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PTA役員選考委員会の活動を改善した話

PTAの仕事が回ってきた

2人の子供が小学生です。この学校はそこそこでっかい小学校で児童数が1000人を超えます。そして「PTAの仕事」が回ってきます。ネットを調べればいっぱい記事が出てきますが、どうもPTAの仕事は嫌われるようです。かくいう私も「やらなくていいならやりたくない派」の人間です。

PTAとPTA役員選考委員会とは

きっと皆さんは元小学生だけど、今の時点で自分に子供がいない方にはPTAは得体の知れない組織じゃないでしょうか。「PTA 組織図」で検索するといろんな学校の組織図が出てきますが、だいたいこんな感じで構成されているかと思います。

PTA総会 (PTA会員全員が構成員)
└ 役員会 (会長、副会長、書記、会計などの役割)
└ 運営委員会 (役員、学校代表、各委員長などで構成)
└ 各委員会 (校外委員、広報委員などの委員会)

(この図だと上下関係とか包含関係が不明確ですが、大体のイメージで)

PTA役員選考委員会(学校によって呼び名は違うかもしれませんが)は、これらの図からは独立していて「翌年のPTA役員を選考する」というのが役割です。私の学校の選考委員は6人で構成されており、私はこの委員会の委員長になりました。

この活動で「劇的に改善した」と自分で言っても恥ずかしくないくらいの成果が出たので、何をしたかの記録を残すとともに、今現在あるいは将来PTA活動と関わる人のお役に立てたら嬉しいです。

どんな結果だったのか

前年: 9月から開始して、翌年2月に終了 (6ヶ月)
今年: 9月から開始して、同年12月に終了 (4ヶ月)。架電は10回以下。

先に大事なことを

これから私がやってきたことを書きます。これまでのやり方に「変化をもたらした」というストーリーですが、過去に関わってくださった方々や現体制に対して批判したい、文句を言いたい、わけではありません。むしろこれまでの体制の中では致し方ないことも多かったと思いますし、PTAの活動が維持できているのはありがたいことです。

また、「PTA活動は必要なのか?」のような議論も大事かもしれませんが、今回はスルーします。そんなことよりも目の前の選考を進めないとならない状況だったので。

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PTA役員選考の現状

「PTA 役員 選考」で検索した結果を見ていただければ大変さが伝わると思います。

「誰もやりたがらない」んです。やりたくないんです。そんな中で翌年の役員をやってくれる人を見つけるお仕事。

実際は現役員が全員入れ替わることは無く、「継続」してくれる (正確には翌年度の役員に立候補してくれる) ので、役員全ポジションの募集ではありません。

選考委員会の現状

委員長を引き受けた時点で私がもらった前年の活動内容をまとめると

- 2018年9月から活動開始
- PTA会員(つまり保護者)に「次期PTA役員の自薦・他薦の用紙」を配布、回収 → 自薦ゼロ
- 他薦および「やってくれそうな人」に「架電」開始
- 2019年2月に選考終了

約半年かけて「電話する」作戦... ツラくない?ツライよね。私は「電話したくない」って強く思いました。

その後、自分の中で課題と対策を整理しました。(というか、委員長を引き受ける時点で「ここじゃね?」という思いがあったのは事実)

新しい試みを提案した

まずは選考委員会のメンバーに私の思い(下記資料と同じ)を伝えた上で、PTA運営委員会(学校代表、現役員、各委員長があつまる場)に参加して「今年は選考委員の活動をこうやっていきたい」のプレゼンしてきました。スライド数枚。資料からいくつか抜粋します。

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↑そう。ここですよ。ここが一番大事なところ。

なんと言っても母数(PTA会員数)がでかい学校なので、PTA役員に「興味を持ってくれる人」あるいは「誰もいないならやってもいいかな...」と思ってくれる人は 絶対にいる って確信してました。

例年の問題点は「PTA役員選考に時間がかかること」です。これの原因として下記の仮説を立てました。

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この仮説が正しいとするとなら、こういう解決案がいいのでは?というのがこれです。

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簡単にまとめると「PTAのこと、PTA役員のことを知ってもらう」ことで「PTA役員をやってくれる人、やってもいい人」に出会いやすくする。そのための手段として「私が口頭でPTA会員に話をする場を設けてもらい、そこで話をする」を提案しました。(とはいえ、PTA会員が全員集まる場なんてそんなに無いし、どうしようかな、とは思っていた)

プレゼン後の場の雰囲気としては「そ、そうだね。やってみようか。」みたいな空気でした。(おそらくこういう場でわざわざプロジェクターを使ってプレゼンする人間自体が珍しい存在だったと思うので「なんか来たな」て感じだとは思いますが、想定内のこと)

その後、学校代表である教務主任の先生から「直接口頭で話しをするよりも、動画を作ってそれをクラスごとの保護者会などで流すのはどうか」という提案をいただきました。なるほど確かに、その手があったよね!ありがとうY先生!

動画プロット

ということで動画の作成に入ります。

動画のプロットをパワポで作成し、選考委員メンバーにレビューしてもらう、を何度か繰り返したあと、実際に「動画」を撮りました。

プロットはこんな感じ

■1) PTA活動って何?
→ 実際に目に見えるPTA活動とは何なのか?
→ それがどう子供 (や親や先生) のためになっているのか?

