俳句甲子園でいいな~~~ってなった句@20回,21回
0.注意
これは坂口がなんとなくいいな〜〜と思った句をただ羅列していくだけの記事です。
もしこの記事内で好きな句があれば、Twitterあるいはここのコメント欄に書いていただけると坂口はうれしいです。
その句の作者にとどけばもっとうれしいです。
1.なぜこれを書いたのか
またもや暇だったために俳甲のアーカイブを見ていたら好きな句がたくさんあったので備忘録的に。今回は前回(22回,24回)のときよりも句の数が多くなりました、すごくたのしいです。みなさんもアーカイブを見てみませんか。結果を見ると試合には負けてしまっているかもしれませんが、個人的に刺さる句がたくさんあると思います。是非。
2.俳句甲子園20回,21回
【21回】
草笛や夜に鉄塊となる電車/成田永遠希
草笛の川辺に櫂の干されけり/板尾真奈美
摩天楼仰ぎて蛇の身をよじる/岸多問
殺処分終え草笛の牛舎かな/綾香音
草笛や青空のある旅の果て/西村陽菜
草笛や空に一番近き墓/谷田晃介
草笛の青々として息熱し/上里匠
月光の胡瓜を捥いで水の国/松崎美夕香
よこたはる蛇より森のはじまりぬ/牛田大貴
胡瓜採るあまねく湾の照る日かな/牛田大貴
胡瓜とは水の曲がっている形/青木暢也
島の影消ゆる高さや草の笛/平岡良太
太陽の渇きを知らぬ胡瓜かな/小木曽都
噛み砕く胡瓜頭蓋に海のある/田原匠
墓石に母の重力ありて蛇/磯合竜弥
胡瓜一本置き去りの無縁墓/一関瑛貴
教はつてすぐ草笛を教えけり/折井森音
草笛や釘から錆びし跨線橋/萩野登理
蛇泳ぐいちまいの湖引つ張つて/坂戸里恵加
刃こぼれのごとくに蛇のひかりたる/横内毅
切り口に雨後のあかるさ加賀胡瓜/折井森音
胡瓜切るたび日輪の生まれけり/中井望賀
滴りや方舟に似てあなたの手/桃原康平
滴りや星それぞれにある呼吸/西村陽菜
滴りや億の微生物の祈り/軍司彩里
滴りの下はなひらくたなごころ/折井森音
滴りにひと色の石洗いけり/井口葉子
滴りや過ぎ去つてゆく鳥の声/茶屋梓
滴りや琉球は根の浮かぶ島/須藤凪斗
滴りを見てゐて雲の書きかはる/渡辺光
敷石を明るい水や水鉄砲/宇和島東高校
水鉄砲みずでっぽうの味の水/海城高校
青空に満ち干ありけり水鉄砲/名古屋高校
四等の水鉄砲の音がする/立教池袋高校
水鉄砲風ひとすぢを撃ち出しぬ/開成高校
トロッコの連結を剥ぐ残暑かな/横井来季
水平線描く残暑のカンバスへ/西村陽菜
がらと窓開けて残暑を落としけり/塩崎達也
秋暑し頚椎は陽に錆びついて/須藤凪斗
罅深き壁に聖母や秋暑し/菊池彪流
骸なほ翼あたらし草の花/大熊洸太
幼子の足にやはらか草の花/中原綾花
草の花飛び石のごと咲いてをり/青木暢也
鵙鳴くやキリトリの文字痛さうに/満田佳穂
割れさうなほどあをぞら鵙高音/渡辺光
ゴールデンウィーク清流線の旅/神足颯人
再会の町も清水も窶れをり/須藤凪斗
北斎の龍は飛び立つ山清水/西村陽菜
【20回】
居眠りをするやうに百合静かなり/向井亜美
居眠りの頭重たし百合の花/平岡良太
数式は光なりけり百合の花/笠屋佑輔
洗い髪星の匂ひの降りてくる/井原知恵理
遠浅の海のくらさよ髪洗ふ/佐々木良洋
カナリアを土に還しぬ大西日/向井亜美
葬列を飲み込んでゆく大西日/兵頭洸亮
原子炉の浅き眠りや大西日/出口綾夏
百合の花月光呑んだ白さかな/桑島知優
路上ライヴ近くに白百合の献花/柳澤悠佑
建てつけの悪き戸ばかり髪洗ふ/小林空
一握に夜の重さの洗ひ髪/柳澤悠佑
丑三つの闇に急かされ髪洗う/齋藤駿介
