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転生したら董白ちゃんだった件こと『董白伝〜魔王令嬢から始める三国志〜』の作者は三国志ファンに怒られたほうがいい


FGOの福袋で毎年オルジュナを引けないマスターの皆さんこんにちは!

同期作家兼マブが一年ぶりに新刊を出すということでnote更新しに来たどうも俺こと人間のクズです。
ちなみに俺は2年連続福袋で土方引いてます。ボケが。

それでどう?
歴史上の偉人をエロい女にしてエロい水着とか着せる最高のコンテンツ、今日も楽しんでる?


ちなみに俺は楽しんでる。

FGOで言うと一部7章が好き。というかなんならそれ以外まともにストーリー見てない。
なぜなら俺は永遠のSN厨だから……
UBWルートは俺の厨二心にずっと刻まれ続けているから…
でも奈須きのこ先生の最高傑作はDDDだと思っているから…


さておき、今日はそんな歴史改変系オタクコンテンツが好きな皆様にオススメのラノベがあるのさ

董白伝〜魔王令嬢から始める三国志〜 著/伊崎喬助 イラスト/カンザリン

1巻書影


それでまずこの表紙の美少女こと董白って誰なんだよ?

って話なんですけど、彼女はかのエグ鬼ドル箱歴史コンテンツ「三国志」に登場する悪役・董卓の孫娘らしい。


……………………いや誰やねん董卓。

知らん知らん知らん知らん!!!
オタクみんなに三国志知識があると思うな!!!!!

三國無双も3猛将伝の趙雲ストーリーだけちょろっとやったことある程度のオタクじゃい俺は!!!!!

そんな無知蒙昧たる俺たちの為にガガガ文庫のバトル編集サイボーグ・岩浅さんがあらすじ書いてくれてるぞ!やったね!

転生したのは――魔王の孫娘!? 

心を病んだ元商社マン、城川ささね。
謎の占い師に導かれるまま、中華街で三国志ガチャを回した彼は――意識をうしなった。

目覚めると、そこは別世界。
中華の香り漂う屋敷。列をなして傅く臣下。
そして……縮んだ身体。

「俺、幼女になってる!?」

しかも、ただの幼女じゃなかった。
三国志に悪名を轟かせる“魔王”董卓――その孫娘、董白に転生してしまったのだ!このままじゃ董卓と一緒に処刑されてしまう。

ささねは、元商社マンの経験と三国志オタクの知識を使って、生存戦略を図るが……?
呂布、曹操、劉備、馬超……。

煌めく英傑たちとの出会いが、中原に幼き魔王を誕生せしめる。
魔王令嬢が「史」を刻む覇道ファンタジー、堂々開幕!!
董白伝 ~魔王令嬢から始める三国志~ 1巻あらすじより抜粋


伊崎、お前疲れとるんか…?
心を病んだサラリーマン、幼女になってもうとるやないか……

とまれ、董白伝のあらすじはこんな感じ。

三国志時代、専横を極め魔王として恐れられた董卓。

しかし、絶大なる時の権力者は時代のうねりのなかで一族郎党処刑され、空位となった王座を賭け、次なる覇者にならんと英傑たちの戦いが始まる……ってのが大まかな三国志の導入らしい。

主人公が転生したのはその魔王・董卓でも、その他の英傑たちでもなく、文献にちょろっと名前が載ってるだけの歴史の脇役、董卓の孫娘・董白(歴史では董卓暗殺後、一族とともに処刑)だった……

勿論、董白自体に「董卓の孫」以上のバイオグラフィーはない。

武に長けるわけでも、知略に長けるわけでも、将を集めるカリスマがあるわけでもない。

ただ可愛いだけの…


いや可愛いなオイ!!!!!!!!!!!!

オイオイオイオイ、カンザリン先生の画力神か!?!?!?
オイオイオイオイ、可愛すぎだろ董白ちゃん!!!!!!!!!!!!!!

