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詩『蛹星』

永く生きてあればきっと ふやり離れてくのだろう
目をぎゅっとつむる
幾光年を泳ぐ蛙 そのさいごの色をおもって
うつわは焼き上がる
生まれたからには蝶になりたいだなんて考えてしまうよ
皮膚はまだ柔らか
生まれたからには蝶になりたいだなんて考えてしまうよ
皮膚はまだ柔らか
表面張力が打ち負けて ぷるんと溢れてくる歌
思わず本をとじる
冷たさに滲む涙 朝を肺いっぱいに
頂に挑もう君と
頬は解けやすいから 唇が近づくから
そっと、、、そっと
私と世界を結んでも 余る端の不恰好が
どうしても気になる
だけど織目の向こう 息を呑むほどに
きれいであたたかい
息を呑むほどに 綺麗な紫と
かわいらしい夜
生まれたからには蝶になりたいだなんて考えてしまうよ
生まれたからには蝶になりたいだなんて考えてしまうよ
永く生きてあればきっと唇が近づくからきれいであたたかいうつわは焼き上がるどうしても気になる皮膚はまだ柔らか 皮膚はまだ……
永く生きてあればきっと ふやり離れてくのだろう
目をぎゅっとつむる

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