経穴と非経穴の効果の差

今回は逆子に関する論文を探していて、経穴と非経穴のお灸の効果を比べた研究を読みました。

表面温度が上昇した寒府穴(膝陽関)

寒府穴とも呼ばれている膝陽関とそこから2点同時空間弁別閾値よりもはなれた、非経穴部位にせんねん灸をしています。その結果は膝陽関の方が表面温度が上昇しました。

目の血流が良くなった光明

外丘、光明、陽輔、非経穴の4つで比べた研究でした。この研究では、光明だけが優位に目の血流が良くなりました。この研究ではデルマトーム、支配神経などを考慮して同じ伝達経路だからそれらによる違いはないとされていました。

ツボとツボでない場所の効果の差

先ほどの膝陽関の研究では、ツボとツボでない場所を比べてツボの方が効果がありましたが、目の研究ではツボ(外丘、陽輔)とツボでない場所に優位な差はありませんでした。

同じデルマトーム上、同じ支配神経であれば同じような反射が出ると思っていましたが、そうではないようです。ですが、人間の研究で難しいのは確定はできないことです。もしかしたら、光明部分だけが疲労しやすいだけで反射が起きやすいのかもしれないし、自律神経の影響であるならば研究の時間帯や刺激の順番などで変化が出てしまうからです。

今回は得気(いわゆるひびき)を強、中、弱で分けていますが、それらは患者さんの感覚であり数字で表すことができません。この研究ではそれによって研究結果が変わらなかったとされていますが、得気があれば効きやすいというのは研究がされていて周知の事実です。なのに、変化が出なかった理由なども研究されないと全てはわかりません。

考察

大事なことは、研究が出たからそれが全てではないということです。先日、つわりの原因はGDF15と言うホルモンだと発表されました。それ以外にも発見されることがあっても、それが影響しているホルモンだと言うことは変わらないはずです。そう言ったこと以外でも研究は発表されます。研究の方法でも全然信憑性が変わるし、研究が発表される学会によっても変わります。

最近では、エビデンスという言葉が一般に広がり根拠があるのかが重要視されるようになりました。その雰囲気で、研究があれば証明された効果という印象を受ける人が多くなったと思います。
ですが、研究が出たからそれが全てではなく、どうしてそんな結果になったのか、それがどれくらいの信頼性のある結果なのか、それをどのように臨床に活かすのかを考えながら施術していくべきと思います。


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