味しくても〝いい海苔″ではない?! 以前の自分は、高級な美味しい海苔というと有明海の海

          特徴ある海苔を作る地元産地を輝かせ多くの料理人にその海苔を活用してもらいたい

          構想10年の価値体系をもとに、お客様に「喜んでもらえる海苔」を

          坂井海苔店のこと みなさま、はじめまして。愛知県名古屋市にある株式会社坂井海苔店の坂井宏と申します。 家業に入り、14年。海苔業界に身を置く中で、問屋として海苔をただ売っていればよかった時代ではなくなったと感じるようになりました。 海苔問屋という立ち位置で、何かできることはないのか?  事業領域の見直しを図り、行き着いたのは海や海苔のことを、海苔を食すみなさんたちへ広く発信していくことでした。noteへの投稿もその一環です。また、新たに始めたワークショップも、ご好評を

          構想10年の価値体系をもとに、お客様に「喜んでもらえる海苔」を