一万もの案山子の虚言で私の耳は爛れた
堕胎した牛の子を貪るあの娘(こ)の目は死んでなかった
人形の首を吊り上げて下から覗き込んだ私は
そいつのはらわたがあんまりに赤いせいで着ていた着物を脱ぎ捨てた
穿った藁人形はそのままに
小分けにした呪いは今日も続く

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