好きな男に彼氏がいた話

タイトルから入ってくださった方に申し訳ないなあと思うんですけど、正直これ、私以外には「あんまり衝撃的じゃないなあ」って感じの話だと思うんですよ。

だって私が好きな男は小説の中のひとなんです。いや、だからってショックじゃないわけじゃないですよ。ショックだからこうしてnoteを書いてるわけですから。

私、夢女なんですよ。しかも腐女子も併発してるタイプなんですよ。

で、ここからが本題なんですが、私の好きなひとが出てくる作品っていうのが、まあ、腐女子がたくさんいるジャンルで、夢女って見たことないぐらいのところなんです。いや私みたいにこっそりやってる夢女がいるかもしれないですけど、少なくとも私は私以外にそのジャンルで夢女はみたことないです。

でも私はその人が好きで、小説の投稿こそまだでしたけどめちゃめちゃ夢主の設定とか二人の関係性をごりごりに固めてたし、書きたい話の下書きは8割できてたし、書きたいネタはめちゃめちゃあったし、なんならお推しカプすごろくもやりましたし、その議事録もありますし、すごく楽しく創作してたんです。

で、事が起こったのは最新巻です。私は表紙の絵にその人がいることに舞い上がって私の夢女事情を知ってる友達に鬼ラインをしたあとでドキドキしながら読み始めたんです。あわよくば好きな人の解釈が深まればいいな〜と思って。

最初は良かったんです。いやほんともう、めちゃめちゃ可愛くて「そういうとこ好きやで」と思って読んでたんです。でも中盤に差し掛かったくらいで、急に、ほんとに急に、落し穴にハマったみたいに急に「彼氏がいる」ということが明らかになったんです。私にとっては天変地異みたいな出来事でした。

その時の私の気持ちとしては「そんなの今まで匂わせてもこなかったやんけ」です。

暴力的なまでの「は??????」という感情です。

言い訳のようになりますが本当に、彼に彼氏がいるということもゲイであることも今まで匂わせても来なかったんです。いや、彼女がいるという話はちらっと出てました。でも、彼の精神構造と過去から考えてそれは嘘か、または、彼は有名人かつ顔がいいので「彼女を名乗る迷惑なファン」のことを冗談で言ったのかのどちらかだろうと解釈していたので別にそこまで気にしていませんでしたし、実際彼女の存在は嘘でした。

そこまでは良かったんですよ。「やっぱ嘘だったわ!!!!!」ぐらいのテンションでした。解釈一致ひゃっほーうでしたよ。

でもねそこで急に「彼氏がいる」という話になったんですよ。いや、は???????

もうそれしか言えない。

そのときは本当に心臓がバクバクしてめまいのような感じがして、どっと汗がでて、喉がカラカラで、人間てほんとにこんな感じになるんだなという感じでした。今思い出しても驚きです。

ここで弁明をさせてもらえるなら言いたいのは、私は彼に恋人がいるのが嫌なわけじゃないんです。ほんとに、失恋したって話をしたいだけなんです。失恋、というか、私の愛し方というか、推し方の話ですね。

まず私にとって彼は、謎が多いけど優しいひとです。彼はめちゃめちゃ辛いことを背負ってきたけどそれを誰かと共有してくれないからせめて誰かが彼の安心できる場所になってくれたらいいなと思って作ったのが夢主でした。

この夢主は女性で、私そのものではないけど、彼の傍にいられる私でした。多分。今本当に混乱してて、気持ちがぐちゃぐちゃでよくわかりませんが、でも多分そうです。

わたしが悲しかったのは、彼の恋愛観や恋人の立場の解釈が本編と概ね一致していたことです。これは「お前パクったんとちゃうやろな????」みたいな話をしているわけではなく、実際そんなこと微塵も思っていません。

