前壁胎盤と逆子の関係

前壁胎盤と診断されています。逆子は回転しにくいですか?という質問を頂いたので考察していきます。

前壁胎盤の逆子に対して鍼灸を行った研究

ある研究では胎盤の位置も加味して、お灸をした時に逆子が回転したかを調べた研究があります。前壁胎盤の対象は13例で、そのうち回転しなかったのは1例でした。

つまり、お灸をして前壁胎盤の逆子が回転しない確率は7%です。

考察

鍼灸をして93%が回転するということは、そこまで影響しないのではないか?と考えます。その理由は2つあります。

  1. 前置胎盤や低置胎盤は回転しにくい

  2. 鍼灸で回転する

前置胎盤や低置胎盤は回転しにくい

これは様々な研究で発表されています。胎盤の位置と胎児の位置関係で回転しにくいこともわかっています。ですが、前壁で回転しにくいという研究はありません。すでに胎盤の位置(前置胎盤と低置胎盤)で胎児が回転しにくくなることは証明されています。なので、胎盤の位置(前壁胎盤と後壁胎盤)を調べる研究があってもおかしくないんですが、研究がないんだとしたら逆子に影響するという結果が出ないとされているんだと思います。
論文はためになると評価される研究でないとあまり評価されない傾向があるようです。なので、「逆子には前壁胎盤は影響しない」という論文を出すよりも「〇〇が影響している」という論文を出す方がいいと考えられているのかなと思います。

こんなことから、前壁胎盤でもそんなに影響がないのかなと感じます。

鍼灸で回転する

胎盤の位置関係が影響していても、鍼灸をすれば逆子は回転しやすくなります。つまり、鍼灸で変えられるものが影響していることになります。胎盤の位置は鍼灸では変えられないので、血流、ホルモン、筋肉、神経のバランスが回転に影響しているはずです。
もちろん胎盤との位置関係が回転に影響ないものであれば、逆子はより回転しやすいはずですが、前壁胎盤であっても鍼灸をして治りやすくなるので、前壁胎盤で逆子が回転しにくくなるとは言えないかなと思います。

まとめ

胎盤と胎児の位置関係で回転しにくくなることは証明されていて、実際に臨床でもそう言った傾向があるようです。前壁胎盤であることで回転しにくくなることももしかしたらあるかもしれないけど、前壁胎盤だと逆子は回転しにくいといえるほどではないかなと思います。

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