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女性ボーカルにハマった頃 4 橋本一子

例えば 車のiPodでランダム再生をする時に 何度も聴いている曲であれば 気分次第で飛ばしてしまう 
橋本一子のアルバム『mood music』の中の曲だと ほとんど必ず 最後まで聴いてしまう
1987年に発表 ということは 断続的に30年以上は聴いている ということになる

美しいアルバムだが 美しいだけでなく妖しい 
淡い電灯の元で 洞窟の中に湧く温泉に浸かっているような気分になる
若い頃 引っ越しで足利から関西に夜間 車で移動する間 ずっとかけていると異世界に迷い込んだ雰囲気になった(この頃 わたしは CDをカセットテープに録音して聴いていた CDをレコードの感覚で扱っていたのだ) 
碓氷峠を越えて 長い長い 直線に近い道路をひたすら走っている時の事である
現実には 暴走族のバイクが集団で抜いて行き 若いヤツ(オレも若かったけど)がメンチを切って走り去った
しかし 車の中は 異世界だった
とろけるような甘美な闇の世界

選曲が絶妙だ
『イパネマの娘』『ワンノート・サンバ』 
といった ボサ・ノヴァ
『ジュ テ ゥ゙ュ』
といった シャンソン

そして ジャズ
『ナイト・アンド・デイ』
『パリの4月』
『モーニン』
『モーニン』?
あの タッタタラッタッタタッタ〜 チャ〜ラっていう あれ?
うざったいのよモーニン♪ っていう あれ?
おかもちを運ぶ(今でいうと ウーバーイーツ)蕎麦屋の兄ちゃんも口ずさんでいたという アーシーでいなたい名曲 
あれ? 
ムッチャ汗かいたアート・ブレイキーが ジャケットいっぱいに写っているレコードの
あれ?
ムード・ミュージック?
聴いてみると ものの見事にムード・ミュージックだった
してみると ここにムード・ミュージックを集めたのではなく 集めた曲を ムード・ミュージックというジャンルに仕立てた と判る
『ポリンシアーナ』と『ストレンジャー・イン・パラダイス』が好き





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