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読んだそばから忘れる

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毒にも薬にもならない読書の記録。
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2020年10月の記事一覧

図書館と絵本、頭の中はトイレでいっぱいの日々:『あんぱんジャムパンクリームパン』

住む家や行き場のない人たちにとって、書店や図書館は、入場料も身分証明書もなしに入ることができて、好きなだけ時間を過ごせる場所だ。物質的な「必要」を満たすだけではない役割が、書店や図書館にはある。(牟田都子による「あとがき1」より) コロナ禍の様々な自粛や休業の中で、特に痛手だったのが図書館の休館だった。不特定多数の人が出入りする場所でいろんな人が本を手にとっては戻す。誰でも使える検索システムだってある。そういう場所だから、休館するのも仕方ない。でも、これが地味に私の心をむし

誰かの世界を肯定するために生きているのではないということ

付き合いの浅い人と話していると、思いのほか「意外」と言われることが多くて驚いてしまう。年齢、性別、外見、職業、家族構成、血液型、趣味や好み。AだけどB。CなのにD。一体このやりとりはなんなのだろうと頭の片隅で考えながら、「意外だね~」なんて言われる度に「なんて答えたら斬新かな」などとふざけ心が疼きだす。 たぶん、いや本当のところは知らないけど、おそらく「そうかな~へへ」と軽く照れる感じで笑うのがいいんだろうな。「そうなの!私ってこんなに意外なの」と得意げになって「他にもこん