さーーーすがにこれは中原の魔王

こんだけ可愛ければ英傑も絆されるだろ劉備も曹操も孫権も推すだろ推しT来て推しのイベントに集まるだろ魏も呉も蜀も統一されて推し色のペンライト振ってるだろ

三国志 〜完〜

…とは悲しいかな、ならない。
なぜならザリン先生の神可愛いイラストをもってしても英傑たちの闘争への意志は止められないから。

信じれん…なんやねんこいつらキモ過ぎる…
もっと推しVtuberの話とかして仲良くしろ。
俺と伊崎はいつもにじさんじについて深夜に3時間くらい喋ってるというのに…

とまれ、武もなく知もなく将もない、ないない尽くしのなか、董白ちゃんは戦乱の世をサバイブしなくてはならない

なぜなら三国志における正しい歴史=董白ちゃんの死でもあるから

可哀想。誰だ俺たちの董白ちゃんをこんなふうにいじめる話書いたのは……許せねえよ……

おい伊崎お前のこと言っとんのやぞ反省しろ

こんな転生イヤすぎる転生モノ第1位(俺調べ)

この小説を読んでいて常に付き纏うのは「こんな世に転生したくね〜…」或いは、「こんな世に産まれなくてよかった〜…」とマジでコレ。

伊崎喬助という男の作家性は三国志を材に好き放題やるこの作品においても存分に振るわれていて、『じゃあ伊崎喬助の作家性isなに?』と問われればそれは『卓抜したストーリーテリング能力』ということになると思う。

魔王の娘(嫌われまくり政治的外敵存在しまくり命狙われまくり)に転生した主人公は史実通りに歴史が進めば自身が処刑されることを知っているので自分から歴史改変に挑み、破滅ルートを回避していく…

というのがこの董白伝のおおまかな筋で、主人公の武器は「三国志の歴史をそこそこ知っている」この一点のみ。

董白ちゃんはこの知識チート(というには些か環境が劣悪過ぎて分が悪い上に、史実との齟齬もある)で、庶民的に、あるいは現代的な思考で生き抜こうとする。

その手立ては常に地道というか地味というか、とにかく生き意地が汚い。
三国志世界は残酷で無常。
現代人がなんの力もなく生き残ろうとすればその手段はどうしたって泥臭くなるし、それさえ乱世を生き抜くには心許ない。

しかし、だからこそこの小説ならではの面白味に繋がってるとも言える。

三国志というハードな世界をまったくファンシーには描かず、むしろその過酷な世界になんの力も与えないまま平凡な人間を放り込んで、「さぁ、どうやって生き残んの!?」と問う。

そして、その問い対して常に爽快な回答を出して行く董白伝は掛け値無しに面白い『三国志モノ』
常に小狡く、大義もクソもなく、しかしてだからこそ逞しい董白ちゃんが現代人として乱世の武将たちを出し抜いていく様は痛快極まりない

ちなみに俺が董白ちゃんになったらすぐ死ぬ。
なぜなら俺には三国志知識がないから。

この董白伝一巻が発売される前、キャラ立てに悩んでいた伊崎に「劉備ってどんなイメージですか?」って聞かれて「緑っ!!!!!」って元気よく答えたら超バカにされた上にTwitterで晒された。
舐めとんのか。

さりとて三国志に疎い僕のような読者にも優しく書かれているのでわかりにくいところや、置いていかれそうな箇所も皆無。
コレって実は滅茶苦茶すごいことです。

一方、Twitterを見ると歴史マニアたちが董白伝を読んで当人達にしかわからぬところで作者である伊崎と目配せしているから(劉備が一番話し通じないヤクザなのは史実通り…などなど)、コレは三国志玄人読者にも面白い作品に仕上がってるのでしょう。