■2) PTAの組織と役割
→ 各役職のやってることの説明
→ 「PTA会員」は全員のことでありみんなPTA活動に関わってるのよね

■3) 選考について ★ここがメイン
→ 選考委員のお仕事の説明 (けっこう大変なのよね、は伝えたい)
→ ご協力よろしくおねがいします (もっとうまい表現にするけど)
→ つきましてはコチラまで連絡ください

動画の作成

動画の構成としては3パートに別れてまして

1. 学校の正門前で「これは何の動画なのか?」を私が語る動画
2. PTAの活動や役職の説明の動画 (スライドショーにナレーション入れる)
3. 正門前の動画に戻り、最後のお願いをする

一番のポイントは「伝えたい本人が顔を出して、自分の言葉でメッセージを伝えること」だと思ったんです。だから私が映るべきで、私自身が話すべきだと思ったんです。(プリント配布して文字で伝えるのでは効果がないと思った)

動画は公開できないのですが、こんな始まりでした。↓

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1,3パートは日曜に息子にカメラマンになってもらって、学校正門前まで行って録画してきた。車が通ったり飛行機が飛んでる音が入ってしまい何度か撮り直した)

2パートはパワポで作ったスライドを映しながらナレーションを入れていくスタイル。

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今後誰かのお役に立てるかもしれないので、動画の内容を箇条書きで載せておきます。

- 自己紹介と、何の動画なのかの解説を私が話す
- (以降パワポの画面で説明)
- PTAとは何のための組織なのか?(規約から引用)
- 具体的な活動として何をしているのか
- PTAの組織図、構成員の説明
- PTA役員の選考について
- 選考に関する課題と、今年の新しい取り組みの話
- PTA役員の声 (現役員から役員活動についてのメッセージをもらいました )
  - 活動の頻度、大変さ(主観だけどそれでいい)
  - メリット (繋がりが増える、視野が広がる、成長できる、などが挙がった)
- PTA役員の特典
- 現PTA会長からのメッセージ (熱い長文をもらったので、せっかくなのでそのまま掲載して読み上げた)
- 「ご協力お願いします」を私が話す

という動画を作成しました。(素材はデジタル一眼で撮った動画および、パワポで作ったスライドをキャプチャした画像。編集にはiMovieを使用。編集に凝り始めるとキリが無いので伝わればOKという判断で)

動画を見てもらう

動画を作っても見てもらえないと意味がないので、下記の2つの作戦で保護者にリーチしました。

リーチ作戦その1
授業参観後に「保護者会」があるタイミングがあったので、そこで各クラスごとにこの動画を流してもらいました。が、この保護者会への参加率は保護者の1/3以下なのでこれだけでは効果は薄いことは事前にわかってた。

リーチ作戦その2
全世帯にむけて「PTA役員選考のお知らせ」を配布。この配布自体は毎年行っていますが、ここに動画のQRコードを載せてスマホで見えるようにしておいた。

狙いとしては、学校から(正確にはPTAからですが) 配布されるプリントにQRコードがあることが珍しいと思うので、きっと「なんだろ?」って思ってもらえるだろうし、インパクトはあるのではないかと。

(今回の動画はmp4にしてGoogleDriveに置いて限定公開にしただけなので、実際にどれだけの閲覧数があったのかのデータは取れていない)

結果としてどうだったか

自薦が数名いました。いやホントありがたい!! (例年からみたら奇跡と言っていいレベルの出来事)

現PTA役員の協力は必須

自薦の方がいたらそれで完了かというとそんなことはなく、選考委員から電話をして本人とお話をする中で、動画やプリントでは伝わりにくい具体的なことについて知りたいというリクエストや、こういうところが不安なのだけれど、というコメントが当然出てきます。

選考委員会のメンバーは役員活動に関わっているわけではないのでこの質問に答えられません。こういう時は「現役員の○○さんから連絡してもらいますね」という形で繋ぐことがホント大事。○○さんにも電話をしてもらう前に候補者とどんな会話をしたかの情報を共有しておくのも大事。

自薦以外の「やってくれそうな人」

「次年度も継続する役員+自薦の方」だけで全てが充足できればよかったのですが、そうはいきませんでした。

次の策として「やってくれそうな人に一番早くたどり着くには」を考えたときに「リファラル」は強いなと。つまり、現役員からの推薦や紹介を受けた方に連絡を取りました。(配布されたプリントにより、誰でも「自薦」および「他薦」は可能) そうしたところ「やってもいいですよ」と言ってくれる確率がものすごく高かったです。

結果として、全ポジションの候補者が埋まるまでに、選考委員会から連絡を取った人数は10人以下でした。

まとめ

仮説
選考に時間がかかるのは、PTA活動、役員選考について知らないことが原因なのでは?

検証
PTA活動や役員選考について周知する (手段として「動画」を利用)

結果
完了までの時間が早くなった。よって仮説は「真である」と検証できた。

応用できるかも
これにより、同じような原因を持っているPTAであればこの対策が役に立つかも知れません。(認知してもらう手段として動画にするかどうかは別として)

応用できないかも
ただ、「みんなに周知はされているけどやってくれる人がいない」というPTAには効かない可能性が高いです。


以上、PTA役員選考委員会のお仕事について、上手くいったことを共有しました。皆さんのお役に立てたら嬉しいです。

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