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草原あか牛「まなみ」

熊本から届いてすぐの「まなみ」を食べた。
硬い。とにかく硬い。食べれたもんじゃない。

熟成庫へ入れるも、脂が薄いのですぐに白カビがつき、肉まで浸透する。そしてこういう肉は腐敗のスピードが恐ろしく早い。

酸化を防ぐために、近江牛のチチカブ(牛のおっぱい)で背脂面をコーティングして様子を見ることに。

熟成庫に入れて、20日経ち、チチカブを外してみた。チチカブが良い仕事をしてくれると期待したが、それほどでもなかった。ただ、思っていた以上に背脂面は白カビが侵入していたが肉までいってなかった。ひとまず良かった。

まなみは、2008年1月23日に南阿蘇村東海大学実習センターの放牧地で、冬の寒い日に生まれた。

2016年2月に7度目のお産をした後、受胎が遅れ季節繁殖のサイクルから外れた為、2017年6月6日に草原牛prpject瀬の本Labへやって来た。

その年の7月には早速、女の子を南小国の牧野で自然分娩して以来、4頭の子牛を産んでくれた。11産目の後も足腰がしっかりしていて元気なのでなんとか受胎してほしいと思っていたが、一年以上経ってしまい、15歳になるこの冬に出荷することになった。

届いたまなみの肉は、脂が黄色く、草原にいたことがよく分かる。10年前のジビーフを思いだす。そして、手当てに失敗して、当時レカンの総料理長をしていた高良シェフに、しれーっと送って、バレたのを思いだした。

味見することなく、ヒレを洋食おがたさんへ送った。さっそく、友人から嬉しい言葉と写真が送られてきた。味見しなくても、ヒレはだいたいわかる。
 

問題はロースだ。これは食べないと分からない。宮本さん(antics Iocanda MIYAMOTO)に電話して、これ以上は引っ張れない、ギリギリですと伝えて送ることに。

宮本さんに食べてみた?と聞かれたので、いいえと応えると、一枚カットして食べてみてよ、と言われお言葉に甘えて焼いてみた。

か、硬い、、
でも、うまい。

どっちやねんと自分でツッコミながら、これが草原で育ったあか牛の味だと納得した。

サーロインは宮本さんへ、ヒレとリブロースは緒方さんへ。難しい肉であることは間違いないし、広く流通させなくてもいいが、それでもおいしさを追求したい。食べ手に果たして受け入れてもらえる肉なのか、これもまたいままでになかった新しい価値創造ではないか。

#antics Iocanda MIYAMOTO
#洋食おがた
#あか牛

ありがとうございます!