欧州単一特許の検索（検索メモ）
欧州で長年議論されてきた欧州単一特許制度が、ようやく開始の時期を迎えています。
この記事は「欧州単一特許の検索方法」のメモです。
※制度そのものについては、ネット上にもわかりやすい解説記事が出ていますので、この記事では詳述しません。
欧州単一特許について知識を整理したい方は、下記リンク先の解説がおすすめです！（私もこちらの記事で勉強させて頂きました）
「検索方法」を理解するための最低限の基礎知識
「欧州単一特許制度」とは言っても、全く新しい出願～権利維持の手続きが創設されるわけではありません。
下図も創英国際特許法律事務所様の解説記事からの引用です。
ここで「調査をする時に最低限必要」なポイントは
・特許出願から公告までは従来通りEPOでの手続き
・特許発効手続きの段階で「単一特許 (Unitary Patent : UP)を指定」か、
「バリデーション（各国での手続き）」かを選択する
という点になります。
つまり･･･「単一特許を調べる」というのは
「特許公告の段階で、単一特許（UP）を選択した特許を調べる」と
言い換えることができます。
欧州単一特許（UP）を選択した特許を調べるには？
欧州特許庁の「European Patent Register」にUP検索機能が追加されました。なおEspacenetやEP BulletinはUP検索未対応です（2023-05-19時点）
こちらはEPOによる解説動画です
European Patent Register – Searching for Unitary Patents and the results list
以下、動画で紹介されている検索方法のポイント抜粋です。
検索項目はUnitary effect request date／Unitary effect registration date
ここで冒頭の「基礎知識」を振り返りましょう
UPは「特許公告までは従来通りEPOでの手続き」で
公告後に「単一特許（UP）指定か／各国での手続きか」を選択する制度です
EP Register の Advanced Search画面では
ページ中ほどより少し下に
・Unitary effect request date (単一特許の申請をした日)
・Unitary effect registration date (単一特許が登録された日)
の検索項目が追加されました
上記の検索欄では、日付検索の他に
yes (true) / no (false) の「あり・なし」検索が可能です
【検索例】
「バイエルが欧州単一特許の申請を行っている特許」
Smart search の場合
コマンド入力で検索します。
【検索例】
「バイエルが欧州単一特許の申請を行っている特許」をSmart searchで探す
EP Register / Smart searchの検索コマンド一覧表
「出願人＝pa 以外のコマンドを知りたい！」という方は
こちらのPDFファイルをどうぞ
opponent や appeal case no. など、Espacenetにはない検索項目もいくつかあります。上手に組み合わせるとちょっと面白い検索ができるかもですね！
結果の表示（EPOによるサンプル）
2023-05-19現在、上記で紹介した検索例は実際にはヒットせず
検索してもエラーが表示されます。
これは、まだ実データが揃っていないためと考えられます。
説明動画中での表示サンプルはこちらです。
Unitary Patentの場合、画像中ほどに表示が加わる予定とのこと。
拡大すると下記のようになります
おわりに
2023-05-19現在、実際の検索は無効（エラー）になってしまうのですが
もうしばらく経つと、Unitary Patentの申請をしたデータがちらほら出てくるのではないでしょうか。
上記サンプルデータの🔵青色の丸、クリックすると詳細情報が見れるらしい･･･という話もあって、私も「早く実際のデータで確認したいな」と、ちょっぴり楽しみにしています！
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