なんか書いててムカついてきたな…
なんやねんコイツ…
伊崎お前、俺に気を遣ってもうちょいつまんないもの書けよ、そして俺に見下させろよ…

呂布をNTR漫画の竿役みたいなキャラにした伊崎喬助の倫理観に俺は震えている


伊崎喬助の得意分野として多数のキャラを描き分けて、且つそのどれもが奇抜で魅力的という点があげられる。

なぜか史実とは違い女性の馬超、一見ただの優男にしか見えない劉備、ホストクラブのオーナーみたいな孫堅、陰キャの趙雲、そして関羽は……

ぶっちゃけどいつもこいつも「そういう味付けで来るの!?!?」となるラノベ的で奇抜なキャラ立てをしていてとにかく楽しい。

なかでも特筆すべきは一巻から絶対的なヴィランとして登場する呂布。

流石の俺でも呂布くらいは知ってるし色んな作品で色んな呂布を見てきたけどこんな呂布見たのは初めて。

だってこの呂布、NTR漫画の竿役みたいなチャラ男なんだもの。

おい伊崎、相手死んでるからってなにやってもいいわけじゃねえだろ
三国志ファンに怒られろ

いやでもね、聞いてください。

このチャラ男、この呂布、超強い。

超怖い。

超敵に回したくない。

バトルものにおいて『強者を強者としてどう描くか?』は常に書き手を悩ませる永遠の命題であり、最も工夫の面白いポイントでもあるけど、この呂布はある種の究極系。

義に厚くもなく、武の道を極めんとしているわけでもなさそう、女好きで、狡猾で、道徳心に欠け、人を人とも思わずヘラヘラ笑った数秒後には目の前の人間の首を刎ねる、そしてなによりも強い。というか強過ぎる。

強者が強者たる所以に、たゆまぬ自己研鑽や、立派な大義、そのほか綺麗な背景はいらない。
強いやつは生まれつき強いから強い。この呂布はそういう呂布。

こいつが董白伝における三国志世界の残酷さを一人で体現してしまっていると言ってもいいくらいに強烈な極悪役キャラとして物語をとにかく面白くしてくるし、「こんなやつどうやって倒すんだよ…」と絶望感も与えてくる。

究極の悪役(ヴィラン)・呂布 
VS 
なんの力もない可愛いだけの董白ちゃん


両陣営の壮絶な戦いは、董白伝における白眉です。
この呂布を見る為だけに董白伝を買ってもいいというくらい悪役として完成されてる。

もっと言うと、この2人のマッチアップは、「乱世における究極の武VS俺達現代人の生き意地の汚さ」の代理戦争でもある

そんなん面白いに決まってる

面白いから読んでくれ。結局俺から言えるのはそれだけ

三国志を知らないよ!っていう読者にも優しい、いわば三国志入門書的にも楽しめる一方で、マニア達もニヤリとさせる董白伝。

実はTS界隈の人達にも届いているようなのでその手の方々にもオススメできる作品でございます。

作家目線だと「うわぁ〜書くの大変そ〜…俺じゃなくてよかった〜…」以外の感想が本当にない。

  • 三国志初心者にわかりやすく、且つ三国志ファンを納得させるものを書く

  • TSモノとしてもちゃんと機能するように書く

  • 膨大な三国志キャラをラノベ的に味付けしながら料理する

  • 当時の歴史的背景など資料をしっかり集めてプロットを立てる

ざっと考えただけでこれだけ執筆難易度が高い要素が同居している作品をまとめ切る伊崎喬助の手腕には舌を巻かざるを得ない
俺には無理。一生こんな話書けません。呂布をエロ漫画の竿役みたいにもできません

実際、伊崎自身も毎回ひいひい言いながら書いてる
そのくせ俺が「董白伝のプロットそろそろ固めんでいいんすか?」って聞いても「は?お前編集か?」つって一生ダクソ3やっとった
お前は三国志ファンと岩浅さんにキレられろ

が!!!!!!

そんな伊崎の努力もあって『董白伝〜魔王令嬢から始める三国志〜』はコミカライズされ第一巻も発売中となっております!!!!!

うおおおお!!!すげええええ!!!!無望菜志先生の書く董白ちゃんも可愛いいいいいいい!!!!


更には原作最新5巻も6月発売!!!!!!!

読むなら今しかないぜ!!!!!
みんなも俺と一緒に董白ちゃんでブヒろう!!!
読まないやつは、打擲打擲〜〜〜〜!!!!!

てなわけで、伊崎さん新刊&コミカライズ一巻発売おめでと〜!!!!

それでは!!!!!!!!!!!

(※一部情報間違いのご指摘受けましたので修正致しました!)

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