姿勢

僕はローストビーフをおいしいと思ったことがなくて、おそらくハムメーカーのものしか食べたことがないから、いや、そんなことはない、レストランでも何回か食べてます。でね、洋食おがたさんで食べたローストビーフが、もうね、言葉を失うくらいおいしくて感動したのです。まさかローストビーフで感動するなんて思ってもいなかったので、何日間も余韻に包まれて幸せでした。

さて、40年以上もうつむいて肉を切っているのが原因なのか、それとも猫背か、還暦過ぎてるので老化とか。すべてが重なってだと思うのですが、頚椎椎間板ヘルニアになって2年が経過しました。なんとか手術を回避しながらやってますが、現在は、痛みはなくなりましたが、腕の痺れがしつこくとれないですね。

座るときや歩くときなど、姿勢を意識しているのですが、いかんせん悪しき習慣が身についてしまっているので手強いですね。

知人がパリ行きの飛行機でコム・デ・ギャルソンの川久保怜さんと隣り合わせたとき、成田からパリまで睡眠も食事もとらず、きれいな姿勢でずっと本を読まれていたという話を聞いて、僕も新幹線で真似てみたのですが30秒しかもちませんでした。

肉を切るときも姿勢がいちばん大事です。最初に新人に指導するときも、まずは包丁の持ち方と姿勢です。おそらく、どのような仕事でもスポーツでも、すべての基本は姿勢だと思うのです。
　
新人も慣れてくると最初に教えた姿勢が崩れています。そうだな、10人いれば9人はダメな姿勢になっています。その姿勢でも肉は切れるのですが、肉は繊維の集合体なので、微妙な角度でテクスチャーに影響するのです。

あと、話を聞くときの姿勢、手の組み方、返事、このあたりも若い子には教育できても、40超えた人には、いまさらでしょう。身についているので性格変えるぐらいの勢いがないと、直らないです。

どちらにしても、長く仕事をするためには姿勢を正さないと、僕のように故障ばかりしますよ、というお話でした。