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栄町の人口減は止められるのか?

2024年4月に発表された「人口戦略会議」の報告書で、千葉県内22市町が2020年から50年の間に若年女性が半分以下に減ることが指摘されました。その中に、人口2万人弱の我が町、栄町が見事にランクインしました。

栄町の住民からすれば「やっぱりな」という感じです。明らかに町の中には空き家が増えていますし、ここ数年で、急速に高齢者の姿が目立つようになりました。

一方で、若い家族や子ども姿は、年々、見かける機会が少なくなっています。お隣の成田市や印西市に比べれば、明らかに活気がなくなっているのは、住民だれしも気づいていることだと思います。

栄町の統計データを見ても、令和5年にはついに2万人の人口を割ってしまい、人口減には歯止めがかからなくなっている状況です。

人口が減ると町の活気がなくなるだけではなく、住民税による税収が減ってしまい、今まで以上に町の財政が厳しくなります。公共サービスの削減や高騰がすすみ、小学校も統廃合されて、さらに栄町に移住してくる若い家族が少なくなります。そう遠くない未来に、町内のバスの運行本数も減らされて、町の衰退は一気に加速していくことが予想されます。

「人口が減る」というのは、それだけ、町の将来に暗い影を落とす、重大問題だったりするわけです。

栄町の魅力を栄町で発信しても意味がない

では、栄町の人口を増やすことは可能なのでしょうか?

結論から言えば「可能」だと思います。
まず、お隣の成田市と印西市の土地の価格が上昇していることが理由として挙げられます。両市とも財政が非常に豊かで、人口が右肩上がりで増え続けているため、坪単価が50~70万円と、地方都市の不動産価格としては、信じられないぐらいの勢いで地価が高騰しています。

そうなると、必ずその高騰する不動産価格についていけなくなる住民が出てくるはずです。「成田市に住みたいけど、ちょっと無理だな」という若い世帯の受け皿になるのが、栄町になります。

栄町の不動産価格は10~15万円と、成田市や印西市と比較しても6分の1程度です。駐車場付きで、物件によっては2台の車を停められることから、共働きの若い世帯にとったら、非常に魅力的な物件が栄町には多数あります。

この土地の安さをもっと前面に打ち出せば、成田市や印西市からの移住者を増やすことが可能になり、人口減に歯止めをかけることが可能になります。

しかし、現状、栄町はその魅力をうまく打ち出せず、成田市や印西市からの移住者を効率よく獲得することができていません。

交通の便だけでいえば、成田市や印西市よりも住みよい町と言えます。成田空港に近く、高速道路のICにも近く、JRや京成のさまざまな駅へのアプローチが可能です。成田市の三里塚や芝山町と比べても、空港周辺の渋滞に巻き込まれないことは、栄町の大きなアドバンテージといえます。

美味しい農作物も多数あり、あまり知られていませんが、栄町の布鎌地区は、千葉県でも屈指の米どころと言えます。少し車を走らせば印旛沼、利根川などの自然にもほどよく囲まれており、交通の便の良さと自然の豊かさがこれほどバランスよく取れている町は、北総エリアの自治体の中でも屈指と言えます。

これらの栄町の魅力を、もっと成田市や印西市でアピールするべきだと思います。不動産会社やリフォーム会社と協力して、栄町の近隣の市町村で移住フェアを開催することも、移住者の増加につながると思います。地味な取り組みですが、栄町の物件を紹介する折込チラシを、近隣の自治体に配布することも、有益な移住推進策になると思います。

また、ふるさと納税のユニークな取り組みを通じて、栄町をメディアでアピールしたり、河川を利用したレジャーイベントを開催して、成田市や印西市の若い家族に、栄町に少しでも良い印象を持ってもらうことが、将来の移住者を増やすきっかけづくりになるのではないかと思います。

行政が町民の満足度に対して、全力を尽くすことは致し方ないことだとは思いますが、人口が減ってしまったら、身も蓋もありません。町外に向けて、「栄町はとっても住みやすい町ですよ」というアピールをすることにも力を入れることも、今後の町政の取り組みとして、重要になっていくのではないかと思います。






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