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カヴァー・アルバムが好き! 3 『アマルコルド』


わたしが 学生だった頃 学校の帰りにジャケ買いした記憶がある

レコードである
CDの再発は まだらしい

ニーノ・ロータのトリビュートアルバムだが 『ゴッドファーザー』『ロミオとジュリエット』『太陽がいっぱい』といった 定番の大ヒット作は含まれておらず フェリーニ監督作品のトリビュートである

フェリーニとニーノ・ロータは 切っても切れない関係で 適当にやったわけではないだろうが 『ゴッドファーザー』『ロミオとジュリエット』『太陽がいっぱい』といった作品すら 代表作とは言えないような感じが してくる

「ねえニーノ このシーンで 女優に突然歌わせたいんだ」
「わかった こういうのはどうだい
ラ〜ララ ラ〜ララ ラ〜ラララ〜」
「うんうん」
「ラ〜ララ ラ〜ララ ラ〜ラララ〜」
「音程が上がるわけね」
「ラ〜ララ ラ〜ララ ラ〜ラララ〜」
「まだ上がるんかい! ブラボ〜! ブラボ〜だニーノ!」
ハグする2人
それを眺めて 曖昧な微笑みを浮かべる ジュリエッタ・マシーナ
こんな光景が 目に浮かぶようだ

プロデューサーはハル・ウィルナー
この人がプロデュースした トリビュート作品は 独特で セロニアス・モンク クルト・ワイル ディズニー チャールズ・ミンガス などがある

ミュージシャンは ビル・フリーゼル ジャッキー・バイアード スティーブ・レイシー カーラ・ブレイ ウエントン・マルサリス・・・
ジャズ奏者の面々であるが ある種 独特の匂いが漂って来る

わたしが好きなのは スティーブ・レイシーのソロ『フェリーニのローマ』
スティーブ・レイシーは ソプラノ・サックス奏者で セロニアス・モンクの曲を好んで演奏する人 というイメージがあったが この1曲で わたしの中で ソロの人 というイメージが定着した

とはいえ 芦屋の小さなライブハウスで観た マル・ウォルドロンとのコンボも素晴らしく 革ジャンをサッと脱いで ソプラノ・サックスを吹くスティーブ・レイシーの佇まいに 痺れた



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