西日させば終はりだと思つてゐた/北口直敬
駄菓子屋の柱匂へる西日かな/瀬戸雅裕
黒板に海の詩書かれ大西日/柳澤悠佑
大西日が何処かに鳥を置いてきた/佐藤守
どくどくと鬼百合侵しゆく斑/仲保麻子
百合開く少しづつ壊れるために/戸澤優子
洗ひ髪夜の色ひとつ深まりぬ/善家匠
髪洗う排水口に流れる今日/宮下美羽
洗ひ髪に触れたし海を見ていたし/鎌田彩海
荷造りを終へて西日の残る部屋/西村陽菜
百合抱きて訛りの強き娘かな/播摩萌
白百合や叔母は新婦と今日呼ばれ/山崎佳音
百合の香や海見えてきて祖父の家/山下実梨
洗ひ髪夜空に遊ばれてゐるやう/佐藤百花
ぽつぽつと夜景の生まれ洗ひ髪/播摩萌
この街に何万の人髪洗ふ/清川祥太
髪洗ふ留学二日目の朝だ/宮坂一輝
大西日町に劇場無くなりぬ/山崎佳音
水葬を終へ静かなる大西日/石原尚昌
人びとも鳥も西日もみな帰る/清川祥太
白百合や玻璃震はせる鎮魂歌/宮野皓輝
西日なほ強くカレーの匂ひ濃し/山本帆紀
母もまた少女であった髪洗う/鷹島由季
少年の西日蹴りたる逆上がり/赤木佑実
きりぎしにぬるりと百合が立つてをり/岩井悠真
百合咲いて百合を忘れぬ水となる/三瀬未悠
髪洗ひまた人間に戻りけり/野口猛史
髪洗ふみづに溶かせる言葉かな/田村奏天
西日射す辞書に余白の少なくて/久米佑哉
抜け殻のやうに靴あり大西日/吉澤孝弥
大西日メスシリンダーより溢れ/武田歩
西日ごと海引いてくる大漁旗/藤澤拓也
山百合は夜明けの耳のつめたさに/筏井悠
エレベーター百合の柩として昇る/岩田奎
もう外があかるいカサブランカリリー/秋庭颯太
歩くたび風の生まるる洗ひ髪/森永紘加
洗ひ髪集いて民宿の食卓/山下真奈
耳打ちのさうして洗ひ髪と知る/岩田奎
西日映し湖となるピアノの蓋/中井望賀
デモ隊の千の眼が来る西日かな/筏井悠
角部屋に海ありあまる西日かな/山下真
脊椎はさびしき塔よ大西日/岩田奎
輪郭をはみだしている百合の白/松本ルミナ
髪洗う朝や希望を持て余す/猪瀬美夢
いつまでも製図の途中大西日/芳谷伊織
とくとくと心音生まれ百合の花/菅希理沙
百合の花揺れて微熱の視界かな/高橋綾
白百合や今日は明日を孕みたる/伊藤亜聞
人工衛星の孤独髪洗う/伊藤亜聞
鴎にはなれない少女髪洗う/馬越三奈
大西日河馬転がしてみたくなる/村上瑛
寡黙なる雄蟷螂をKと呼ぶ/渡邉一輝
蟷螂やみづうみはみづうみのいろ/山崎佳音
蟷螂は欲をはらんだまま眠る/安永嘉知子
愛されにゆく蟷螂の面がまへ/筏井悠
夕の庭蟷螂は兵士のごとく/村上瑛
うすあをき月のしたたる糸瓜かな/開成高校
ヘチマサヘタベルモノセンチュウニッキ/会津高校
研ぎ水の淡き光も獺祭忌/岩田奎
桃剥くや人類は白骨を秘す/伊藤亜聞
旅いつも雲に抜かれて大花野/岩田奎
戦争は祖父の眼裏大花野/伊藤亜聞
夕星の熱ほのかなる花野かな/筏井悠
隕石の穴の跡ある花野かな/村上瑛
桃香る字を丸く書く人だった/秀島由里子
桃食うて西の億万浄土かな/帖佐光皓
桃の皮むいて途切れる言葉かな/鍋倉悠那
秋郊やかつての家に知らぬシャツ/高山礼海
爆心地橋は無数の汗を覚え/秋庭颯太
心太窓から窓へ風抜けて/渡邉一輝
ランナーの万の心臓雲の峰/板倉健
月天心倉庫はあかあかと飢ゑて/筏井悠
寒からむ菊人形の心臓は/岩田奎
海底の絵に音のなき子規忌かな/佐藤守
流木に太き根のある子規忌かな/久米佑哉
合宿に髪洗ひあふ遊びかな/摂津梨央
計137句
引用元
俳句甲子園の歴史 https://haikukoushien.com/4996