わたしが思っているのは「彼のことを概ね理解できていたのに、私の彼の愛し方は間違っている」と公式に明言されたような気がしてとてもつらいということです。そこはお前がいていい場所じゃないとはっきり明言されたような気がするということなんです。それがとても辛いんです。言語化することが難しいのですが、大体そんな感じだと思います。

もちろんこんなことは私の妄想で、そんなこと誰も言ってないし、思ってないだろうとわかっています。でもめちゃめちゃキツイんです。わかってもらえないかもしれませんが。

同時に、私は推しであり、好きな人である彼の幸せをこんなに祝えない人間であったことが本当に辛くて辛くてたまりません。

私が夢女をしていたのは、私が勝手に解釈こねくりまわして先走っていただけのことです。だから作品にはなんの否もありません。

でも私は彼が好きでした。だから今回とても辛くて、「こんなふうになりたくて最新巻買ったんじゃないよ」と思ってしまいました。それがとても嫌です。

私は彼に幸せになってほしくて、創作をしていたつもりでいたのに、私はどこかで彼は公式では幸せになれない人だと思っていたのだと思います。そんな嫌な自分と向き合ってしまったのが辛くてたまりません。

そしていざ彼が幸せに一歩踏み出したらそれをここまで嫌がるような最悪の人間だったことが本当に嫌でたまりません。ほんとうに私は自分勝手な人間なのです。

最新巻の終わり方は、本当に綺麗でした。みんな各々の信じる良い方向に歩き出せて、本当に良かったと思います。

だからこそ、私はこの話の、彼の終わり方を手放しで喜べない自分は、この作品のファンでいるのは相応しくないと思いました。

だから私はこの作品から離れようと思います。まだこの小説は完結していませんが、私は彼の行く末を見届ける覚悟がありません。心が折れてしまったようにも思います。こんな素敵な作品を、こんなふうに思う私は本当に最悪の人間です。だからもうやめるべきなのだと思います。

そしてやめるための一つの区切りとして、私はとりあえず彼と夢主の話を書いてしまおうと思っています。これは私のけじめです。私の中の彼と夢主を私から切り離すためのものです。自分用に本にもするかもしれません。わかりません。その前に心がぶち折れて再起不能になるかもしれません。でも今は、私が彼を好きだった形を何かしら残しておきたいと思っています。

語弊があるかもしれないので補足すると、彼のことを嫌いになったわけじゃありません。でもこのままいると確実に嫌いになりますし、黒歴史になります。だからこそ、好きだったことを忘れないようにしたいのです。素敵な思い出になるかはともかく、あのときめちゃめちゃ楽しく夢女してたな、と思えるようになったらいいなと思うのです。

それで心が整理できたら、また戻ってこれるかもしれません。彼らの幸せを純粋に祝える人間になれるかもしれません。逆に、もう絶対に無理だと思ってしまうかもしれませんが。でもとりあえず今は無理です。マジで無理です。だから気持ちを整理したいと思っています。

自己満足で自分勝手ですが、それが私の愛なのだとおもいます。めちゃめちゃ重いですね。我ながら最悪です。


というわけで、私の失恋についてはここで終わりです。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

今最新巻読み終えて一晩明けた状態で書いているので、まだメンタルもぐちゃぐちゃで全然頭の中の整理もされていないので文もとても読みづらいとおもいます。それでも友人と話したおかげで直後よりはマシになっているんじゃないかなあとも思います。友人とのラインを見返すと私はほとんど「無理」しか言ってなくてちょっと笑えます。

友人にはとても感謝しています。とてもいい子なのです。まだしばらく迷惑をかけそうなのが申し訳ないです。

そして最後に、彼の幸せを祈念しておきます。そして彼の周りの人々と、執筆されている先生、表紙イラストを書いてくださるイラストレーターの先生が順風満帆でありますように。


好きだった人へ。あなたのことが本当に好きでした。いつか私があなたを応援できるようになったら会いましょう。さようなら。

とりあえず今日は酒を飲みます。おすすめの酒あったら教えて下さい。やってられませんわこんなん。


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