NSC卒業、芸人へ。

2021年4月。

NSCを卒業して、
晴れて吉本興業所属の芸人なった。

今後の計画は色々あるけれど、
とりあえず今回は
NSC生としての1年間を振り返りたい。

とにかくこの1年間は、
「あ、自分って特別じゃないんだ。」
と、改めて感じた1年間だったと思う。

NSCでの初めてのネタ見せで、
「とんでもない逸材が入ってきた」
と周りがざわつき、

NSC生としてのM1で
いきなり準決勝くらいまで行き、
世間がざわつく。

キングコング、オリエンタルラジオに次ぐ
スタートダッシュが切れると思ってた。


、、全くそんなことはなかった。

本当に有象無象の芸人を志す一人に
過ぎなかった。
なんならそん中でも優秀じゃない方だった。
天才と信じて4月に入学したが、
半年経たずして、
やはり自分は凡才なのだと
認めざるを得なかった。

ライブでは常に滑り続け、
ネタ中一回でもくすくす笑いが起きれば、
及第点と感じ、
大爆笑を起こすという感覚は全くわからない。
ネタ終わりは肩身が狭いから
相方と共にそそくさと楽屋を後にする。

いつかウケる日がくると信じるも、 
そのいつかは分からず、

新しい何かを閃く時がくると信じるも、
その何かはわからない。

解散も考えたし、
この道を諦めることを何度も考えた。

志してみて、その道に立ってみて、
改めて道の長さ・険しさを実感した。
そして、自分は憧れの舞台に立てる器ではないと
悟りかけていた。


しかし、3月。

NSC生として最後の月。
ライブに出続け、滑り続けて
1年が経とうとした月。

ある程度自信のあるネタができた。
(あくまでも僕ら基準。世間からしたら
全然そんなことない。)



ライブで初めて受けた。
大爆笑とはいかないが、
くすくす笑いではない、
ちゃんとした笑い声を初めて聞いた。

少しだけ安心した。
あ、僕らでも笑ってくれる人がいるんだ、
と思えた。

ほんの少しだけ光が見えた気がした。
とてもとても細く、まだまだずっと先にある
所からの光なのかもしれないけれど、
僅かながら光が見えた。

売れてない芸人でも笑いはとってるし、
何なら素人の人がm1にでても、
ある程度笑いをとれることもある。
たったそれだけで自信て、てなると思う。

ただ、僕たちはそれすらなかった。
笑いを知らなかった。
僕を勇気づけ、
もう少しだけ芸人頑張ってみようと思わせるには十分すぎる理由だった。

4月から、吉本興業1年目。
恥ずかしながら、一応プロとしてのキャリアが
スタートする。

僕は凡人だ。
天才ではない。

ただ、世間は
努力が実を結んだ凡才のことを天才と称すらしい。

じゃあ、天才になるまで、
頑張るしかない。


才能欲しいなあ。
降ってこないかなあ。

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