逆子の治りやすさに影響する因子
日本の論文
今回は逆子に関する日本の論文を読みそれをまとめ、最後に考えを述べます。
逆子の治りやすさに影響のある因子
母体体重の数値が高い
BMIの数値が高い
骨盤傾斜角が大きい
診断時平均EFBW(胎児推定体重)
BPD(気管支肺異形成症)
胎児付属物因子のうち臍帯長は非自己回転群で自己回転群に比して平均4cm短かった。
胎盤付着部位は非自己回転群で子宮角付着の頻度が明らかに高かった。
平均分娩週数は非自己回転群で有意に早かった。
治りやすさに影響しない因子
母体年齢
身長
分娩回数
骨盤の大きさ
胎位
羊水量
臍帯巻絡の有無
胎盤の厚み
平均出生児体重
に関しては自己回転群と非自己回転群で差を認めなかったとあります。
論文の結論
骨盤位における自己回転を抑制する因子としては,母体の肥満と大きい骨盤傾斜角,胎児が単殿位であること,週数に比して大きい胎児,短い臍帯長,子宮角付着胎盤であることが推察される。
と結論づけられていました。
考え
どんな論文でもそうですが、この研究結果が全てではありません。この論文では影響されないとされている母体の年齢や骨盤の大きさ、分娩回数が逆子の回転に影響する因子と結論づけている論文もあります。
特に分娩回数に関しては、多くの研究で影響があると結論づけていて、分娩回数の経験が多いほど回転しやすいとあります。僕が治療を介して統計をとっていて大きく影響していることがわかります。産めば産むほど逆子は治りやすくなっています。
今回は臍帯巻絡と逆子の関係を調べていて見つけた論文を紹介しました。
またあればご紹介します。
参考文献
早川陽子, et al. "骨盤位における胎位変換に影響する因子の臨床統計学的検討." 産婦人科の進歩 55.1 (2003): 11-17.
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