お笑い芸人を目指すきっかけ

僕がお笑いを好きになったのはいつからだろう。

とりあえずM1グランプリは2003年から見ていた記憶はある。

当時はずっと笑い飯さんが好きで、

なんで笑い飯優勝しないんだと、

M1グランプリを見るたびに嘆いていた。ただ、当時の僕はシンプルにお笑いが好きなだけだった。

中学くらいからはずっとアメフトのことを考えていたし、

正直大学でアメフト部を卒業するまではアメフト中心の生活だったと思う。

アメフト引退の後は就活で、

広告代理店に入りたい、キラキラした社会人生活送りたい、ということだけに集中していたと思う。

広告代理店に入ったらモてるとおもってた。

広告代理店にいざ入ってみたら、

そんなことはなく、周りのモてるやつのエピソードを指をくわえて聞いていた。

社会人を数年経験しながら思っていたのは、

あ、俺はこのままそこそこの人生で終わるんやろな、

ってことだった。

めっちゃモてるわけもなく、

かといって全く女に縁がないわけでもなく、そこそこの女性と恋愛して、そこそこの女性と結婚するんやろな、

って思ってた。それで十分やん、

いい会社に入って、ストレスもそこまでなく過ごせてる、これ以上何を望むねん、

と思う人もいるだろう。

しかし、僕はそこで満足できる性格でなく、

なんなら人よりモテたい、人に自慢したい、という気持ちが人一倍強かった。

(学生時代が女の子に縁がなさすぎたことも影響しているのかも知れない。)

いつからか、人生どこかで大きく変えないと、今後の人生跳ねないと思った。

人生を変えたいと思う人は多くいると思うが、その多くは起業という方向に進み出すと思う。

もちろん素晴らしい選択だと思うのだが、僕は一切それに魅力を感じなかった。

転職して、もっと大きな会社に、というのも少し考えたが、

そこまで情熱を注げる業界、職種も特になかった。

そうなった時にぼんやり浮かんだのが、

お笑い芸人なりたいな、

ということだった。

ただその時の感情は漠然としてて、

お笑い芸人なれたらいいけど、今の生活を全て捨ててまで目指すものか?

しかも目指したとて果たして成功するのか?みたいに、

あくまでも、なれたらいいな止まりで、冷静に考えたときに、なることを選ぶリスクの方が大きく、それ以上考えが進むことはなかった。

仕事を辞めてでも芸人になろう、

具体的に芸人になるための行動を起こそう、と思うきっかけは間違いなくM1グランプリ2018である。

2016.17と準優勝している和牛が大本命の大会。

僕も多分にもれず、和牛が優勝すると思ってたし、してほしいと思ってた。

ギャオで3回戦くらいからネタを見れるのだが、和牛含めて気になるコンビのネタはチェックしてたが、

なぜか霜降り明星、というコンビのネタは見ず嫌い?という表現が正しいのかわからないが、何の根拠もなく、なんか好きになれなさそう、と思い全く注目してなかった。

(なんとなく、せいや、のことだけは滑らない話で知ってて、テンション高い感じが合わないな、と思ってたので、おそらくそこから、霜降り明星を見なくなっていたのだろう)

M1グランプリ2018当日。

和牛の前の出番が霜降り明星。

僕はその時、そこまで期待をせず、

そのコンビのネタを見ようとしていた。

衝撃だった。

M1の会場の誰やねんこいつら感。

それを最初のボケの

「おいボラギノールのCMか」

で完全に切り裂いた。

こいつらおもろいやんけ。

一気に空気が変わる瞬間を僕は体験した。会場の受け具合から、あ、この人たち優勝するんかな、

と思ったし、純粋に面白かった。

僕の見ず嫌いは完全に間違っていたんだなと思いしらされた。

その勢いのまま、霜降り明星は優勝し、

その夜から彼らは完全にスターになった。これまでも面白い芸人はいくらでも見てきた。

それでも年が離れていたし、

自分とテレビの中の芸人、にはすごく距離があり、あまり現実的な距離感で捉えられてなかった。

ただ、霜降り明星は二人とも僕の一個上。ここまで距離が近い人たちがテレビの前で夢を叶えてる。

他人事とは思えなかった。

自分は何してるねん。

圧倒的な面白さを誇る一個上の人たちに僕は嫉妬を隠せなかった。

ただのお笑い好きの一視聴者から、 
お笑い芸人を目指す一凡人に。

転機になったのは間違いなくあの日だろう。

※敬称略なのは、お赦しください。。

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